生薬薬草探訪

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芍薬(シャクヤク)

【学名】Paeonia lactiflora Pallas

白芍薬

ボタン科の植物で、生け花など鑑賞用に珍重され庶民に馴染み深い植物で、古来より「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しい人の代名詞として歌われているほどです。芍薬には大きく「赤芍(せきしゃく)」「白芍(びゃくしゃく)」の二種類があります。
●赤芍は根の外皮を付けたまま水洗い後に陰干しにしたもので、多くは四川省、黒竜江省、内モンゴルなどの野生品です。根の内部まで赤くなっているため赤芍と言われています。
●白芍は根の外皮を除いて陰干しにしたものです。外皮を去った後さらに湯通し陰干ししたものを真芍と言います。浙江省、安徽省、四川省に産するものが多いが、日本では国内で栽培された白芍を使用しているケースが多くを占めていると思われます。修治には次の二つがあります。
①炒白芍・・・・黄色になるまで炒めます。補血斂陰(ほけつれんいん)の働きが高まります。
②酒白芍・・・お酒とともに炒めます。寒性を和らげ建中湯類には酒白芍が最適です。

【産地】日本産(大和、日本),中国産,北朝鮮産,韓国産

【性味】味は酸で苦、性は微寒

【主な薬効】鎮痛,鎮痙,活血,補血作用を有し,多くの漢方処方に配合される重要な生薬のひとつです。

【漢方処方】芍薬甘草湯・当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸・温経湯・四物湯・四逆散・葛根湯・大柴胡湯・柴胡桂枝湯・桂枝湯・十全大補湯・麻子仁丸・五積散など多数の漢方薬があります。

【帰経】肝経

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