生薬薬草探訪

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茯苓 (ブクリョウ)

【学名】Poria cocos Wolf

茯苓

神農本草経の上品として記されています。サルノコシカケ科のキノコ(松塊マツホド)です。その根っ子である菌糸が固まってできた塊 (菌核) から皮を去り、陰干しさせたのが茯苓です。アカマツ、クロマツの根に寄生し、“茯苓突き”と呼ばれる鉄製の棒を用いて秋から翌春にかけて採取します。また現在では松脂の取れなくなったマツを切り倒し、茯苓の榾木(ほたぎ)として片側に茯苓菌を付け生産しています。大きいものは直径30㎝、2キロ程にも達するものがあります。潤いと粘り気があり、重く、断面がきめ細かく純白なものが良品とされています。

使用部位などにより以下の種類があります。
(白)茯苓・・・白色の菌核     * 一般に茯苓と言えば白茯苓を指します。
茯神・・・・・・松の根の周辺   *精神安定作用に優れています。
茯神木・・・・茯神に囲まれた松の根
茯苓皮・・・・茯苓の外皮
赤茯苓・・・・淡紅色の菌核

【産地】中国(雲南、安徽、河南、湖北など)、韓国、北朝鮮、日本

【性味】甘、平

【主要成分】エブリコ酸

【帰経】心、肺、脾、胃、腎経

【主な薬効】利水滲湿、健脾和中、寧心安神

【漢方処方】五苓散、四苓湯、小半夏加茯苓湯、茯苓飲、茯苓四逆湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、半夏厚朴湯、五積散、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、十味敗毒湯、四君子湯、六君子湯などの漢方薬処方があります。

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