生薬薬草探訪

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麻黄(マオウ)

【学名】Ephedra sinica

麻黄(マオウ)

傷寒論では麻黄の節を取り去って用いると記されています。これは節に止汗作用があるからと言われています。ちなみに中国では麻黄根を止汗薬として使用しています。日本薬局方では総アルカロイド0.6%以上と規定しています。茎が太く、淡黄色また内部が充実し、味が苦く渋いものが良品です。また茎の内部が赤紫色の物質が充満している物が良いです。また麻黄は古いものが良品とされる六陳の一つです。麻に全く似ておりませんが、食べると舌を麻痺させ、色が黄色であるところから麻黄と言う生薬名になりました。
1885年(明治18年)長井長義先生はマオウに含まれるアルカロイドを単離して属名からエフェドリンと命名しました。漢方薬の成分が日本人によって初めて解明された画期的な出来事でした。

【産地】中国北部、インド、モンゴル、パキスタン、ロシア

【性味】やや渋く苦い、やや舌を麻痺させます。

【主要成分】エフェドリン

【帰経】肺、膀胱経

【主な薬効】鎮咳、去痰、抗炎症、発汗、解熱作用
高齢者で循環器系に既往歴のある方には注意を要します。また胃腸の虚弱な方は食欲が低下かることがあります。

【漢方処方】小青龍湯、大青龍湯、麻黄湯、葛根湯、麻杏甘石湯、麻黄附子細辛湯、越婢加朮湯、桂麻各半湯、防風通聖散など

【使用上の注意】① 表熱(風熱表証)には用いません。
②表寒表虚(自汗)には用いません。
③高血圧症には注意が必要です。

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