平蔵の寺子屋通信

乳がんと漢方薬| 免疫力を高めて癌治療に負けないからだづくり

女性の12人に1人が発症する乳がん

がんシリーズの一回目、今回のテーマは“乳がんと漢方薬”です。女性が最も発症するする癌はだれもが知る乳がんですが、50年前は50人に1人の割合でした。ところが現在は12人に1人となってしまいました。癌と聞くと死を連想してしまいますが、定期検診(マンモグラフィー)で早期発見、早期治療により命に影響することはない時代でもあります。事実罹患率はトップですが死亡率は5位です。無闇に恐れるのではなく、早めのケアーをお勧めいたします。以下に現代医学の治療法と治療薬、漢方薬について記します。

乳がんになりやすい人

 

乳がんの症状と部位

乳がんの分類

◎広がり具合による非浸潤がんと浸潤がん・・・非浸潤がんは癌細胞が乳腺内に止まっている状態です。早期の乳がんですので患部を切除すれば問題はないと考えられます。しかし浸潤がんは乳腺の外にも広がっている状態になります。非浸潤がんであってもそのまま放置すると周りに浸潤する可能性が出てきますので、専門医へ早めの受診をお勧めいたします。

◎乳がんの性質による分類・・・乳がんはホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)に反応するか否か、がん細胞の表面にあるHER2タンパクの有無や量などにより更に細かく5つのタイプ(サブタイプ)に分類されています。

乳がんのステージ(病期)

乳がんの進行度は0期からⅣ期まで5つのステージ(病期)に分けられています。0期は癌細胞が乳腺内に止まりしこりはなく、Ⅳ期は遠くの臓器まで転移している状態です。しこり(Tumor)の大きさとリンパ節(Node)への転移、遠隔転移(Metastasis)の有無により分類され、手術をするのか薬物療法、放射線療法など治療方針を決定する大切な情報になります。

乳がん、卵巣がんの発症リスクとBRCA1、BRCA2

今や男性は2人に11人、女性は3人に1人ががんになる時代です。誰ががんになってもおかしくない時代です。食生活や生活環境が影響しているのだと思われます。しかし一部には遺伝が関与する乳がんもあることがわかっています。2013年5月にアメリカの女優アンジェリーナー・ジョリーさんが乳房の予防的切除と再建術を受けたことが報道されました。遺伝子検査で乳がんと卵巣がん発症リスクが高いと診断されたからです。それはBRCA1、BRCA2と言われる遺伝子で、本来がんを抑制する遺伝子ですが何らかの原因により働きが低下あるいは傷がつくことにより、逆にがん化すると考えられています。ご家族に乳がんの方が多く遺伝的な事がご心配の場合は遺伝子カウンセリングを受けられることをお勧めいたします。

手術、放射線、薬物による乳がんの治療

乳がんの治療は進行の程度(浸潤がん、非浸潤がん)や女性ホルモンに反応して増殖するがんなのか否か、またどのサブタイプに属するのかなどにより治療法は違ってきます。局部と全身に対して以下の治療法が考えられます。

治療薬による副作用

手術療法、放射線療法、薬物療法それぞれに期待できる効果の反面、副作用も考えられます。
◎吐気・・・胃の粘膜を脳の嘔吐中枢が刺激されて吐き気を催す場合があります。
◎骨髄抑制・・・血液をつくる細胞が抑えられ白血球の減少、貧血などが起きる場合があります。
◎脱毛・・・抗がん剤によっては脱毛が起きやすいものもあります。できるだけ体調を整え治療にのぞみましょう。

脱毛など副作用に対する漢方薬の取り組み

東洋医学に扶正去邪(ふせいきょじゃ)と言うことばがあります。扶正とは本来持っている正気(元気)を取り戻す意味で、去邪とは炎症などの悪いものを抑える意味ですが、順番としてまず第一にからだの陰陽のバランス、気血水の巡りなどにより正気を補い、つまり免疫機能を高めることが基本となります。そのうえで病邪を取り除くのが漢方治療の原則と言えます。

抗癌剤で脱毛を起こしやすいタイプとして以下の代表的な証

気血両虚・・・抗癌剤でがん細胞を攻撃するだけでなく正常細胞にもダメージを負うことが予測されます。白血球や血小板の減少、貧血などになり、倦怠感、脱力感との戦いでもあります。漢方薬で気血を補う、益気養血が欠かせません。
腎虚・・・五臓六腑のなかで腎は髪の毛との関係性が言われています。腎の力が弱ると足腰になんとなく力が入らないだけでなく薄毛や脱毛の症状になると考えられています。腎虚を補い症状を予防することをお勧めいたします。

生活のなかでできること

当然ながら閉経に近づくと女性ホルモンであるエストロゲンが減少してきます。エストロゲンは卵胞の発育を助け子宮内膜を厚くし妊娠に備えるだけでなく、脂肪の燃焼を助けたり食欲を抑えるなどの働きもありますので、閉経後体重が増加してしまう方がおられます。しかし不都合にも肥満なることにより皮下脂肪からエストロゲンが分泌されて乳がんのリスクを高めてしまうのです。閉経によりエストロゲンの影響を受けないからと言って油断は禁物です。

十字屋平蔵薬局へのご相談窓口はこちら