平蔵の寺子屋通信

エネルギーと機能を有する気

たちは毎日の生活の中で「気」という言葉をよく使います。気持ちが良い、気が滅入る、気が楽、気が強い、気が短い、気まぐれなどです。その大半は精神的な要素を含みます

では漢方(中医学)では気をどのように捉えているでしょうか。おおよそ二つの概念があると考えています。
一つ目は気が身体を構成するエネルギー物質であるということです。生体内を流れる微弱電流のようなものでエネルギーです。ですから消耗して減ることもあれば、睡眠を摂ることにより補充されもします。気功を健康法のひとつとして、生活に取り入れている方も居られると思いますが、目にみえないだけで実存する物質と捉えています。

二つ目は気には活動性、運動性があるということです。気の運動が不足すると「気虚」、運動性が異常を起こしている場合を「気滞」、「気逆」と呼んでいます。病気はまさに気の流れが病んだ状態と言えます。
更にはそれぞれの臓腑(東洋医学)において機能を有しているとも言えます。例えば「腎気」であったり「肝気」、「脾気」などです。それぞれの臓腑の機能を盛んにしたり減退したりしますが、機能が活発になることにより温め、減退することにより冷えます。一般的に生命活動の営みに必要不可欠な正気を気と呼びますが、一方で生命を脅かす邪気もあります。正気は身体の抵抗力、免疫力と言い換えることができるでしょう。