漢方コラム「通信」

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パニック障害の女性

雨空に紫陽花の映える季節となりました。

あるご婦人から開口一番 パニック障害ということで相談を受けました。具体的にはコンサート会場やデパートなどの音や室温に敏感となり、何とも形容し難い気持ちに襲われると云います。他に伺うと手足に若干の冷えと動悸そして夜間にも恐怖に襲われると云うものでした。

早速漢方薬を調合しお飲み頂きましたところ、何ヶ月かして「今月は忙しくないので症状が出ていないわ」ということでしたが引き続きお飲み頂くと「終日会場に居ても楽でした」といってくれるまでになりました。漢方処方に組み込まれている茯苓(ぶくりょう)と白朮(びゃくじゅつ)は水分の偏在を調整してくれる薬徴があり、桂枝と甘草の組み合わせは桂枝甘草湯の処方にあるように動悸を鎮めてくれるのです。

一生薬だけで方剤を成すこともありますが、二味の生薬の組み合わせが大きな骨格をなすことは漢方の面白いところです。ただこれらの組み合わせは比較的活発なタイプに当てはまりますが、陰証と言われる新陳代謝の低下している方は処方が異なります。お悩みの方はご相談ください。

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パニック障害とは

上記の漢方コラムの症例のように急行電車やコンサート会場などの閉鎖された空間やスーパーなど人混みの中にいると息苦しくなり動悸やめまい、不安、恐怖感などに襲われ、じっとしていられなくなる症状です。これらの症状が予期不安を生み出し外出が困難になるケースがしばしばです。血液検査や心電図などでは異常は見られないため家族からは気のせいとかたずけられることが多くあります。

パニック障害の原因と西洋薬による一般的治療

状況に応じて脳内では緊張によって活性化されるノルアドレナリンとそれを抑えるセロトニンがバランスよく分泌されます。パニック状態の場合はノルアドレナリンの過剰分泌やセロトニンの不足した状態が考えられています。西洋薬としてはこのセロトニンを補うSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が主に処方されています。

パニック障害に対する漢方薬の治療

気のせいや思い込みではありません。東洋医学で言う気の巡りがストレスや疲労により滞っている状態と考えられます。こうした状態や体質に応じた自律神経系の漢方薬が様々です。お悩みの方は漢方薬を是非お勧めいたします。また当店では安心してお飲み頂けるようカウンセリングやこころのケアー、養生法も指導しております。お気軽にご相談ください。

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