漢方コラム「通信」

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ストレスからくる頭痛、肩こり

今年最初の漢方相談は頭痛、肩凝りの30代の女性です。
この方が来店された時はすでに仕事の過労とストレスから大きく体調を崩していました。頭痛、肩凝りだけでなく、腰痛そして起きがけには左右の目の見え方も違うというものでした。

体全体の虚・実・寒・熱などを考え合わせ、お飲みいただいたのが五積散(ごしゃくさん)でした。この処方は気・血・痰・寒・食という5つの病を治すという意味で名づけられたものですが、胃の症状や冷え性のある方に向いています。

その後、この方の症状は部分的に楽になったものの、肩から首の痛み、頭痛はまだ残っていました。そこで肩の状態を考え別の薬方も一緒にお飲み頂き数日後、本人に確認してみると、朝から目もはっきり見えるようになり、肩凝りも取れてきたといいます。また、改善スピードは五積散以上とのことでした。


処方にある葛根は引経報使(いんけいほうし)という観点からも上焦部を中心に作用するようになっており、下肢部より上半身に用いることのほうが多いようです。痛みでお悩みの方は漢方専門店にご相談ください。

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緊張性頭痛(筋収縮性頭痛)とは

緊張性頭痛、片頭痛(偏頭痛)、群発性頭痛、複合型頭痛とある中で緊張性頭痛がもっとも一般的な頭痛で、慢性頭痛の40パーセント以上であると言われています。締め付けられるような押されるような症状が続きます。何が緊張かと言えば頭部や頸部、肩の周囲などの筋肉が、ストレスや疲労により硬直した状態だと言うことです。メカニズムとしては患部が収縮すれば血流障害により老廃物が蓄積し一種の炎症状態になると考えられます。炎症によりプロスタグランジン、ロイコトリエンなどの痛みの物質が放出され血管も拡張するという訳です。

緊張性頭痛への西洋薬治療

頭痛には鎮痛剤が一般的に処方されます。発痛物質の生成を阻害する訳ですが、胃腸障害などの副作用を起こすことがあります。

緊張性頭痛に漢方薬をお勧めします

緊張性頭痛の原因は疲労やストレスにより本来の筋力以上の緊張がかかると考えられます。漢方薬には各人のもっている証に合った治療をすることを特徴とします。ですから随伴する症状も含めより根本的な緩和が期待できますので是非お勧めいたします。またストレスの原因にも対応していくことも必要でしょう。

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