漢方コラム「通信」

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腕が上がらない

風薫る季節になりました。
今回は痛みについての話です。程度の差こそあれ、膝(ひざ)、腰、肩などの痛みは誰もが経験するものです。ある30代の女性は、無理な作業をしたためでしょうか、3日ほど前から右肩がまったく動かず、「自分で髪を洗うこともできないわ」と嘆いておられました。一見したところ、この方は虚弱で冷え性体質でしたが、肩の張りが強く、表寒実証と判断。さらに糸練功(しれんこう)という気功で合数を確認したうえで、葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)をお飲みいただきました。この処方は葛根、麻黄、芍薬などに、朮、附子を加えたもので、痛みを和らげ凝りをほぐします。慢性の痛みの場合、じっくり時間をかけて治すことが大切ですが、急性の症状となりますと、それほど時間を要することなく回復するものです。
 

このご婦人の場合、5日ほどで腕もだいぶ上がるようになり、その後処方を変え、10日ほどで症状を忘れる程度にまでなりました。何事においても早め早めの治療が大切です。ぜひ一度、ご相談ください。

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