漢方コラム「通信」

キーワード: 

肝臓の腫れに悩んでいた男性

「肝心かなめ」という言葉があるとおり、肝臓は体の中で極めて重要な臓器です。
近年、肝炎を患っている方が増えていますが、これは、将来、肝硬変や肝臓がんに至る恐れがありますので放っておけません。


漢方では肝炎に柴胡剤(さいこざい)を用いることが多く、体力が充実している方には大柴胡湯や小柴胡湯、虚弱な方には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)といった具合に使い分けます。以前、六十代のアルコール好きな男性に体質に合った漢方薬を調合したところ、肝臓の腫(は)れがいつの間にか感じなくなり食欲も出て、周りの方も認めるほどの回復ぶりです。体力に見合った漢方薬をお飲み頂くことの大切さを実感したことがあります。ほかに、黄疸(おうだん)があれば茵陳蒿湯(いんちんこうとう)などを用い、肝硬変で顔色が黒っぽく出血のある方には、四物湯(しもつとう)を基本とした処方がよいでしょう。食事面では医師や栄養士の指導に従うことが大切ですが、漢方の理論からいくと、酸味と青(緑)色のものを摂ることがポイントとなります。これらは、肝・胆系には必要不可欠と考えられていますが、酸味が苦手だと不足がちになりますので、鍋物にポン酢を用いたりレモンティーなど摂取しやすいものを選ぶ工夫が必要です。

体調がすぐれない方は漢方専門薬局に一度ご相談ください。

無料相談はこちら