救急車を呼ぶ程の筋肉の痛み“こむら返り”
朝晩と肌寒くなってきました。ある60代の男性からこむら返りの相談を受けました。毎晩足のつりに悩まされてのご来店です。この方は体力が充実しており、我慢強いタイプですが救急車を呼ぶ程の痛みだったそうです。
早速漢方薬をお飲み頂き毎日起きていたこむら返りが、ほとんど起きずにぐっすり眠れるようになったと言います。薬方には牡丹皮、桂枝、薏苡仁、茯苓などを含み瘀血と水分の代謝などを改善します。

東洋医学では肝が筋肉に血を巡らせていると考えます。慢性的なつりは肝に負担がかかるなどの理由から血流が停滞したり、逆に血流不足により発症することも考えられます。よくこむら返りには筋肉を弛緩する芍薬甘草湯が処方されますが、糖尿病などの基礎疾患や冷えなどの体質的要因が絡むと、この症例のように別の薬方が必要になる場合もしばしばです。お悩みの方はご相談ください。
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こむら返りとは・・・・
主に腓腹筋(ひふくきん)と言われるふくらはぎの筋肉が持続的に痙攣した状態のことです。土踏まずや太ももなどの下肢だけでなく肩、腕、手の指など全身に起こりえます。
こむら返り、足のつりの原因
- ミネラル不足やアンバランス・・・・筋肉の収縮に欠かせないのがCaです。またそのCaの出し入れをコントロールするミネラルがMgです。比率としてCa:Mg は2:1と言われていますが、両者のミネラルが不足するとこむら返りになる要因となります。小松菜、ごま、小魚などバランスよく取りましょう。

- 筋肉疲労・・・・筋肉内に乳酸や老廃物が蓄積することによりこむら返りを起こすことが考えられます。
- 冷え性などの血流障害・・・・血液循環が悪いと筋肉に必要なエネルギー源を供給できないだけでなく、老廃物の処理も滞ってしまいます。
- 糖尿病や肝硬変などの肝臓病、腎臓病などの疾患・・・冷え性にもつながりますが、漢方で言うところの瘀血(おけつ)つまり血液ドロドロの状態が進むとこむら返りを起こしやすくなります。
こむら返りに漢方薬
こむら返りと言えば「芍薬甘草湯」と言うくらい有名な漢方処方です。この処方で改善している場合は良いのですが、あまり変化がない場合は症状の経緯や体質、あるいは浮腫みなど随伴する症状なども考え合わせた漢方薬である必要があります。是非ご相談ください。
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