漢方コラム「通信」

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思考が悲観的な産後うつに漢方薬

よいよ春本番です。ある30代の女性からのご相談です。昨年の7月に初めてのお子さんを出産して以来喜びもつかの間、昼夜関係なく授乳などの子育てに追われ、心身共に疲労がピークに達しているようでした。思考が悲観的になり、少々のことでイライラしたり涙が出たり、また不眠になったり、生理の様子からしてホルモンのバランスも崩れているようです。

早速漢方薬をお飲み頂き徐々に元気を取り戻したようです。お飲み頂いた薬方は芍薬、当帰、地黄などの補血薬を含みます。また大棗、甘草、小麦(しようばく)など緩和鎮静の働きがあり、組合せにより大脳の緊張を鎮めます。味は甘く滋養強壮の作用も期待できます。その後この女性は「暗い気持ちになったり落ち込むことが無くなり、日中子どもが寝ている間一緒に昼寝もできるようになりました。」と言って頂きました。また後から分かったようですが母乳の出もよくなったそうです。古書「金匱要略」の条文に「婦人蔵躁」とあり今日の精神疾患に相当します。昔からうつ症状で用いられていた漢方薬をお悩みの方に是非お勧めいたします。

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産後うつと栄養不足

妊娠、出産は女性にとって喜びであると同時に肉体的、精神的な負担にもなります。バランスを欠いた食生活だとすれば、即低栄養状態を招きます。また妊娠前の低コレステロール状態が産後鬱を招く要因であることがデータとしてあることからも、食養生が鬱予防、鬱改善には欠かせないと考えます。ホルモンはもともとコレステロールを材料にして作られます。そのコレステロールは直接食べ物として摂取するタンパク質から作られる割合は少ないにしても普段より良質なタンパク源が欠かせないと言えます。

一に養生、二に漢方

食養生だけですべてが解決するわけではありません。症状と体質に合った漢方薬が症状改善の助けになります。産後鬱でお困りの方はご相談ください。

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