漢方コラム「通信」

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風邪を引き始めて以来咳が止まらない

実りの秋を迎えております。

あるご婦人からのご相談ですが、風邪を引き始めて以来咳が止まらないと言います。また忙しくしている間に体重は少しずつ減少してしまったと言います。

早速漢方薬をお飲み頂きましたところ症状に変化がみられ、何回かご来店のうちに咳は快方に向かい、もっと早くに来ていればとおっしゃっておりました。

漢方薬は特に喉や気管支の炎症を鎮める処方ではなく、咳とは関係のない体質に合った人参、当帰、黄耆(おうぎ)といった胃腸に良い生薬を含む内容でした。東洋医学ではよくあることです。古書「難経」*九十六難には五臓六腑と疾患の関係で「虚すればその母を補う」という行があります。この方の咳は慢性化しており強い炎症の音ではなく元気のない咳でした。漢方の臓腑で言う肺の母となるものは脾(胃腸)です。脾を補うことにより体力と肺の機能が回復し咳も治まったと解釈できます。生体は互いに協調しまた影響し合っているということです。

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『難経』六十九難には有名な『虚せば、その母を補う。実すれば、その子を瀉す』と言う記述があります。

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