顔面神経麻痺には漢方薬がおすすめ!飲み方や購入方法は?

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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顔面神経麻痺を治療している人の中には「ステロイドを使わずに治療したい」「漢方薬で症状を改善できるというのは本当か?」という人も多いと思います。顔面神経麻痺は、ある日突然顔の筋肉を自由に動かすことができなくなる、恐ろしい病気です。最近は治療に漢方薬が用いられることが多くなっており、その効果が期待されています。

この記事では、顔面神経麻痺の原因やメカニズムをはじめ、漢方における顔面神経麻痺の考え方や用いられる漢方薬などをご紹介しましょう。

  1. 顔面神経麻痺の症状や原因・種類を紹介
  2. 顔面神経麻痺をセルフチェック
  3. 顔面神経麻痺の治療法を紹介
  4. 顔面神経麻痺には漢方がおすすめ
  5. 顔面神経麻痺に用いられる漢方薬は?
  6. 顔面神経麻痺と漢方薬に関するよくある質問

この記事を読むことで、顔面神経麻痺の症状や種類・漢方薬を用いるメリットや効果的な飲み方などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.顔面神経麻痺の症状や原因・種類を紹介

まずは、顔面神経麻痺の主な症状や種類・原因などを詳しくまとめました。

1-1.顔面がうまく動かすことができなくなる病気

顔面神経麻痺とは、顔面神経の異常によって顔面がうまく動かすことができなくなる病気のことをいいます。症状の現れ方には個人差がありますが、主に以下のような症状が起こることが多いです。

  • 顔面の片側だけが麻痺し、動かすことができなくなる
  • 顔がまがった状態になる
  • 目が閉じにくくなる
  • 口を完全に閉じることができず、よだれが垂れる
  • 麻痺がある側の舌半分の味覚がなくなる
  • 水を飲むと口からこぼれる

1-2.どの部分に問題があるかによって「中枢性」と「末梢性」に分かれる

顔面神経麻痺は、どの部分に問題があるかによって「中枢性顔面神経麻痺」と「末梢性顔面神経麻痺」に分けられます。中枢性顔面神経麻痺は脳出血や脳梗塞・脳腫瘍などが原因となるもので、頭痛や意識障害・手足の麻痺などの症状が伴う重篤なものです。脳血管障害が原因の場合は非常に緊急性が高いため、すぐ病院を受診することをおすすめします。一方の末梢性顔面麻痺は、ウイルスによって顔面神経が傷付くことで起こるものです。

1-3.末梢性顔面麻痺の多くは原因が分からない「ベル麻痺」

末梢性顔面麻痺は水痘帯状疱疹ウイルスが原因の「ハント症候群」と、原因がはっきり分かっていない「ベル麻痺」に分けられます。顔面神経麻痺の大半は「ベル麻痺」です。近年の研究では、一部のケースで顔面神経の腫れを引き起こすウイルス感染や自己免疫疾患などが原因になることが分かってきています。たとえば、単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹・コクサッキーウイルス・風疹(ふうしん)・流行性耳下腺炎などが、ベル麻痺の原因となると考えられているのです。

2.顔面神経麻痺をセルフチェック

顔面神経麻痺をセルフチェックしてみましょう。すぐに病院を受診すべきケースの見分け方についても知っておくべきです。

2-1.セルフチェック項目を紹介

以下の項目で当てはまるものが多いほど、顔面神経麻痺である可能性が高くなります。

  • 口元からよだれが垂れる
  • 飲んだものや食べたものがこぼれる
  • しゃべろうとすると口角から空気が漏れる
  • 目が完全に閉じず、白目になったり涙が出たりする
  • 音が耳に響く
  • 舌の半分に味覚がない
  • 眉毛の高さや目の開き具合・口角の高さなど、顔面の左右が著しく対象でない

2-2.額の麻痺がない場合はすぐに病院へ

中枢性顔面神経麻痺と末梢性顔面神経麻痺は、額にしわを寄せてみることで見分けられます。中枢性の場合は額の麻痺がないため、しわを寄せることができるのです。「額に麻痺がないから」と安心しがちですが、逆に命に関わる危険があるということを覚えておきましょう。「目の周りや口の周りには麻痺があるけれど、額には麻痺がない」という場合は、すぐに受診してください。

3.顔面神経麻痺の治療法を紹介

末梢性の顔面神経麻痺の治療に用いられる方法をご紹介しましょう。

3-1.まずは薬物治療、回復しなければ手術も

西洋医学においては、顔面神経麻痺の治療にステロイドや抗ウイルス薬などの薬物が使用されるのが一般的です。軽症であれば、発症直後に連日で点滴治療を受けることで症状が回復します。薬物治療を継続しても症状が改善されない場合は、「顔面神経減荷術」と呼ばれる治療法が選択されることもあるでしょう。神経周辺の骨を削ることで顔面神経を圧迫から開放し、血流の改善を図るための手術です。

3-2.鍼(はり)治療の併用が勧められる場合も

顔面神経麻痺の治療に鍼治療が用いられる場合もあります。麻痺した顔面神経を鍼治療によって刺激することで、筋肉の萎縮や緊張・血流不足を抑えることが可能なのです。治療の効果を高めるために、薬物治療と併用して鍼(はり)治療を勧める医療機関も少なくありません。

4.顔面神経麻痺には漢方がおすすめ

顔面神経麻痺の治療として漢方が用いられるケースも多くなっています。漢方における顔面神経麻痺の考え方や、漢方を取り入れるメリットなどをご紹介しましょう。

4-1.漢方医学では神経麻痺を「中風」と呼ぶ

漢方医学では、顔面神経麻痺を含む神経麻痺のことを「中風」と呼んでいます。中風の症状は、疲労や過労などが原因で気や血が不足することで引き起こされると考えられているのです。免疫が下がって血行が悪くなり、ウイルスに対する抵抗力も落ちると、麻痺が起こりやすくなります。

4-2.「顔面神経麻痺に負けない体質」を目指す

漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られたもので、体質を改善したり自己治癒力を高めたりする効果が期待できます。症状を一時的に抑える西洋薬と違い、顔面神経麻痺の根本的治癒を目指すことができるでしょう。実際に、西洋医学では治療が難しいとされる病気が、漢方によって大きく改善された例も少なくありません。

4-3.漢方治療に向いているのはこんな人

顔面神経麻痺には、主に血のめぐりをよくして不足している血を補う漢方薬が使われます。漢方神経麻痺になりにくい体質への改善を目指すことができるため、何度も顔面神経麻痺を繰り返している人や、長引く慢性的な症状に悩んでいる人におすすめです。また、「ステロイドを使い続けることに抵抗がある」という人も、漢方薬による治療を取り入れてみるとよいでしょう。

5.顔面神経麻痺に用いられる漢方薬は?

顔面神経麻痺に用いられる漢方薬には、以下のようなものがあります。

5-1.葛根湯(かっこんとう)

葛根(かっこん)をはじめ、大棗(たいそう)や麻黄(まおう)・甘草(かんぞう)などの生薬で作られている漢方薬です。体を温め、筋肉のこわばりを改善する効果があります。体力や抵抗力がある人におすすめです。

5-2.加味逍遙散(かみしょうようさん)

柴胡(さいこ)や芍薬(しゃくやく)・当帰(とうき)などの生薬が配合されています。血行不良や冷えを改善し、麻痺の改善が期待できる漢方薬です。中等度以下の体力の人におすすめします。

5-3.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝(けいし)・芍薬(しゃくやく)・茯苓(ぶくりょう)などの生薬で作られている漢方薬で、血液のめぐりを改善します。体力が中等度以上の人におすすめです。

6.漢方薬の飲み方や費用などを相談してみよう

漢方薬の飲み方や利用方法・費用についてご紹介しましょう。

6-1.漢方薬局に相談するのがおすすめ

漢方薬を購入する際は、漢方薬局に相談するのがおすすめです。漢方薬は自分の症状や体質に合ったものを服用する必要があります。漢方に詳しい漢方薬剤師のカウンセリングを受け、自分に合った漢方薬を処方してもらうことが大切です。漢方相談薬局の十字屋平蔵薬局には、漢方薬はもちろんのこと、西洋薬にも詳しい薬剤師が在籍しています。現在服用している西洋薬との飲み合わせについても相談できるため、ぜひ利用してみるとよいでしょう。

6-2.空腹時に白湯(さゆ)に溶かして飲む

漢方薬は基本的に、食間の空腹時に服用するのが望ましいといわれています。食後2時間ほどたった空腹時に、白湯(さゆ)に溶かして服用するとよいでしょう。飲み忘れを防止するために、できるだけ毎日同じ時間に飲むようにする習慣をつけることをおすすめします。

6-3.十字屋平蔵薬局では1日分500円前後

漢方薬の価格は漢方薬局によって異なりますが、十字屋平蔵薬局では1日分を500円前後で販売しています。30日分だと15,000円前後で購入できるため、料金についても事前に確認しておきましょう。

7.顔面神経麻痺と漢方薬に関するよくある質問

「顔面神経麻痺を治療したい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.特に顔面神経麻痺を発症しやすいのは何歳くらいですか?
A.あらゆる年齢で発症しますが、特に多いのは40歳代といわれています。

Q.顔面神経麻痺が命に関わることもあるのですか?
A.前述したように、脳出血や脳梗塞・脳腫瘍などが原因で麻痺が起こっている場合は命の危険もあるでしょう。ウイルスが原因の場合は命にかかわることはありません。

Q.顔面神経麻痺の症状がゆっくり生じることもあるのでしょうか?
A.神経や血管の病気によって顔面神経に障害が生じた場合は、顔面の麻痺がゆっくりと進行することもあります。

Q.顔面神経麻痺の後遺症にはどのようなものがあるのでしょうか?
A.目と口が一緒に動いてしまう「病的共同運動」や顔面のけいれん・目の乾きなどが後遺症として報告されています。

Q.漢方薬には副作用がまったくないのでしょうか?
A.体質に合わないものを服用した場合、副作用が出る可能性があります。また、西洋薬との飲み合わせによっても副作用が現れることがあるため、漢方薬剤師によく相談した上で処方してもらいましょう。

まとめ

顔面神経麻痺の症状や原因・効果的な漢方薬などを詳しくご紹介しました。顔面神経麻痺は、ある日突然顔を自由に動かすことができなくなる恐ろしい病気です。はっきりした原因が分からず、長い間治療を続けている人も多いのではないでしょうか。顔面神経麻痺の治療には、漢方薬が用いられることもあります。ぜひこの記事を参考にして、漢方治療を検討してみてください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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