高温期の状態が気になる人必見! 漢方を用いた改善方法などを解説

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

「妊活中だけど、高温期が短く不安定だと分かって心配だ」と悩んでいる人はいませんか? 妊娠するには、高温期が規則正しく、巡ってくることが大切です。高温期を安定させる方法は複数ありますが、人によっては漢方薬の服用が効果的なこともあります。

今回は、高温期と妊娠の関係や漢方薬を用いて妊娠しやすい体を作る方法を紹介しましょう。

  1. 高温期の基礎知識
  2. 高温期と妊娠の関係
  3. 漢方薬を用いて高温期を安定させる方法
  4. 漢方薬局の利用方法
  5. 高温期や漢方に関するよくある質問

この記事を読めば、自分に合った漢方薬を調合してもらう方法も分かります。妊活をしている人や妊娠を望んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.高温期の基礎知識

はじめに、高温期が規則的に巡ってくる理由や妊娠との関係などを紹介します。

1-1.高温期は月経周期の一部

高温期は、月経周期の一部です。基礎体温を測ると、月経期(生理中)・卵胞期(らんほうき:低温期)・黄体期(おうたいき:高温期)の3つの期間に分かれます。低温期に卵子のベッドとなる卵胞が子宮内で育ち、排卵と同時に卵胞が黄体に変化し、体温が高くなるのです。高温期は平均して12~14日続きます。

1-2.高温期が正しいと妊娠しやすい

月経周期が規則正しく巡っていれば、排卵日も分かりやすくなり妊娠もしやすくなります。また、高温期は最も妊娠しやすい時期なので、高温期をきちんと把握しておくことが妊活をするうえでも重要です。

1-3.正常な高温期の特徴

正常な高温期は12~14日続き、低温期との体温差が0.3度以上あります。個人差はありますが、おおよそ36.5℃~36.7℃です。また、低温期から高温期の移動は3日以内に行われます。

2.高温期と妊娠の関係

この項では、月経周期の乱れと妊娠との関係などについて紹介します。

2-1.生殖機能の不調だと月経周期が乱れが現れる

月経周期は、25~38日で一巡します。卵巣の機能が正常で排卵がきちんと行われている場合、低温期と高温期がはっきりと分かれ、それぞれの日数も決まっているのです。しかし、ホルモンの乱れや無排卵など、生殖機能が不調になった場合、月経周期の乱れが症状として現れるでしょう。

2-2.高温期が正常でないときの特徴

以下のような場合は、高温期が正常でない可能性があります。

  • 高温期と低温期の差が0.3℃以下
  • 高温期が10日以下
  • 高温期の途中で急に体温が低下する
  • 高温期と低温期の体温差が0.5℃以上ある

2-3.高温期が正常でなくなる原因

高温期が正常でなくなる原因には、以下のようなものがあります。

2-3-1.黄体機能不全

黄体機能不全とは黄体からのプロゲステロンが分泌不足となり、着床障害や流産の原因となる症状です。病気ではな、症状の総称であり、黄体機能不全と診断されたら、さらに検査を進めて原因を突き止めることになるでしょう。

2-3-2.卵巣機能低下

卵巣機能低下とは、文字どおり卵巣の機能が低下している状態です。卵巣の機能が低下していれば排卵が正常に行われず、高温期が正常でなくなります。

2-3-3.ストレスなど

強いストレスがかかるとホルモンバランスが崩れ、月経周期が乱れたり無排卵月経が起こったりすることもあるでしょう。

2-4.月経周期が乱れる弊害

前述したように、月経周期が乱れるということはホルモンバランスが崩れ、生殖機能に悪影響が出ている可能性があります。その状態が長く続くと、不妊の原因となることもあるでしょう。また、妊活を成功させるためにも、月経周期を安定させることが大切です。

3.漢方薬を用いて高温期を安定させる方法

この項では、漢方薬を用いて高温期を安定させる方法や漢方を用いた改善方法が向いている人などを紹介します。

3-1.月経周期の乱れに関する東洋医学の考え方

東洋医学では、人体の働きや機能を「肝・心・脾(ひ)・肺・腎(じん)」の5つ(五臓)に分類しています。また、気(生命エネルギー)・血(血液)・水(血液以外の体液)が体内を規則正しく巡っている状態が健康と考えているのです。月経周期の乱れは、気や血の不足・脾腎陽虚(ひじんようきょ:脾と腎に陽の気が不足している状態)とみなしています。

3-2.漢方を用いた周期療法

周期療法とは、月経周期に合わせて漢方薬を使い分け、身体を妊娠しやすい状態に改善していく方法です。高温期には、血や気の流れを活性化する漢方薬を用います。妊活の1つの方法として実践している人も多いことでしょう。

3-3.漢方を用いた月経周期の改善方法が向いている人

漢方薬は、長期間服用することにより病気未満の体の不調を改善する効果が期待できます。たとえば、仕事が忙しくて月経周期が乱れている場合や、病院で処方された薬の効果が実感できない場合などは、漢方薬を服用してみるとよいでしょう。病院で処方された薬とも併用可能ですが、必ずお薬手帳を薬剤師に見せて相談のうえ、処方してもらってください。

3-4.高温期に用いる漢方薬の一例

高温期に服用する代表的な漢方薬は、以下のようなものです。

3-4-1.婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

婦宝当帰膠は、生理痛・貧血の改善や更年期障害の諸症状の緩和などに用いられます。高温期に服用すれば、血の巡りを改善する効果が期待できるでしょう。

3-4-2.参茸補血丸(さんじょうほけつがん)

参茸補血丸は、胃腸虚弱による貧血や冷え性などを改善する効果が期待できます。体力がなく、疲れやすい人などに処方されることもあるでしょう。

3-4-3.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、月経周期を整えて全身の血流を改善する効果が期待できます。高温期に用いることにより、黄体ホルモンの分泌を促す効果も期待できるでしょう。

4.漢方薬局の利用方法

漢方薬局とは通常の薬局とは異なり、漢方薬の調剤や販売を専門に行う薬局です。漢方薬に詳しい薬剤師が常駐しているので、症状や体質を相談することで、自分に合った漢方薬を処方してもらうことができます。月経周期の乱れは、人によって症状や原因が異なるため、自分に合った漢方薬を服用することが症状を改善するためにも大切です。
最近は、初めての人でも利用しやすいようにサイトを開設する薬局も増えました。また、メールで相談を受けつける薬局もあります。なお、漢方薬を用いて体質を改善したい場合は、2週間以上服用しないと効果が実感しにくいものもあるでしょう。そのため、まずは2週間分を処方してもらい、効果が実感できたら継続して服用してください。十字屋平蔵薬局では、1日分500円前後で漢方薬を処方しています。

5.高温期や漢方に関するよくある質問

この項では、高温期や漢方に関するよくある質問を紹介します。

Q.妊活する予定がなくても、月経周期は整えておくべきですか?
A.はい。月経周期が乱れたままだと不妊につながる恐れもあります。できるだけ整えておきましょう。

Q.加齢による卵巣機能の衰えで高温期が規則的に巡ってこない場合、漢方薬は効果がありますか?
A.血行を促進して腎や脾に陽の気を巡らすことで、一定の効果は期待できるでしょう。

Q.漢方薬は、毎日飲み続けなければ効果がありませんか?
A.はい。処方された日数分、毎日規則正しく服用することで、より効果が期待できます。

Q.高温期がはっきり出ないということは、排卵されていない可能性もあるでしょうか?
A.その可能性もありますが、基礎体温だけでは判断は難しいので病院で検査を受けてください。

Q.漢方薬は月経周期によって変えなければなりませんか?
A.周期療法を行う場合は、高温期と低温期で使い分ける必要があります。しかし、月経周期を整えたいだけの場合は、薬剤師と相談してください。

まとめ

いかがでしたか? 今回は高温期が起きる理由や妊娠との関係、漢方を用いた月経周期の整え方などを紹介しました。女性の体はデリケートなので、ストレスなどでも月経周期が乱れることもあります。妊活をしている人だけでなく、病気由来ではない生理不順や冷え・生理痛などに悩まされている人は、ぜひ漢方薬を用いた改善方法を試してみてください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局