秋の花粉症の改善には漢方薬が効果的? そのメリットなどを解説!!

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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涼しくなったら、急に透明な鼻水が出たり目がかゆくなったりしだした。このような症状に悩まされいている人はいませんか? それは、秋の花粉症の可能性があります。花粉症は春というイメージがありますが、秋に花粉を飛ばす草の中にも花粉症の原因となるものも多いのです。

放置しておけば症状がひどくなる可能性が高く、適切な治療を受ける必要があります。花粉症は完治が難しい病気ですが、漢方薬が症状の改善に効果的な人もいるでしょう。

そこで今回は、秋の花粉症の症状や原因、漢方薬を用いた改善方法などを紹介します。

  1. 秋の花粉症とは?
  2. 秋の花粉症対策
  3. 漢方薬を用いた秋の花粉症の改善方法
  4. 漢方薬局の利用方法
  5. 秋の花粉症に関するよくある質問

この記事を読めば、自分の症状に適した漢方薬を処方してもらう方法もよく分かるでしょう。秋の花粉症に悩まされている人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.秋の花粉症とは?

はじめに、秋の花粉症の原因や症状などについて紹介します。

1-1.花粉症とは?

花粉症とは、草花の花粉がアレルゲンとなって体の粘膜を刺激し、くしゃみ・鼻水・せき・目のかゆみなどの症状が出る病気です。「季節性アレルギー性鼻炎」とも言います。花粉症の原因となる花粉といえばスギやヒノキが有名ですが、イネ科やキク科の植物でも花粉症の原因となるのです。

1-2.秋の花粉症の原因

秋の花粉症とは、キク科のブタクサやヨモギが原因です。これらの草は8月後半から花粉を飛ばし始め、9月後半~10月にピークを迎えます。また、9月半ばになると量は少ないですがスギの花粉も飛び始めるでしょう。このほか、イネ科の植物も9月くらいから花粉を飛ばし始めるので、秋になると何種類もの花粉が空気中を飛び交うのです。そのため、花粉症の症状が春よりも強く出る人もいます。

1-3.ダニアレルギ―も秋は症状が強くなる?

家の中に生息しているダニは、夏に繁殖期を迎えます。そして秋になると繁殖を終えたダニは一斉に死んでしまうため、ダニの死骸は秋に最も増えるのです。そのため、ハウスダストアレルギーの人は、秋に症状がひどくなることもあるでしょう。秋の花粉症を発症したと思ったら、ハウスダストアレルギーだったというケースもあります。

1-4.花粉症の症状と診断基準

花粉症は、急に発症することも珍しくありません。以下のような症状が出る場合はアレルギー科を受診し、血液検査を受けましょう。

  • 水のような鼻水が出る
  • くしゃみが出る
  • 目がかゆい
  • 涙が出る
  • 都市部など草花が少ないところでは症状が軽くなる

血液検査をすれば、どんなアレルゲンに対してアレルギー反応が出ているか分かります。

2.秋の花粉症対策

この項では、自分でできる秋の花粉症対策を紹介します。

2-1.アレルゲンとなる草木に近づかない

秋の花粉症の原因となるブタクサやヨモギの花粉は体長が低い分、スギやヒノキの花粉に比べると遠くまで飛びません。ですから、アレルゲンが生い茂っている場所に近づかなければ、症状が軽減する可能性があります。ブタクサやヨモギは河原や田んぼのあぜなどにたくさん生えているため、できるだけ近づかないようにしましょう。

2-2.マスクをつけてうがいをする

マスクで口や鼻をおおっていれば、花粉が喉や鼻の粘膜に付着するのをある程度防ぐことができます。また、外から帰ってきてすぐにうがいをすれば、付着した花粉を落とすことができるでしょう。

2-3.窓を開けず、掃除は拭き掃除から行う

窓を全開にすると、外から花粉が飛んできやすくなります。この季節は窓の開け閉めを最小限にし、室内では空気清浄機をかけましょう。また、掃除を行う場合はフローリングワイパーで拭き掃除から行うと、床に落ちたダニの死骸や花粉を取り除くことができます。掃除機の場合は、排気で花粉やダニの死骸をまいあげてしまうので、拭き掃除をした後でかけましょう。

2-4.規則正しい生活をする

規則正しい生活をすると、体内の免疫細胞が活性化して花粉症の症状が軽くなる場合もあります。また、ストレスがたまらないように適度な発散を心がけましょう。症状がひどい場合は、耳鼻咽喉科やアレルギー科でアレルギー症状を軽減する治療を受けてください。

3.漢方薬を用いた秋の花粉症の改善方法

この項では、漢方薬を用いた秋の花粉症の改善方法を紹介します。

3-1.東洋医学における花粉症の考え方

東洋医学とは、中国を中心とした東アジア一帯で発展してきた医学です。漢方薬を用いた治療や鍼灸(しんきゅう)の治療がよく知られています。東洋医学では、気(生命エネルギー)・血(血液)・水(血液以外の体液)が、バランスよく体を巡り、健康を維持しているという考えです。東洋医学では花粉症は水の流れが滞り、体内にたまった状態になることや、余計な熱が体内にこもることによって発症すると考えています。

3-2.漢方薬を使用するメリット

漢方薬とは、生薬と呼ばれる自然の草木や鉱物などを原料とする薬です。鼻炎を改善する効果がある漢方は、市販の鼻炎薬の副作用でありがちな眠気が起こりません。そのため、眠気が起こると困るときにも用いることができます。また、漢方薬は即効性があるもののほか、効き目が穏やかで長時間飲み続けられるものも多いのです。長時間漢方を服用することにより、アレルギー症状を出にくくする効果も期待できます。
ですから、「花粉症の症状をできるだけ軽くしたい」という人や、「副作用の心配をせず花粉症の症状を和らげたい」という人は、漢方薬を使ってみてください。

3-3.漢方薬を使用する際の注意点

漢方薬は体質によって効き目が強く出過ぎてしまう場合もあります。ですから、初めて漢方薬を服用する際は、漢方薬局で薬剤師に相談し、漢方薬を処方してもらってください。すでに薬を服薬している人は、必ずお薬手帳を薬局に持参しましょう。

3-4.秋の花粉症の改善に用いられる漢方薬

秋の花粉症の改善に用いられる漢方薬は、以下のようなものです。

  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう):アレルギー性鼻炎の改善に有効な漢方薬。せきにも効果がある
  • 五虎湯(ごことう):せきを鎮める効果がある。アレルギー性鼻炎が悪化し、気管支炎の症状が出ている人にも効果的
  • 葛根湯加川辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい);アレルギー性鼻炎が悪化し、副鼻腔炎など粘性の鼻水が出ている人や、鼻づまりに悩んでいる人に用いられる

なお、ここでご紹介したのはあくまでも一例であり、薬剤師に相談すれば、自分に合った漢方薬を紹介してもらえます。

4.漢方薬局の利用方法

漢方薬局とは、漢方薬の調剤や販売を専門に行う薬局です。漢方薬に詳しい薬剤師が常駐しています。自分の症状を詳しく薬剤師に相談することにより、自分に合った漢方薬を処方してもらうことが可能です。最近は、初めての人でも利用しやすいようにホームページや相談窓口を設ける漢方薬局も多く、最寄りの漢方薬局も見つけやすくなりました。なお、プライバシーは万全に配慮してくれるので安心して悩んでいる症状を相談してください。漢方薬は、即効性があるものもありますが、体質を改善したい場合は2週間以上服用しないと効果が実感しにくいものもあるでしょう。そのため、まずは2週間分処方してもらい、高価が実感できたら継続して服薬してください。十字屋平蔵薬局では、1日分500円前後で漢方薬を処方しています。

5.秋の花粉症に関するよくある質問

この項では、秋の花粉症に関するよくある質問を紹介します。

Q.春の花粉症の症状をひきずったまま、秋の花粉症になってしまったということはあるでしょうか?
A.はい。花粉症を発症すると複数の花粉にアレルギー反応が出るようになることは珍しくありません。ですから、症状が年々ひどくなる人もいます。

Q.症状だけでは、何に対してアレルギー反応が出ているか分かりませんか?
A.はい。症状だけでは分からないので血液検査が必要です。

Q.秋の花粉症が自然治癒することはありませんか?
A.絶対ないとは言い切れませんが、可能性はとても低いでしょう。

Q.秋の花粉症は、ブタクサやヨモギ以外の花粉でも症状が出ますか?
A.はい。キク科の植物の花粉ならば症状が出る可能性があります。

Q.漢方薬を飲めば、つらい症状がすぐに改善するでしょうか?
A.はい。漢方薬剤師に相談して即効性がある漢方薬を処方してもらえば、すぐに改善する可能性があります。

まとめ

いかがでしたか? 今回は秋の花粉症の原因や症状、漢方薬を用いた改善方法を紹介しました。症状を抑えるだけでなく、症状を出にくくしたいという人は、ぜひ漢方薬を用いた治療を行ってみましょう。また、車を運転しなければならない人にも、眠気が起こらない漢方薬はおすすめです。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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