膝痛にお悩みの方必見! 予防・改善する6つのポイントと漢方のススメ

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

「膝痛」のお悩みを抱える人は多いものです。歩く・走る・座る・階段を昇り降りするなどの動作をしたとき、膝に痛みが走るとだんだん動くことが怖くなってしまいますよね。

膝痛は主に膝周辺の筋肉の衰えや軟骨の減少などが原因です。そのため、日常的にストレッチをして筋肉を鍛えたり体重を減らしたりして膝への負担を軽くすることが重要になります。そして、膝痛を引き起こしている原因を改善することも大切です。

そこで、ここでは膝痛の改善や予防に取り入れたい「漢方薬」についての知識をご紹介しましょう。

  1. 膝痛について
  2. 膝痛の改善・予防法
  3. 膝痛と漢方について
  4. 膝痛に用いられる漢方薬
  5. 漢方薬局に相談するときのポイント
  6. 膝痛について〜よくある質問〜

この記事を読んでいただければ、お悩みを解消できるでしょう。ぜひお役立てください。

1.膝痛について

膝痛に関してのお悩みを解決するためにも、まずは膝痛に関する基礎知識や症状が進んだときに体に及ぼす悪影響などを知りましょう。

1-1.膝痛とは

「膝痛」とは、正確に表現すると「膝関節の痛み」のことです。通常は、関節を覆っている軟骨がクッションの役割をしたり靭帯や筋肉が膝を支えたりして膝の負担を和らげています。けれども、加齢などで軟骨がすり減り筋肉が衰えると、膝関節への負担が増し痛みが起こるのです。

1-2.膝痛になりやすい人とその原因

膝痛のお悩みを抱えている人と、その原因として考えられることを挙げてみましょう。

  • 中高年齢層:前項でご紹介したように加齢による筋肉の衰え(特に足の内側の筋肉)
  • 40〜50歳代の閉経を迎えた女性:骨・軟骨・筋肉を健康に保つ「女性ホルモン」の減少
  • 肥満体型の人:年齢に関係なく肥満は膝に大きな負担をかける
  • 日常的に運動不足の人:足の筋肉が弱いので膝をしっかりサポートできない
  • O脚の人:膝関節の内側に負担がかかり軟骨が減りやすい

1-3.膝痛の場所

ひとくちに「膝痛」といっても、痛みを感じる場所は人によって異なります。

1-3-1.膝の前側

膝を深く曲げると膝のお皿の上や下が痛い・立ち上がると痛いなどの場合は、大腿直筋(だいたいちょっきん)の衰えが考えられるでしょう。
大腿直筋は、階段を上ったり自転車をこいだりするときに使う筋肉で、膝のお皿(膝蓋(しつがい)骨)を包んでいます。ここが衰えると膝蓋骨が下のほうに落ち固定されてしまうのです。そのため、膝を深く曲げると痛みを感じるようになります。

1-3-2.膝の後ろ側

膝の後ろが伸びない・突っ張る・正座がつらいなどの場合は、膝の後ろにある「膝窩(しっか)※」のトラブルが考えられます。
膝窩(しっか)を構成しているさまざまな「筋」が何かしらの理由で炎症・癒着を起こしたことが原因です。

※膝窩(しっか):膝の後ろのくぼんだ部分

1-3-3.膝の内側

50代以上の人で、スポーツを習慣にしているわけではないのに、膝の内側に痛みを感じる場合は「変形性膝(しつ)関節症」の可能性があります。階段の昇り降り時、動き始めに膝の内側が痛む病気です。
また、ランニングのし過ぎなどが原因でなる「鵞足炎(がそくえん)」も、膝の内側に痛みを感じます。鵞足部(※)を構成する筋肉と脛(けい)骨に摩擦が起こることが原因です。

※鵞足部:膝の内側にある3つの筋肉部分のこと

1-3-4.膝の外側

膝の曲げ伸ばしをすると、膝の外側を走る腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が後ろに移動し、大腿骨の出っ張っている部分とこすれ炎症を起こします。ランニングのし過ぎなどで起こりやすい症状です。

1-4.膝痛に関連する病気には何があるの?

前項でご紹介した「変形性膝(しつ)関節症」などのほかにも、膝痛に関連する病気には関節リウマチ・大腿骨内顆(膝関節内顆)骨壊死・偽通風などがあります。それぞれ、症状も治療法も異なるので膝痛が長引くときは専門医の診察を受けましょう。

1-5.膝痛の症状と影響

膝痛を放置していると徐々に痛みが強くなり、日常生活響を及ぼします。ここでは、膝痛の症状の進行具合をご説明しましょう。

1-5-1.初期の症状と影響

初期のうちは、膝に軽い痛みを感じる程度ですぐに消えてしまいます。立ち上がりや階段の昇り降り、朝の起床時などに膝に軽い痛みや重さを感じる程度です。

1-5-2.中期の症状と影響

初期のときよりも1日中痛みが続き、正座ができなくなります。身の回りのことはできますが、階段の昇り降りや歩行に不自由を感じるでしょう。膝がまっすぐに伸びない、腫れているなどの症状が出ることもあります。

1-5-3.後期

身の回りのこともできないほど痛みは強くなり、階段の昇り降りはもちろんのこと、普通に歩くこともできなくなります。膝(しつ)関節がグラグラするようになり、重症になると膝全体が大きく腫れあがることもあるのです。

2.膝痛の改善・予防法

膝痛を改善・予防する方法として共通しているのがストレッチです。「膝に痛みを感じるから動かすのが怖い」とじっとしているとますます痛みは悪化してしまいます。
改善・予防のためには、少しずつでも毎日ストレッチをすることが有効です。

2-1.膝の関節の動きをよくするストレッチ

【椅子に座って】

  1. 椅子に座り片足だけまっすぐ前に伸ばす
  2. 膝頭に両手の手のひらを当てる
  3. ゆっくり10秒ほど数えつつ膝頭を押す
  4. 両方の足を交互に10回ずつ押す

【湯船の中で】

  1. 湯船に座る
  2. 膝をおなかのほうに引き寄せるようにゆっくり曲げていく
  3. 痛みを感じたらそこで止め10〜20秒数える
  4. もとの場所の戻す
  5. 数回繰り返す

2-2.膝の周囲の筋肉を強くするストレッチ

【床に寝ながら】

  1. 床に両足をそろえて、あお向けに寝る
  2. 片足の膝を立てる
  3. もう片方の足はまっすぐ伸ばしたまま床から10〜20cmほどあげる
  4. ゆっくり5つ数える
  5. 左右交互に10回ずつ繰り返す

【床に寝ながら】

  1. 床にあお向けになり膝の下に円筒形に巻いたバスタオルを入れる
  2. 両足をまっすぐ伸ばす
  3. 膝の裏でタオルを床に押し付けるように5秒間押す
  4. 5秒間かけてゆっくり力を抜く
  5. 10回繰り返す

2-3.膝のストレッチをするときの注意点

膝のストレッチは、できれば朝・昼・晩と1日3回行うのが理想です。ただし、痛みや炎症があるときに無理して行うのはやめましょう。
また、家でのストレッチが続かない人は、温水プールでのウォーキングもおすすめです。

3.膝痛と漢方について

膝の重みや痛みなどのトラブル改善に一役買ってくれるのが「漢方」です。ここでは、まず漢方についての基礎知識をご説明しましょう。

3-1.「漢方」とは

漢方の「漢」は「中国」を意味し、「方」は「治療法」を表します。つまり、漢方は「中国から伝来した医学」のことなのです。そして、その中国医学をベースに、長い年月をかけて日本人の体質や風土に合わせて進化しました。

3-2.「漢方」の考え方

漢方では、「人間の体も自然の1部」とし、「人」と「自然」は連動していると考えます。そして、漢方薬は「人間が自分で健康になろうとする力」(自然治癒能力)を助けるために使うのです。
漢方薬は、西洋医学のように病巣だけを診て処方するのではありません。患者さんの疾患だけではなく、体質・生活習慣などを聞き、すべてのバランスを診ながら体調を整え、改善に導くのです。

3-3.「漢方」のメリット

漢方薬は、薬用の植物や鉱物などを素材とする「生薬」を組み合わせた自然な薬です。そして、1人ひとりの症状や体質を重視してその人に合った処方をします。
また、1つの処方薬に複数の有効成分を含んでいるため、多様な体のお悩みを改善できるのがメリットです。体の状況にあった薬を処方するため効き目も穏やかで、副作用も比較的少ないといわれています。

3-4.「漢方」が向いている人

漢方は、西洋薬ではなかなか改善できない症状を持っている人、体のお悩みや体質を改善したい人などに向いています。

  • 冷え性や肩こり
  • イライラや不安感、動悸など不定愁訴
  • 月経に伴う諸症状や不妊症
  • 自律神経失調症や不眠症
  • 病後の体調回復や免疫力のアップ
  • 便秘
  • 腰痛や膝痛
  • 高齢者に多い、複数の体の不調が重なった状態

このほかにも、さまざまな症状に漢方薬は用いられています。

3-5.漢方薬の注意点とは

漢方薬は1人ひとりの症状や体質を重視して、その人に合った薬を処方します。家族が膝痛で処方された漢方を飲んでいるからと、勝手に飲むのはやめましょう。
まずは漢方薬局に相談しカウンセリングを受けてから、自分に合った漢方薬を処方してもらってください。

4.膝痛に用いられる漢方薬

膝痛を予防・改善するには漢方薬が有効です。どのような症状にどのような漢方薬を処方するのかをご説明しましょう。

4-1.膝痛と漢方の関係

漢方では、膝(しつ)関節の痛みは、局部の「気・血・水」(※)の流れが滞る「不通則痛(ふつうそくつう)」と、局部の気・血・水が不足する「不栄則痛(ふえいそくつう)」があると考えます。そして、それぞれに合った症状の漢方薬を処方するのです。

※気・血・水:人間の体は気・血・水の3つで構成されているとする漢方の考え。

  • 「気」は目には見えないが人間の体を支える原動力
  • 「血」体のすべての組織や組織に栄養を与えるもの
  • 「水」は食べ物や飲み物の水分を消化吸収して体をうるおすもの

4-2.「不通則痛」に合った漢方薬

「不通則痛(ふつうそくつう)」の場合、「流れが滞っている」ので関節の腫れと痛み・足のむくみ・疲れやすさなどを感じるでしょう。このタイプには、ビンロウジ・コウボク・ケイヒほかが配合された「九味檳榔湯(くみびんろうとう)」などが用いられます。

4-3.「不通則痛」に合った漢方薬

「不栄則痛(ふえいそくつう)」は、膝部分の栄養不足なので、しびれを伴う痛み・慢性的な痛み・筋力の低下などの症状を引き起こします。このタイプは、栄養を補い血行不良を改善し痛みを緩和することが大切です。
漢方の古典といわれる中国の医書にも登場する「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」などが用いられます。

5.漢方薬局に相談するときのポイント

漢方薬局で漢方を処方してもらうときは、以下の2つのポイントを伝えましょう。この情報をもとに、自分のお悩みや体質に合った漢方薬を処方してもらうのでためらわずにはっきり伝えることが大切です。

5-1.症状を伝える

症状に関して発病の経緯や経過を伝えます。たとえば、膝痛でお悩みなら「いつ発病したか」「どのような痛みがあるのか」「痛みを感じるのはどのようなときか」などを詳しく伝えましょう。メモに書いたものを持参すれば忘れません。
また、膝痛で飲んでいる薬や治療などがあれば伝えてください。「お薬手帳」があれば持参しましょう。

5-2.体全体の体質を伝える

アレルギーの有無、膝痛以外に感じている不調(冷え性や便秘気味など何でも)など、自分の体の体質や気になることは何でも伝えましょう。

体のお悩みを改善したいけれども漢方って効くのかな……とお悩みの方は、十字屋平蔵薬局「無料相談」をご利用ください。24時間以内に回答させていただいてます。

6.膝痛について〜よくある質問〜

膝痛や漢方についてのよくある質問をご紹介しましょう。

Q.変形性膝関節症は中高年に多いのですか?
A.日本では、予備軍も含め男性は860万人、女性は1,670万人の患者さんがいて「50歳以上の2人に1人」が変形性膝関節症といわれています。
Q.変形性膝関節症はどうして女性に多いのでしょうか?
A.女性は閉経後に、骨や軟骨の健康を維持する「エストロゲン」(女性ホルモンの一種)が急激に減少することで、変形性膝関節症になりやすいとされています。また、もともと女性は男性に比べると筋肉量が少ないことも関係しているでしょう。
Q.膝痛だけではなく、腰痛や冷え性や肩こりなどでも悩んでいます。病院は何科にかかっていいのかわからないのですが。
A.「病院で何科にかかっていいのかわからない」という方には漢方薬局がおすすめです。漢方は、痛みや病巣がある場所だけを診るのではなく体全体の症状を総合的に判断します。そのため、漢方薬を服用することで複数のお悩みが改善されることも多いのです。十字屋平蔵薬局では「無料相談」をメールで行っているので、ぜひご利用ください。
Q.日常生活で膝痛を改善するためにできることはありますか?
A.毎日、適度な運動を心がけてください。運動は膝周辺の筋肉を鍛え、関節軟骨の新陳代謝を活発にします。
「2-1.膝の関節の動きをよくするストレッチ」でご紹介したストレッチも取り入れてください。
Q.体重が10㎏増え、歩くと膝に痛みを感じるようになりましたがどうしたらいいでしょうか。
A.肥満は高血圧・糖尿病などの生活習慣病を引き起こすだけではなく、膝に過度の負担をかけます。肥満の人は変形性膝(しつ)関節症になるになるリスクが男性3.9倍、女性で4.2倍高くなるそうです。
膝が痛いと体を動かさなくなり、運動不足がさらに肥満を招きより膝痛が悪化します。そのような悪循環に陥らないためにも、体重を落とし筋肉をつける努力をしましょう。

まとめ

いかがでしたか。膝痛の基礎知識や予防・解消法、膝痛と漢方の関係などをご紹介しました。日常の動作をするたびに、膝に痛みが走るのは辛いものです。痛むと怖いのでなるべく動かないようにしているという人もいます。けれども、それでは足の筋肉が衰え逆効果なのです。
中高年齢層の膝痛は「変形性膝(しつ)関節症」が多いのですが、ほかの病気のこともあるので1度専門医の診察を受けるようにしてください。

膝痛の改善には漢方薬という手段もあります。漢方薬は、その人の症状や体調に合わせて処方する「オーダーメイド」の薬です。十字屋平蔵薬局では、薬剤師の経験も持つ漢方薬局のオーナーが、体のお悩みの相談に乗っています。膝痛を漢方薬で改善したいな…とお考えでしたら無料相談も行っておりますので、お気軽にご利用ください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局