体を温める漢方とは? 冷え性のタイプ別特徴や漢方薬の種類をご紹介

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

冷えは万病の元といわれるように、体にさまざまな不調を招きます。冷え性を放置すると免疫力が低下し、病気にかかりやすい体になってしまう場合もあるのです。体を温めることで冷えは改善できます。冷え性には、体質に働きかけて作用する漢方がおすすめです。

本記事では、体を温める漢方についてご紹介します。

  1. 体を温める効果
  2. 体の冷えをチェック
  3. 漢方と体の温めることの関係について
  4. 体を温める漢方薬とは?
  5. 漢方薬局に相談するときのポイント
  6. 体の冷えや漢方でよくある質問

この記事を読むことで、体を温める漢方についてよく分かります。冷えは季節を問わず起こる症状です。冷えで悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

1. 体を温める効果

体を温めることで得られる効果や、温め方のポイントなどをご紹介します。

1-1.体を温めることと健康の関係

体温が1℃下がった場合、体の免疫力は3割ほど低下する傾向にあります。つまり、体を温めれば、免疫力の向上につながるのです。体が温まることで、血流が促進され、白血球の活動が活発になり、体の防御機能が高まります。また、体温が上がることで代謝能力がアップし、心臓・内臓・呼吸など、人間の体を動かすすべての機能が改善されるでしょう。

1-2.冷えは万病の元・冷えるとどうなるか?

冷えによって体内の恒常性(一定の状態を維持する機能)が失われ、さまざまな病気の引き金になります。冷えは、内臓疾患や風邪を発症しやすくなるだけではなく、自律神経の乱れによる不調・むくみ・疲労感・生理不順なども起こしやすいので注意が必要です。冷えによって体温が下がりにくく、入眠の妨げになることもあります。熟睡できない・眠っても疲れが取れないという方は気をつけてください。

1-3.どこを温めるといいのか?

手足の冷えを感じる末端冷え性は、女性に多い傾向があります。しかし、手足に冷えがある場合でも、直接手足を温めるのではなく、太い血管がとおっている首の後ろや体の中心部であるお腹(なか)を温めるほうが効果的です。内臓が集まるお腹が冷たいと下痢などの胃腸障害も起こりやすく、末端までしっかり血液が送り出されなくなります。腹巻きや冷え性解消グッズを使い、体を保温するようにしましょう。

2.体の冷えをチェック

以下のチェックリストを参考に、どのタイプの冷えに属するのかを確認してください。

2-1.気血不足タイプ

気血不足タイプは、内臓の冷えが原因で起こるものです。体が冷える食べ物はなるべく避けましょう。

  • 疲れやすい
  • 手足が冷たい
  • だるさを感じる
  • 食欲不振
  • 下痢
  • めまいや立ちくらみ
  • 生理の経血量が少ない
  • 風邪を引きやすい

2-2.血行不良タイプ

冷えを全身に感じる場合は、血行不良タイプに該当します。血行不良タイプは、末端の冷えにしびれを伴い、生理痛や子宮内膜症など女性特有の症状が出るのが特徴です。

  • 全身の冷え
  • 手足のしびれ
  • 肩こり
  • 腰痛
  • 血色が悪い
  • シミやくすみが気になる
  • 生理痛・子宮筋腫・子宮内膜症がある

2-3.陽気不足タイプ

陽気不足タイプは、高齢者・虚弱体質・慢性疾患などの方に多い傾向があります。強い冷えや排尿トラブルがあるのも特徴でしょう。

  • 重い冷え(手足が特に冷える)
  • 腰痛
  • 腰周りの冷え
  • むくみ
  • 頻尿
  • 血色が悪い

3. 漢方と体の温めることの関係について

漢方は、体調を整える効果が期待でき、冷えの改善にも役立ちます。漢方の考え方やメリットなどを覚えておきましょう。

3-1.漢方の考え方

漢方では、「気」「血」「水」のバランスを重視しています。「気」は心身の活動に必要なエネルギー、「血」は血液、「水」は体内の水分などを示すものです。漢方では、3つのうち、どれか1つでも流れが悪くなっていると体内のバランスが崩れ、病気の発症や冷えを誘発するという考え方を持っています。そのため、不足しているものを見極め、補う方法を用いるのが漢方の特徴です。

3-2.漢方のメリット・向いている人

漢方は、症状ではなく、個々の体質に目を向けて処方します。そのため、処方された漢方を服用することで、その人が本来持つ免疫機能を高め、病気を発症しにくい体作りに役立つのです。漢方には、血流促進や胃腸の働きを改善する作用もあり、体の中からしっかり温めることができます。西洋薬に比べて漢方薬の作用がマイルドで、長期服用しても副作用が出にくいのがメリットです。

3-3.漢方薬局で漢方薬をもらうと安心

既往症がある方は、普段から処方薬を服用していることが多いでしょう。漢方薬も薬の1つなので、飲み合わせに気をつけなければなりません。市販でも漢方薬はありますが、漢方薬局で飲み合わせや体質をチェックしてもらい、適切なものを選んでもらうほうが安心です。

4.体を温める漢方薬とは?

冷えを取り除き、体を温める漢方薬をご紹介します。

4-1.当帰芍薬散(とおきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、手足・腰などの冷えを解消し、生理痛など女性特有の症状を和らげる作用が期待できる漢方です。血流促進作用もあります。

4-2.加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は、疲労感を抱きやすい人におすすめです。生理不順や更年期による冷えの緩和にも適しています。女性特有の症状に処方されることが多い漢方です。

4-3.柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

柴胡桂枝乾姜湯は、ストレスによる冷え・動悸(どうき)・息切れ・血色不良に働きかける漢方です。体力が低下している方にも適しています。

4-4.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、上半身がのぼせ、下半身が冷えるという方に適した漢方です。肩こりや生理不順の改善にも働きかけます。

4-5.温経湯(うんけいとう)

温経湯は、顔にほてりがあり、下半身に冷えを感じる方に適しています。体に栄養を与えながら、血流を改善する働きがあるのが特徴です。

5.漢方薬局に相談するときのポイント

漢方薬局への相談の仕方をご紹介します。漢方薬局の選び方も覚えておきましょう。

5-1.カウンセリングをしっかり受けること

漢方薬の処方は、体調や体質の見極めが重要になります。そのため、処方前のカウンセリングをきちんと受け、最適な漢方薬を選んでもらうようにしてください。気になる症状があれば、カウンセリング時に伝えておきましょう。

5-2.漢方薬局の選び方

漢方薬局を選ぶときは、漢方の知識や実績が豊富であることが大切です。個々に異なる体調や体質をしっかり見極める力があり、カウンセリングを重視している漢方薬局を選びましょう。十字屋平蔵薬局では、無料相談を受けつけております。処方前に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

6.体の冷えや漢方でよくある質問

体の冷えや漢方にまつわる質問を集めました。参考にしてください。

Q.食べ物でも体を温めることはできるのか?
A.はい、できます。体を温める食べ物は、寒冷地で採れた果物・唐辛子・ネギ・生姜(しょうが)などです。根菜類も体を温める効果があるので、積極的に食べるようにしましょう。生姜と紅茶を混ぜ合わせた飲み物も、体を温める効果があります。

Q.男女問わず、冷えは感じるもの?
A.冷え性は女性に多いイメージがありますが、体質に関連して起こるため、男女問わず感じるのが特徴です。男性でも、3人に1人は冷え性だといわれています。冷えの改善には、生活習慣を見直し、規則正しい生活を送りながら、体調管理をしっかり行うようにしてください。

Q.冷え性は無自覚なケースもあるのか?
A.冬場だと気温が低いため、冷え性だと気づかない場合があります。胃腸のトラブルやだるさなど、普段と少しでも違う症状を感じたら、なるべく早めに相談しましょう。また、夏場の空調による冷えも危険です。深刻な冷えを招く恐れがあるので、季節に関係なく冷えへの対策は整えておきましょう。

Q.しびれを伴う場合は、病気が関係している場合もあるのか?
A.はい、あります。自律神経失調症やレイノー病などは、末端冷え性としびれを併発するので注意してください。また、椎間板ヘルニアなど腰痛を伴う病気の場合も、神経痛などしびれを伴う症状を感じるでしょう。

Q.漢方薬を処方してもらう場合、費用はどのくらいかかるのか?
A.十字屋平蔵薬局の漢方薬は、一律料金です。1日分は500円前後で、30日分だと15,000円前後になります。税抜き価格です。予算が決まっている場合は、あらかじめご相談ください。

まとめ

いかがでしたか? 冷えは万病の元です。体温が下がると免疫力の低下を招き、病気にかかりやすくなります。手足の冷えだけではなく、お腹や腰の冷えにも注意しましょう。冬場だけではなく、夏場のエアコンも冷えの原因になります。冷えの改善には、体を温める漢方がおすすめです。体質に合う漢方を処方してもらうことが大切なので、実績豊富な漢方薬局を選びましょう。漢方薬のご相談は、十字屋平蔵薬局までお問い合わせください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局