イライラを鎮める方法を解説! 漢方薬が効果的なケースは?

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「ちょっとしたことで、イライラが止まらなくなる」「更年期なのか、ささいなことでイライラする」といった悩みがある人は多いと思います。

イライラは気の持ちようでコントロールできることもあるでしょう。しかし、ホルモンバランスの崩れや自律神経の乱れがイライラの原因だった場合、理性でコントロールするのにも限度があります。イライラは病気ではありませんが、日常生活に支障が出るようであれば治療が必要です。原因によっては、漢方薬が効果的なこともあります。

今回は、イライラしやすくなる原因や対処方法、漢方薬を用いた改善方法を紹介しましょう。

  1. イライラの種類と原因
  2. 漢方を用いたイライラの改善方法
  3. 漢方薬局で自分に合った漢方薬を処方してもらう方法
  4. イライラや漢方薬に関するよくある質問

この記事を読めば、自分の症状に合った漢方薬を処方してもらう方法もよく分かります。ささいなことでイライラしがちという人や、気分が不安定になりがちで悩んでいるという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.イライラの種類と原因

はじめに、イライラの種類や原因の主なものを解説します。

1-1.イライラの種類について

一口にイライラといっても、さまざまな感情が原因となっています。一例をあげると怒りです。自分の思いどおりにものごとが運ばなかったり、周りの人が言うことを聞いてくれなかったりすると、怒りがこみあげてイライラするという人は珍しくありません。

また、不安もイライラの原因となります。ものごとの見通しが立たないときや未来の展望に希望が持てないときなどは、不安からイライラしやすくなるでしょう。多くの人が、怒りや不安などをコントロールすることでイライラを鎮めています。

しかし、何らかの原因で感情のコントロールが効きにくくなるとイライラがなかなか治まらず、対人関係に支障をきたすこともあるでしょう。

1-2.イライラの原因

人がイライラしやすくなる原因には、以下のようなものがあります。

1-2-1.ストレス

過度なストレスが体にかかると、神経が過敏になってささいなことが気にさわるようになります。また、感情のコントロールが効きにくくなり、一度感情が高まると鎮めるのが難しくなるでしょう。

1-2-2.寝不足

睡眠不足になると、疲れがたまって神経が過敏になります。また、理性の働きが鈍って感情の制御が効きにくくなることもあるでしょう。

また、睡眠時間が長くても睡眠の質が悪ければ、寝不足になります。「睡眠時間は長いのに、日中眠くなったりイライラしたりする」という場合は、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする病気かもしれません。

1-2-3.自律神経の不調

自律神経とは、眠気や胃腸の動きなど「意志では制御できない体の動きや働き」をつかさどる神経です。何らかの原因で自律神経がうまく働かなくなると、イライラしやすくなります。また、イライラと同時に便秘や下痢・消化不良などの症状が出ることもあるでしょう。

1-2-4.環境

暑すぎたり寒すぎたりする場所に長時間いたり、喉の渇きや空腹が長く続いたりすると、不快感からイライラしがちになります。また、疲れているのに無理をして活動してもイライラしやすくなるでしょう。

1-2-5.女性ホルモンの影響

女性ホルモンの一種、エストロゲンが不足すると自律神経のバランスが崩れやすくなり、イライラしがちになります。生理前にイライラしがちになるという人は、エストロゲンの不足が精神に影響を与えているのです。また、更年期になるとエストロゲンの分泌量が急速に減り、更年期障害の症状としてイライラが出ることもあります。

1-3.長引くイライラは治療が必要

人は誰しもイライラすることがあります。しかし、休息を十分にとったり気持ちを切り替えたりすることで、イライラを鎮めることができるはずです。でも、長期間ささいなことでイライラして鎮まらないという場合や、以前に比べて格段にイライラすることが増え、改善の様子が見られないという場合は治療が必要になります。

2.漢方を用いたイライラの改善方法

この項では、東洋医学におけるイライラの考え方やイライラの改善に用いられる漢方薬を紹介します。

2-1.東洋医学におけるイライラの考え方

東洋医学とは、中国を中心とした東アジア一帯で発達してきた医学です。東洋医学では、内臓を心(しん)・肝・脾(ひ)・肺・腎(じん)という5つのグループに分けています。また、内臓間を、気・血・水(血以外の水分)が規則正しく体を巡ることが健康という考えです。

東洋医学では、イライラは「肝」の機能が乱れて血が滞ったり、足りなくなったりしたために起こると考えています。そのため、肝の機能を整えて血の不足や滞りを解消する効果が期待できる漢方薬を用いて、改善を試みるのです。

2-2.漢方を用いた改善が適している人

漢方薬とは、草木や鉱物等をそのまま利用した生薬を原料としているため、効き目が穏やかで長期間飲み続けることができます。ですから、自律神経や女性ホルモンの乱れ・更年期など、一朝一夕では治りにくい原因でイライラする場合は、漢方薬を用いた治療がおすすめです。

2-3.イライラの改善に用いられる漢方薬

イライラの改善には、以下のような漢方薬が主に用いられます。

  • 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ):ストレスに弱く、ささいなことでくよくよイライラしがちな人に効果的
  • 抑肝散(よくかんさん):ささいなことで興奮しやすく、怒りっぽい人に効果的
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):女性ホルモンの乱れを整える効果が期待できる。更年期や女性ホルモンの乱れにも効果的

3.漢方薬局で自分に合った漢方薬を処方してもらう方法

前述したように、イライラの原因は人によって異なります。原因が異なれば、同じ症状でも効果のある漢方薬は異なるため、症状の改善には自分にあった漢方薬を処方してもらうことが大切です。自分に合った漢方薬を購入するには、漢方薬の調剤・販売を専門とする漢方薬局を利用してみましょう。漢方薬局には、漢方薬に詳しい薬剤師が常駐しています。

今は、相談窓口を設けたりホームページを開設したりする薬局も増え、初めての人でも利用しやすくなりました。プライバシーは保たれているので、安心して悩んでいる症状を相談してください。なお、漢方薬は最低でも2週間以上飲み続けないと効果が実感できません。ですから、まずは2週間分調剤してもらい、効果が実感できたら続けて飲み続けてください。

費用は1万円代~が相場です。すでに薬や別の漢方薬を服用している人は、相談に行くときにお薬手帳を持参してください。

4.イライラや漢方薬に関するよくある質問

この項では、イライラや漢方薬に関するよくある質問を紹介します。

Q.漢方薬は、うつ病など精神病にも効果があるでしょうか?
A.はい。症状の改善効果が期待できる漢方薬もあります。

Q.漢方薬は、いつ服用するのが効果的ですか?
A.食間(しょっかん)といって、食後2時間後あたりに服用しましょう。

Q.漢方薬の苦みが苦手ですが、どうすればいいですか?
A.ゼリー状のオブラートなどに包むと苦みを気にせず服用することができます。

Q.漢方薬は、どこに保管しておけばいいですか?
A.冷蔵庫の中など冷暗所に保管しておきましょう。

Q.漢方薬は何歳くらいから飲むことができますか?
A.独特の苦みががまんできるならば、何歳からでも飲むことができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 今回はイライラの原因や症状の改善に効果的な漢方薬を紹介しました。頻繁に気持ちが高ぶり、イライラすることが増えてという場合は、一度漢方を用いた改善方法を試してみてください。気持ちが落ちつくだけで、日常生活が送りやすくなります。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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