手足口病の症状や原因を解説! 症状の改善に効果的な漢方薬も紹介

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

手足口病は、夏になると子どもに流行しやすい感染症です。特に、保育園や幼稚園などで流行することが多く、毎年たくさんの感染者を出すこともあります。子どもが幼稚園や保育園で手足口病に感染した、という経験がある人もいるでしょう。手足口病は、ワクチンや特効薬はありません。感染したら症状に応じた治療を行います。そして、人によっては漢方薬が症状の改善に効果的です。

今回は、手足口病の症状や注意点、漢方薬を用いた治療方法を紹介します。

  1. 手足口病の基礎知識
  2. 漢方を用いた手足口病の治療方法
  3. 漢方薬局の利用方法
  4. 手足口病や漢方薬に関するよくある質問

この記事を読めば、手足口病を発症した際に気をつけることなどもよく分かるでしょう。小さな子どものいる人や、手足口病を発症した経験がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.手足口病の基礎知識

はじめに、手足口病の症状や原因・治療方法を解説します。

1-1.手足口病とはどのような病気?

手足口病とは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスに感染することによって発症する感染症です。発症すると手・足・口の中に2〜3mmの水泡性湿疹ができます。発熱することもありますが、熱はそれほど高くなりません。子どもを中心に夏に流行することが多く、近年では平成23年に大流行しました。ほとんどは数日で治り、重症化することはまれです。

1-2.手足口病の感染経路など

手足口病は、飛沫感染・接触感染のほか、便の中に排出されたウイルスが口に入って感染することもあります。ウイルスが感染しても発症しないこともあり、発症者の多くが2~4歳までの子どもです。そのため、子ども同士が集団で活動する保育園や幼稚園でしばしば集団感染が起こります。また、子どもを看病している親も手足口病に感染することもあるため、家族が手足口病にかかったらできるだけ患者を隔離し、患者と接した後は入念にうがいや手洗いを行いましょう。

1-3.手足口病の治療方法

手足口病は現在のところ、ワクチンや特効薬がありません。症状に応じて対症療法を行います。しかし、熱が出ても高熱になることは少なく、手足に水泡ができるけれども元気というケースも珍しくありません。発症から数日で治ることがほとんどです。ただし、まれに髄膜炎などの重篤な合併症が起きることがあります。ですから、手足口病を子どもが発症した場合は、経過観察を慎重に行ってください。ぐったりしていて問いかけに答えないといった症状が現れたら、すぐに病院を受診しましょう。

1-4.手足口病の予防方法

手足口病の予防方法は、うがいや手洗いが効果的です。オムツをしている子どもがいる場合は、オムツ替えの後は石けんで念入りに手を洗いましょう。保育園・幼稚園で手足口病が流行した場合、タオルなど口に触れる可能性があるものは共有しないことが大切です。また、使用後のタオルはこまめに洗濯をしましょう。

2.漢方を用いた手足口病の治療方法

この項では、東洋医学における手足口病の考え方や漢方薬を用いた治療方法を紹介します。

2-1.東洋医学における手足口病の考え方

東洋医学とは、中国を中心とした東アジア一帯で発展してきた医学です。鍼灸(しんきゅう)や漢方薬も東洋医学が産みだした治療方法の一種になります。東洋医学では健康を、気・血・水(血以外の水分)が規則正しく体を巡ることによって保たれるものという考え方です。手足口病は、東洋医学では温病(うんびょう)とみなしています。温病とは、夏に起こりやすく体内に排出されなければならない熱や水がこもって発症する病気です。そのため、体外へ余分な熱や水を排出する漢方を用いて治療をします。

2-2.漢方薬を用いた治療に向いている人

漢方薬とは、草木や鉱物等をそのまま利用した生薬を原料とした薬です。そのため、効き目が穏やかで長期間飲み続けることができます。東洋医学の考え方では、体内に熱や水がこもりやすい体質の人は温病をはじめとする体の不調がくり返し起こりやすいのです。そこで、漢方薬を用いて症状だけでなく体質も改善し、体に熱や水をこもりにくくします。ですから、手足口病に何度もかかっている人や、大人なのに手足口病にかかったという人は漢方を用いた治療がおすすめです。

2-3.手足口病の治療に用いる漢方薬

手足口病の治療には、以下のような漢方薬がよく用いられます。

  • 麻黄湯(まおうとう):炎症による発熱などに効果がある漢方薬。熱でつらい場合に用いられる
  • 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう):手足にできた水泡が痛みを持った際に用いられる
  • 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう):手足の水泡が熱を持ったり、汗が多量に出てつらいといったりする場合に用いられる

3.漢方薬局の利用方法

漢方薬局とは漢方薬の調剤・販売を専門とする薬局です。漢方薬に詳しい薬剤師が常駐しており、自分の症状にあった漢方薬を調合してもらうことができます。漢方薬を用いた治療を試みたい場合は、ぜひ利用してみましょう。最近は、初めての人でも利用しやすいように相談窓口を設けるところも増えてきました。

また、ホームページを開設している薬局もたくさんあります。自分に合った漢方薬を処方してもらうためには、薬剤師に悩んでいる症状を詳しく相談してください。プライバシーは保たれているので、安心して相談しましょう。なお、別の薬や漢方薬などをすでに服薬している場合は、必ずお薬手帳を持参してください。また、漢方薬は最低でも2週間以上飲み続けないと効果が実感できません。ですから、まずは2週間分調剤してもらい、効果が実感できたら続けて飲み続けてください。

4.手足口病や漢方薬に関するよくある質問

この項では、手足口病や漢方薬に関するよくある質問を紹介します。

Q.大人が手足口病に感染した場合、症状が重篤化しやすいのでしょうか?
A.必ずしも重篤化するわけではありませんが、免疫力が低下している場合は重篤化しやすくなります。

Q.子どもが漢方薬を飲むことはできるでしょうか?
A.独特な苦みががまんできれば大丈夫です。ゼリー状のオブラートなどを利用してみてください。

Q.漢方薬は副作用がないのですか?
A.いいえ。漢方薬はれっきとした薬なので副作用が出る場合もあります。薬を服薬している人は、必ずお薬手帳を持参して漢方薬を処方してもらってください。

Q.手足口病は、高齢者は発症することがありますか?
A.はい。特に、体力が弱っている人や免疫力が低下している人は要注意です。

Q.手足口病を発症すると、出席停止などの措置が取られますか?
A.インフルエンザほどではありませんが、症状が出ている場合は出席停止となる幼稚園・保育園が多いようです。

まとめ

いかがでしたか? 今回は手足口病の症状や原因、漢方薬を用いた治療方法などを紹介しました。手足口病は夏風邪の一種と考えられがちですが、感染したウイルスによっては治癒後に手足の爪がはがれたりすることもあります。熱が低くても楽観視せず、適切な治療を受けることが大切です。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局