漢方で白髪は改善するの? 漢方医学による白髪の原因と対処法

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

白髪は40代くらいから本格的に気になりだします。染めても染めても生えてくる白髪を改善する方法はあるのでしょうか? 白髪を老化現象だとあきらめる前に、漢方で対処できることをやってみませんか? この記事では、漢方で白髪を改善する方法や漢方薬について詳しく解説します。

  1. 漢方で白髪が改善できる?
  2. 白髪に用いられる漢方薬
  3. 漢方薬局に相談するときのポイント
  4. 漢方による白髪の改善に関するよくある質問

この記事を読むことで、漢方の視点による白髪原因や改善ポイントがわかります。ぜひ参考にしてください。

1.漢方で白髪が改善できる?

白髪はなぜできてしまうのでしょう? 白髪の原因や漢方での考え方について見てみましょう。

1-1.白髪が生えるメカニズム

日本人の髪が黒く見えるのは、メラニンという色素によるものです。年を取るとメラニン色素を作る働きが弱まります。そのため、メラニンが減少して髪に色がつかなくなり白髪となるのです。では、なぜ加齢によってメラニンを作る働きが弱まるのでしょう? 実は、その原因はまだ解明されていません。加齢のほかにも、ストレスや食生活など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
一方、同じ年齢の高齢者がすべて等しく白髪になるわけではありません。白髪になりやすい人やなりにくい人もいるのです。これは遺伝的な要因が関係しています。10代から白髪が発生する「若白髪」がある人もいる一方、60代になってもほとんど白髪がない人もいるのです。また、白髪になる年代は人種によっても違い、東洋人は、30代後半から白髪が出始めるといわれています。

1-2.漢方における白髪の考え方

中国漢方では、古来「髪は血余(けつよ)なり」といわれています。これは、髪は血の余りでできているという意味です。中医学でいう血(けつ)は血液そのものだけでなく、血液によって運ばれる栄養やホルモンも含まれています。同時に、「髪は腎の華(じんのはな)」ともいわれてきました。腎とは腎臓だけでなく「生命力」のことで、華とは「状態」を表しています。つまり、髪を見れば腎の状態がわかるということです。このように漢方では、血の巡りや活力など、全身の状態が白髪に影響していると考えられています。漢方で考えられる白髪の原因を3つ紹介しましょう。

  • 白髪の原因その1 血虚(けっきょ):血虚とは簡単にいうと血が足りない状態のこと。血のめぐりが悪くて栄養がいきわたらず白髪になってしまうと考えられている
  • 白髪の原因その2 腎虚(じんきょ):漢方では白髪は「腎」が弱っている状態を指しているととらえる。腎は成長や老化にかかわっており、この機能が衰えると髪が抜けたり白髪が増えたりする
  • 白髪の原因その3 気虚(ききょ):生命エネルギーである「気」が不足する状態。胃腸が弱かったりダイエットなどで栄養不足になったりすると「気虚」が起こる。体が冷えやすく抵抗力も弱まる

2.白髪に用いられる漢方薬

血虚、気虚、腎虚それぞれに対し、いくつもの漢方薬があります。体質やほかの症状によって色々な処方があり、基本的な処方に別の生薬を足したり、別の作用もある生薬をメインにしたりするからです。

2-1.血虚によく用いる四物湯(しもつとう)

古くから血虚に用いられてきた漢方です。当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川きゅう(せんきゅう)、地黄(じおう)の4つの生薬(しょうやく)を組み合わせてあります。水分を保持して血行を促すため、血量を増やせるのです。以下のような体質の人に向いています。

  • 顔色が悪い
  • 肌荒れしやすい
  • 髪が細く、パサついている
  • 動悸(どうき)
  • 眠りが浅く夢をよく見る
  • 不安を感じる

2-2.八味地黄丸(はちみじおうがん)

腎虚には八味地黄丸がよく効くでしょう。腎を元気にして髪の健康を回復する効能があります。白髪のほかに、疲労感やけん怠感が強く、腰痛・前立腺肥大・口が渇く・かすみ目などの症状がある人におすすめです。以下のような体質の人に向くでしょう。

  • 足腰が冷えてだるい
  • 手足が冷たい
  • 寒がりである
  • むくみがある
  • 下痢をしやすい
  • 下半身が太りやすい

3.漢方薬局に相談するときのポイント

漢方薬は普通の薬局でも市販されていますが、自分に合った漢方薬を処方してもらうにためは、漢方薬局を利用することをおすすめします。ここでは、漢方薬局に相談するポイントを紹介しましょう。

3-1.症状や体質を詳しく説明する

漢方薬局には相談窓口を設けているところがあります。そこでは、無料で健康相談が受けられるので利用してみましょう。相談窓口では、問診や舌診(ぜっしん)により証(しょう、漢方における体質)が診断され、それに合わせた漢方薬が調合されます。問診では、いつごろから白髪が出始めたのか、ほかに気になる症状はあったかなど、詳しく説明することがポイントです。症状や経緯とともに、今までの治療などを具体的に伝えましょう。また、体質についても説明することが大切です。

3-2.飲み方を詳しく聞いておく

漢方薬は粉末状になったものをそのまま飲んだり、お茶のように煎じて飲んだりします。粉末が苦手な場合はあらかじめ相談すればカプセルで処方してもらえるでしょう。初めて漢方薬を飲む場合は、飲み方や注意点などを詳しく聞いておくことが大切です。白髪改善の場合は長期にわたる可能性があります。自己判断で薬を飲んだり飲まなかったりすることのないように、気をつけましょう。

4.漢方による白髪の改善に関するよくある質問

漢方で白髪を改善したいときに感じる疑問や質問をまとめました。

Q.漢方薬はどのタイミングで飲めばいいですか?
A.食前または食間に飲みましょう。毎日同じタイミングで飲めば、飲み忘れることがありません。

Q.白髪は病気ではないのに漢方薬を飲んでもいいのですか?
A.白髪そのものを直すのではなく、白髪に伴う何らかの症状を直すために飲むのだと考えましょう。漢方医学では白髪は血虚や腎虚などによる身体症状を伴うと考えています。その症状を漢方でやわらげることにより結果として白髪も解消されるでしょう。

Q.漢方薬は長く続けなければいけませんか?
A.症状や体質によっても効果が出る期間は異なります。白髪改善の場合は、一般的に長く飲むことになるでしょう。

Q.漢方薬には副作用はありませんか?
A.漢方薬も薬なので、副作用や生薬に対するアレルギーが起こる可能性もあります。服用後にいつもと違う症状が出たら薬剤師に相談しましょう。

Q.国産の漢方薬より本場の中国産のほうが効くでしょうか?
A.日本の漢方薬は日本人の体質に合うよう調合されます。しかも、日本の漢方薬は純度や濃度が高いので、中国産にこだわる必要はないでしょう。

まとめ

漢方の考え方によると、白髪の改善には体内の状態をよくすることが大切です。自分に合った漢方薬を飲むと同時に、生活習慣の改善を心がけましょう。漢方薬はその人の証に合えば高い効果が得られます。信頼できる漢方薬局で自分に合った漢方薬を調合してもらいましょう。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局