無排卵月経の原因や治療法を紹介! 漢方薬で改善できるって本当?

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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女性特有の悩みの一つに、無排卵月経があります。無排卵月経とは、月経があるのに排卵が起きていない状態のことです。無排卵月経の状態だと妊娠することができません。「毎月生理はきているのに、なかなか妊娠できない」と悩んでいる人は、無排卵月経の可能性について考えてみる必要があるでしょう。この記事では、無排卵月経の原因や症状、漢方薬による改善方法などについてご紹介します。

  1. 無排卵月経とは?
  2. 症状を紹介
  3. セルフチェックしよう
  4. 治療方法について
  5. 無排卵月経と漢方薬
  6. 漢方薬を購入するには?
  7. 漢方薬局に相談する際のポイント
  8. 無排卵月経のセルフケアについて
  9. 無排卵月経に関するよくある質問

この記事を読むことで、無排卵月経の可能性やどうすれば治すことができるのかが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.無排卵月経とは?

まずは、無排卵月経の原因やなりやすい人の特徴をまとめました。

1-1.月経があるのに排卵していない状態

無排卵月経とは、毎月生理はきているのに排卵していない状態のことです。通常、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が増えることで排卵が起こり、月経として出血します。しかし、何らかの要因によってエストロゲンの分泌異常が発生すると、排卵が起こらなくなってしまうのです。不妊の原因にもなるため、早期の発見・治療が望ましいといわれています。

1-2.ホルモンの分泌異常はなぜ起こるのか?

エストロゲンの分泌異常が起こる原因には以下のようなものがあります。

  • 生活習慣の乱れ
  • 過度のダイエット
  • ストレス
  • 冷え

1-3.日本人女性の2割が無排卵月経

現在、約2割の女性が無排卵月経に悩んでいるといわれています。特に、更年期や産後の女性はホルモンバランスが乱れやすいため、月経異常を起こしやすいのです。そのほかにも、以下のような人は注意が必要になります。

  • 仕事や育児などで強いストレスを感じている
  • 慢性的な睡眠不足
  • 食事の時間が一定でない
  • ダイエットをしている

1-4.放置すると危険も

無排卵月経を放置すると卵巣の機能が低下した状態が続き、不妊や子宮体ガンを引き起こす原因になります。症状自体が日常生活に支障をきたすような重篤なものでないため、治療せずに放置してしまう人も多いでしょう。しかし、大きなリスクがあることを理解し、早めに対処しておくことをおすすめします。

2.症状を紹介

無排卵月経の主な症状についてご紹介します。

2-1.生理周期の乱れ

無排卵月経の主な症状に、生理周期の乱れがあります。「周期が短く、1か月に2回生理がくる」「数か月に1回しか生理がこない」というように、周期が一定でなくなる人が多いのです。通常の生理周期は25日~38日ですが、25日よりも短い人、逆に40日以上間隔があく人は、無排卵月経の可能性を疑うべきでしょう。

2-2.生理の出血にも特徴が見られる

無排卵月経の場合、生理の出血にも以下のような症状が見られます。

  • 出血量が非常に少なく、茶色のおりもの程度
  • 10日以上出血が続く
  • 出血量が異常に多く、1時間に1回はナプキンの交換が必要な状態

2-3.生理痛がほとんどない

無排卵月経では、生理痛や生理に伴う吐き気・頭痛などがほとんど見られないのが特徴です。「今まで生理のたびに生理痛があったのに、急になくなった」という人は、特に注意が必要でしょう。

2-4.ほかの病気が併発している場合も

無排卵月経との併発が考えられる病気に「多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群」があります。卵巣の中でできる卵胞がある程度の大きさになっても排卵されず、卵巣内にたまってしまう疾患です。無排卵を起こす最大の原因とも考えられているため、早期の治療が必要になります。

3.セルフチェックしよう

無排卵月経を起こしていないか、チェックしてみましょう。

3-1.セルフチェック項目

以下の項目で当てはまるものが多い場合は、無排卵月経の可能性があります。

  • 生理周期が安定しない
  • 生理の出血量が少なく、ダラダラと長く続く
  • 出血の色が茶色っぽい
  • 生理痛がなくなった
  • 基礎体温が低温のまま
  • おりものの量が常に多く、粘り気がある

3-2.PMSの症状がなくなったら要注意

PMSとは、生理前になると頭痛や肌荒れ、便秘やむくみなどの不調が現れる状態のことです。「生理前症候群」とも呼ばれ、排卵から月経までの期間に分泌される黄体ホルモンが原因と考えられています。無排卵月経ではこのような症状が出ることはないため、見極める一つのポイントになるでしょう。「生理前の不快な症状が出なくなった」という人は要注意です。

4.治療方法について

無排卵月経の診断方法や治療方法についてご紹介します。

4-1.早めに受診を

無排卵月経は適切な治療を受けることで早期の改善が可能です。気になる症状が続いている場合は、できるだけ早く病院を受診してください。そうすることで、再発防止にもつながります。少しでも気になる症状があるときは、専門医に相談しましょう。

4-2.受診するのは婦人科

無排卵月経が疑われるときは、総合病院や大学病院の婦人科を受診するとよいでしょう。基本的に婦人科で診てもらえますが、ほかの病気を併発している可能性も考えると総合病院や大学病院のほうが安心です。

4-3.無排卵月経の診断方法

まずは血液検査によって女性ホルモンの分泌が正常かを確認し、超音波検査によって卵胞の大きさを調べます。受診する際に、普段の基礎体温をグラフにしたものを持って行くとよいでしょう。

4-4.すぐに妊娠を望む場合は排卵誘発剤を使用

すぐに妊娠を望む場合は排卵誘発剤を使った治療が行われます。排卵誘発剤とはその名のとおり、排卵を起こすための薬です。飲み薬で効果が得られない場合は、注射での投与になります。

4-5.ピルでホルモンバランスを整える

すぐに妊娠を望まない場合は、長期的な治療法としてピルが使用されます。ピルには女性ホルモンと似た働きをするホルモンが含まれているため、服用することでホルモンバランスを整えることが可能です。

4-6.漢方薬で体質改善する方法も

漢方薬を使用して体質改善し、排卵しやすくする治療法もあります。使用されるのは、補腎薬を中心とした生薬を組み合わせた漢方薬です。「腎」はホルモンバランスや子宮・卵巣のコントロールにも関与しているため、その働きを補うことで無排卵月経を改善できる可能性があります。

4-7.妊娠を望んでいない場合も治療を

現在妊娠を希望していないからといって、無排卵月経を治療せずに放置することは危険です。将来妊娠を望んだとき、不妊に悩むことになる可能性が高くなります。また、無排卵月経は骨粗しょう症や子宮体ガンのリスクを高める要因にもなるため、できるだけ早期に治療しましょう。

5.無排卵月経と漢方薬

前述したように、無排卵月経に漢方薬が使用される場合もあります。漢方における無排卵月経の考え方や、効果が期待できる漢方薬についてご紹介しましょう。

5-1.「気」「血」の不足が原因という考え方

漢方では、無排卵月経の原因を「気」と「血」の不足であると考えています。人の健康は「気」「血」「水」の3つがバランスのとれた状態で成り立つというのが、漢方医学の基本的な考え方です。バランスの崩れた「気」と「血」を補う漢方薬を用いることで、無排卵月経を改善できるとされています。

5-2.どんな漢方薬が処方されるのか?

無排卵月経には、以下のような漢方薬が処方されます。

5-2-1.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰(とうき)や茯苓(ぶくりょう)・芍薬(しゃくやく)などの生薬が配合されており、生理不順や不妊・排卵障害などに使用される漢方薬です。体内の血流をよくして子宮の環境を整え、ホルモンバランスを正常にする効果が期待できます。

5-2-2.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂皮(けいひ)や牡丹皮(ぼたんぴ)・桃仁(とうにん)などの生薬が配合されており、滞った「血」のめぐりをよくする効果があります。無排卵月経をはじめ、不妊症や子宮筋腫・子宮内膜症など女性特有の症状によく使われる漢方薬です。

5-2-3.加味逍遙散(かみしょうようさん)

柴胡(さいこ)や芍薬(しゃくやく)・生姜(しょうきょう)などの生薬が配合されている漢方薬です。女性ホルモンの変動による精神不安などに使われることが多く、月経異常や更年期障害・不眠症などにも効果が期待できます。

5-3.体質によって合う漢方薬が異なる

漢方薬は、患者一人一人の体質によって合うものが異なります。たとえば、当帰芍薬散は体力虚弱で冷え性の人に、桂枝茯苓丸は比較的体力があり、のぼせやすい人に用いられる漢方薬です。体質に合わないものを使用すると十分な効果が得られない可能性があるため、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

6.漢方薬を購入するには?

無排卵月経に効く漢方薬を購入するためには、どうしたらよいのでしょうか。

6-1.病院で処方してもらう

最近は漢方に詳しい医師がいる病院も増えてきているため、無排卵月経で受診した病院で漢方薬を処方してもらうことも可能です。ただし、病院によっては漢方薬の取り扱いをしていないところもあるため、事前に確認しておきましょう。

6-2.ドラッグストアで購入する

漢方薬はドラッグストアでも販売されているため、手軽に購入することができます。しかし、一般的なドラッグストアには漢方専門の薬剤師がいない場合が多いため、症状や体質に合った漢方薬を選ぶのが難しいでしょう。

6-3.漢方薬局で購入する

漢方薬局とは、漢方専門の薬局のことです。漢方を専門とする薬剤師によるカウンセリングを受け、自分の症状や体質に合った漢方薬を購入することができます。最近はインターネットで利用できる漢方薬局も増えてきているため、手軽でありながら安全に漢方薬を入手することが可能です。

7.漢方薬局に相談する際のポイント

無排卵月経の悩みについて、漢方薬局に相談する際のポイントをまとめました。

7-1.信頼できる漢方薬局を選ぶ

自分に合った漢方薬を処方してもらうために、信頼できる漢方薬局を慎重に選びましょう。漢方薬局を選ぶポイントは以下のとおりです。

  • 豊富な実績があるか
  • 無料相談を受け付けているか
  • 費用についてきちんと説明してくれるか
  • 親身に相談に乗ってくれるか
  • 利用しやすいか

7-2.症状や体質を詳しく説明する

前述したように、患者の体質や症状によって合う漢方薬は異なります。合わない漢方薬を服用すると副作用が出てしまう可能性もあるため、薬剤師によく相談して自分に合った漢方薬を処方してもらいましょう。そのためにも、相談しやすい雰囲気の漢方薬局を利用することが大切です。

7-3.インターネットで購入する場合は無料相談を利用する

漢方薬をインターネットで購入する場合は、無料相談を受け付けている漢方薬局を選びましょう。どんな漢方薬を服用するべきなのか、正しく服用するにはどうしたらよいのかなど、適切なアドバイスをもらえます。漢方相談薬局の「十字屋平蔵薬局」では、こちらから無料相談を受付中です。西洋薬の知識もある薬剤師が対応するため、西洋薬との飲み合わせについても相談してみるとよいでしょう。

8.無排卵月経のセルフケアについて

無排卵月経の改善には、生活習慣の見直しも必要です。知っておくべきポイントやNG行為をご紹介しましょう。

8-1.ストレスを取り除き、生活習慣の改善を

薬の服用と同時に、ホルモンバランスの乱れを整えるための生活習慣も心がけるようにしましょう。具体的には、以下のようなポイントに気をつけてください。

  • 良質な睡眠を十分にとる
  • 適度に運動をする
  • 栄養バランスのよい食事をとる
  • シャワーだけで済ませず、ゆっくりと湯船につかる
  • リラックスする時間を作る

8-2.無理なダイエットは厳禁

無理なダイエットは無排卵月経の原因になります。ダイエットによって必要な栄養が子宮や卵巣に行き届かなくなると、排卵が起こらなくなってしまうのです。特にホルモンバランスが安定していない若い世代は、ダイエットが原因で無排卵月経になってしまう人がたくさんいます。普段から生理周期が乱れやすい人、基礎体温が安定しない人などは、ダイエットのし過ぎに注意しましょう。

9.無排卵月経に関するよくある質問

「無排卵月経について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.一時的に無排卵になることもあるのですか?
A.一時的な体調不良や強いストレスなどが原因で無排卵月経を起こす場合もあります。

Q.無排卵月経かどうかを自分で調べる方法はありませんか?
A.市販の排卵検査薬を使用すれば、排卵を起こすホルモンが分泌されているか調べることが可能です。

Q.喫煙も無排卵月経の原因になるのでしょうか?
A.なります。タバコを吸うと体内のエストロゲンが不足し、ホルモンバランスの乱れにつながるのです。無排卵月経に悩んでいる人は、まず禁煙する必要があります。

Q.漢方薬にはどのような副作用があるのでしょうか?
A.含まれている生薬の種類や体調にもよりますが、体質に合わないものを服用すると、食欲不振や軟便、じんましんなどの副作用が出ることがあります。副作用と思われる症状が出たときは、すぐに服用を中止して医師や薬剤師に相談してください。

Q.漢方薬はどのタイミングで服用するとよいのですか?
A.食前または食間に服用することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか? 無月経排卵の原因や治療方法、漢方薬による効果などを詳しくご紹介しました。無排卵月経は、月経障害の中でも特に多い病気の一つです。「毎月生理がきているので問題ない」と思って放置している女性も多いと思いますが、将来のためにも早めの対処が必要になります。ぜひこの記事を参考にして、無排卵月経についてしっかり理解してください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局