帯状疱疹の特徴は? 漢方薬の使用方法と効果について徹底解説!

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」とは、ピリピリと指すような痛みと、赤い斑点(はんてん)に加え、小さな水ぶくれが帯状に現れる病気です。主に、50~70代に多く発症する病気ですが、近年は、過労とストレスが原因となり若い人にも発症するケースが増えています。何よりも、刺すような痛みが続くので、日常生活が困難になる点がやっかいな病気です。痛みは皮膚の症状が弱まると同時に感じなくなりますが、稀(まれ)に続くことがあるので注意しなければなりません。高齢者にとって薬は刺激が強すぎるため、漢方を使用することがあります。しかし、漢方で本当に症状が軽減できるのか不安な方も多いでしょう。そこで、本記事では、帯状疱疹の特徴と漢方による対処法・効果について解説します。

  1. 帯状疱疹の基礎知識
  2. 帯状疱疹と漢方薬の関係は?
  3. 帯状疱疹における漢方薬の使用法は?
  4. 帯状疱疹と漢方薬に関してよくある質問

この記事を読むことで、帯状疱疹の基礎知識と漢方薬の服用方法・ポイントが分かります。気になっている方や症状をやわらげたい方は、ぜひチェックしてください。

1.帯状疱疹の基礎知識

まずは、帯状疱疹がどのような病気でどんな特徴があるのか、基礎知識を身につけていきましょう。

1-1.帯状疱疹はどんな病気か?

「帯状疱疹」とは水ぼうそうを引き起こす水疱帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じる感染症です。病気や薬の服用によって免疫機能が低下したときに発症することが多いと言われています。子どものころに水ぼうそうにかかると、完治したとしても、ウイルスが体内に遺伝子の形で潜伏してしまうのです。そのウイルスが長期間を経て、ウイルス粒子に変わり、免疫機能の低下をきっかけとして再び活動を始めます。

1-2.主な症状、特徴は?

帯状疱疹の主な症状は、帯状に現れる水ぶくれです。しかし、最初から水ぶくれが現れるとは限りません。まず、神経痛のような痛みが体全身に走り、4~5日後に痛みを感じた部位に発疹ができます。その発疹が少しずつ水ぶくれに変わり、化膿(かのう)してかさぶたになるでしょう。約3週間で治るケースが多いですが、水ぶくれの痕(あと)が残ることもあります。また、まったく痛みがない方や、夜も眠れないような激しい痛みが伴うなど、痛みの具合が人によって異なるのが特徴です。

1-3.主な原因は?

帯状疱疹の主な原因は、水痘帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)です。前述したとおり、体内に潜んでいたウイルスが、免疫機能の低下によって活性化し症状として現れます。免疫機能の低下以外に再発することはごく稀(まれ)で、通常は生涯に1度としか発症しません。

1-4.なりやすい人、患者数は?

子どものころに発症した水ぼうそうのウイルスが原因なので、水ぼうそうを発症したことがある方に起こりやすい感染症といえるでしょう。大人になってから発症することが多く、50~70歳代の発症率が高めです。具体的な患者数は明らかになっていませんが、年々増加傾向にあります。宮崎県における大規模疫学研究調査結果によると、1997年~2014年にかけて帯状疱疹を発症した患者数は約9万人でした。なんと、発症数は約36%、発症率は約44%増加していたのです。

1-5.主な治療法は?

初期症状の場合は、抗ウイルス薬を使用した内服治療が一般的です。ただし、重症の場合は入院する必要があります。抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行いながら様子を見ることになるでしょう。痛みが激しく麻痺(まひ)がある場合は、副腎皮膚ステロイド薬を投与することもあります。水ぶくれが化膿した状態は、抗ウイルス薬が効かなくなるので早めの投薬が必要です。

1-6.帯状疱疹後神経痛とは?

帯状疱疹の皮膚症状は、約3週間~3か月で自然治癒することがほとんどです。しかし、帯状疱疹にかかった約20%の方が「帯状疱疹神経痛」を発症します。痛みだけが継続して続くことを「帯状疱疹後神経痛」といい、なかなか治りにくいのが特徴です。治療法としては、西洋薬を用いた対処法もありますが、症状をやわらげるだけのケースが多いでしょう。そこで、注目され始めたのが体質改善目的の「漢方薬」なのです。漢方によって、痛みの強い帯状疱疹後神経痛を改善できるケースが数多く報告されています。

2.帯状疱疹と漢方薬の関係は?

では、帯状疱疹と漢方薬にはどのような関係があるのでしょうか。

2-1.漢方における帯状疱疹の考え方

体に不調が現れるのは、体内のバランスが乱れている証拠という考え方が漢方の特徴です。皮膚に水ぶくれが現れた際は、「水毒(すいどく)」、つまり体内に余分な水や老廃物が溜(た)まっていると考えます。また、「お血(おけつ)」と呼ばれる血行循環の悪さが引き金となり、神経痛が起きていると考えるケースもあるでしょう。

2-2.漢方薬のメリット

漢方薬は自然由来の生薬(しょうやく)を複数組み合わせたものです。処方薬に含まれる化学薬品などが一切入っていません。そのため、免疫力や抵抗力の弱い高齢者でも、少ない負担で治療できるといわれています。また、人間本来が持つ治癒能力を上げることを目的としているため、体質改善が期待できるでしょう。

2-3.どんな漢方薬が用いられるか?

帯状疱疹や、帯状疱疹後神経痛に使われる漢方薬は、「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」です。竜胆瀉肝湯は、体温を上昇させ発汗と利尿を促す作用があります。よって、体内に溜まった不要な水分と老廃物を体外へ排出できるでしょう。また、「麻黄附子細辛湯(まおうぶさいしんとう)」と呼ばれる漢方薬も用いられます。むくみを解消し炎症を抑えることができるでしょう。ほかにも、皮膚に症状がある場合は「紫雲膏(しうんこう)」と呼ばれる薬を、皮膚に直接塗ることがあります。

2-4.効果はあるのか?

気になる漢方薬の効果は、長期間服用することで現れるものです。体内に漢方薬の成分をゆっくり蓄積させていくため、西洋薬のような即効性がありません。体質改善を目的としているからこそ、長期間の服用が大切なポイントとなります。また、症状と体質に適した漢方薬を服用するのも、効果と深く関係しているので気をつけてくださいね。不適切な漢方薬を服用すると、副作用が現れることがあります。

3.帯状疱疹における漢方薬の使用法は?

漢方薬で帯状疱疹の症状をやわらげるためには、正しく服用しなければなりません。ここでは、漢方薬の使用方法とポイントを解説します。

3-1.漢方薬局への相談が大事!

漢方薬を服用する際は、必ず「漢方薬局」へ相談してください。なぜなら、漢方薬の知識がないと、どの漢方薬を選べば良いのか分からず、適当な種類を選んでしまう可能性があるからです。その結果、自分の体質と症状に合わない漢方薬を服用することになり、効果も現れません。漢方薬局ならば、あなたに適した種類をピックアップしてくれるでしょう。

3-2.副作用はあるのか?

西洋薬よりも副作用が少なく、体に負担がかからないのが漢方薬のメリットです。しかし、症状と体質に合っていない漢方薬を服用すると、めまい・吐き気・頭痛など副作用が起きることがあります。漢方薬を服用して副作用が現れた場合は、適切でない証拠なのですぐに服用をやめてください。そして、漢方薬局に相談しましょう。

3-3.市販の漢方薬は使用して良いのか?

薬局やドラッグストアでも市販の漢方薬が購入できますが、あまりおすすめできません。やはり前述したように、体質と症状に適した漢方薬か分からないからです。市販の漢方薬は、不特定多数の人に向けて作られているものなので、自分の体質と症状に合わない可能性があります。漢方薬の成分を少しずつ体内に取り入れ症状をやわらげるなら、漢方薬局に相談するのが1番の近道でしょう。

3-4.使用方法は?

漢方薬の使用方法は、形状で大きく異なるでしょう。主な形状は、「煎(せん)じ薬」「散財」「丸薬」「エキス製剤」「錠剤」の5種類があります。昔ながらの飲み方となる「煎じ薬」は、自然の生薬をじっくりと煮出し抽出する方法です。時間がかかるため、今はすぐに飲める「エキス製剤」と「錠剤」が主流でしょう。漢方独特の味が苦手な方は、エキスを濃縮し固形に固めた「錠剤」がおすすめです。

3-5.平均費用は?

漢方薬の平均費用は、1週間あたり約3,000~5,000円です。ただし、あくまで目安となります。生薬の種類や組み合わせの数などで異なるため、具体的な費用に関しては漢方薬局に問い合わせてください。また、使用方法・飲み方によっても異なる可能性があります。漢方薬は長く飲み続けることで効果が現れるため、毎月払い続けられる価格かどうかも要チェックです。

3-6.漢方薬局選びのポイント

どの漢方薬局に依頼すれば良いのか分からないときは、以下のポイントに注目してください。

  • 丁寧な対応かつスピーディーか
  • どのような症状の悩みにも相談に乗ってくれるか
  • 口コミ・評判が良いか
  • 漢方薬の飲み方など丁寧に説明してくれるか
  • 西洋薬との併用についてアドバイスをしてくれるか
  • 無料相談・無料見積もりを行っているか

漢方相談薬局の「十字屋平蔵薬局」では、無料相談を受けつけています。日・祝日をのぞき、24時間以内に回答しているので、ぜひご相談ください。西洋薬も分かる薬剤師も在籍しているため、薬の併用についてもアドバイスが可能です。

4.帯状疱疹と漢方薬に関してよくある質問

帯状疱疹と漢方薬に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.帯状疱疹の検査方法は?
A.皮膚の症状から診断を下すことがほとんどです。ほかの病気と区別するため、発疹の一部をはさみで採取し、顕微鏡で細胞を観察する検査方法もあります。また、ウイルスを分解する方法、ウイルスの抗原または核酸を検出方法で診断を下すでしょう。いずれにせよ、早期治療が大切なので症状が現れたら早めに受診してください。初期症状であれば抗ウイルス薬が使用でき、使用後3日目から少しずつ効き目が出てくるでしょう。

Q.帯状疱疹ウイルスと口唇ヘルペスの違いは?
A.帯状疱疹ウイルスからやってくる症状は、体の左右のどちらかに症状が現れます。再発を繰り返すことはありません。一方、口唇ヘルペスは再発を繰り返す特徴があります。また、帯状疱疹はほかの人に帯状疱疹としてうつることはありません。けれども、帯状疱疹の患者から水ぼうそうを未(いま)だ発症していない乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる可能性があります。口唇ウイルスによるヘルペスは、接触感染しやすい点が特徴です。

Q.日常生活で気をつけるべきポイントは?
A.帯状疱疹は免疫機能が低下するときに発症するため、なるべく安静にして体力を温存しましょう。また、近年はストレスによる若い人の発症率が目立ち始めています。日ごろから規則正しい生活習慣を送り、運動や気分転換などでストレスを溜(た)めないようにすることが大切です。

Q.西洋薬と漢方薬の併用は大丈夫なのか?
A.一般的に、組み合わせても問題ないといわれていますが、種類によっては組み合わせてはいけないタイプもあります。すでに、西洋薬を服用している方は、担当医師あるいは漢方薬局へ相談してください。自己判断で服用しないように注意しましょう。

Q.漢方薬の効き目はどのくらいで出るのか? いつ服用すべきか?
A.個人差がありますが、約1~3か月で効果が現れるといわれています。中には、約2週間で症状がやわらいだ人もいますし、3か月飲み続けてからやっと効き目が出てきた方もいるので長い目で服用し続けましょう。また、漢方薬の服用タイミングは空腹時です。

まとめ

いかがでしたか? 帯状疱疹は、ピリピリとした痛みと皮膚に現れる症状が特徴です。子どものころに発症する水ぼうそうで体内に残ったウイルスが、大人になって免疫力が低下したときに再び活発化し、皮膚の症状と傷みが現れます。主に、60~70代で発症することが多いですが、若い人でも発症する人が増えているので注意しなければなりません。また、帯状疱疹の症状をやわらげるためには専門的な治療が必要です。中には、体に負担の少ない「漢方薬」を使用する方法もあります。自分の体質と症状に適した漢方薬を服用するためにも、漢方薬局に相談してくださいね。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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