未病!? つらい冷え性や便秘の解消方法・グッズや漢方による対策など

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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体が冷えてつらい・便秘気味で体調も悪い、など冷え性にはさまざまな症状があります。冷え性は未病とも呼ばれており、特に女性にとってはなるべく早く対策するべき問題でもあるでしょう。今回は、冷え性や便秘の改善方法や漢方などについてご紹介します。

  1. 冷えと便秘の関係性
  2. 冷え性チェック
  3. 冷え性を改善して便秘も解消
  4. 冷え性の漢方治療について
  5. 漢方薬の購入方法
  6. よくある質問

冷えと便秘の関係について知りたい方や、症状を改善したい方、漢方に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1.冷えと便秘の関係性

まずは、冷えと便秘の関係についてご説明します。

1-1.体が冷えると便秘になりやすい?

体が冷えることによって、血流が悪くなってしまいます。すると、血液によって活動している腸は、活動が弱まってしまうのです。冬の間だけ便秘になってしまうという人も少なくありません。

1-2.冷えが与える体の影響

「冷えは万病のもと」と言われるとおり、冷えが体に与える影響は便秘だけではありません。肩こり・腰痛・腹痛・肌荒れ・生理不順・不妊症・ストレス・気分が落ち込む・睡眠障害など、さまざまな弊害が起きてしまうのです。

2.冷え性チェック

自分は冷え性かな?と思ったら、以下のチェックを行ってみましょう。多くあてはまる場合は、冷え性である、もしくは今後冷え性になる可能性が高くなります。

  • 飲み物に氷を入れて飲むことが多い
  • 温かい飲み物を飲む習慣がない
  • チョコレートや砂糖の入ったお菓子をよく食べる
  • 野菜・根菜をあまり食べない
  • 常に便秘気味・寒いと便秘になりやすい
  • 手先やふともも・おしり・二の腕・おなかなどがいつも冷たい
  • 体が冷えて眠れない日がある
  • 人より寒がりだ

3.冷え性を改善して便秘も解消

冷え性を改善するための方法をご紹介します。

3-1.冷え性改善方法

冷え性改善に有効な運動・飲み物・グッズなどをご紹介します。

3-1-1.運動

定期的な運動は、血行がよくなったり筋肉量が増えて代謝が上がったりするため、冷え性に有効です。一日30分程度の有酸素運動と、5分程度の無酸素運動(筋トレ・スクワットなど)を組み合わせると効果的でしょう。湯船につかりながらマッサージやストレッチをするのも、冷えや便秘に効果があります。

3-1-2.飲み物

緑茶やコーヒーなど、カフェインの多いものはなるべく控えましょう。冷え性に効く最も手軽な飲み物は白湯(さゆ)です。起き抜けや、食前に白湯(さゆ)を飲むことで内臓の活動が活発になり、体が温まって便秘解消にも効果があります。

3-1-3.温めグッズの利用

体を温めるためには、カイロ・湯たんぽなどが手軽で効果的です。カイロを腰やおなか(おへそ)の下にはれば、全身が温まってきます。手先や末端だけを温めると、血管が広がり放熱されて、よけいに体が冷えてしまうこともあるので、なるべく全身を温めるようにしましょう。また、お風呂や足湯で体を温めた後は、すぐに水分をふき取ってから暖かい靴下をはき、放熱しないようにしてください。カイロは、低温やけどなどの危険性があるので、ふとん内での使用はしないように注意喚起されています。寝る際は、湯たんぽの利用がおすすめです。

4.冷え性の漢方治療について

漢方と冷え性の関係について、ご紹介します。

4-1.漢方の冷え性の考え方

漢方のもととなる東洋医学では、冷え性は「未病(みびょう)」としてとらえられており、病気の一歩手前とされています。そのため漢方薬の世界では「冷え性」を「冷え症」と呼ぶこともあるのです。

4-2.漢方のメリット

漢方は、そもそも「体が冷えない体質」に変えることを目的としています。そのため、カイロや湯たんぽに頼らなくても、体がいつもぽかぽかでいられるようになるかもしれません。

4-3.冷えに効果のある漢方薬とは

  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

体を温めるだけでなく、気や血(けつ)の巡りをよくして、冷えによる症状を改善する効果もあります。

  • 大建中湯(だいけんちゅうとう)

おなかが冷えやすい人に向いている漢方です。とん服としても使用できます。

  • 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

冷えから来る頭痛に悩んでいる方に向いている漢方で、即効性があるのが特徴です。

4-4.注意点

漢方にはさまざまな種類があり、冷えのタイプによって、種類やせんじ方が変わってきます。初めて漢方を飲む方や、いろいろな対策を講じてもあまり症状が改善しないという方は、一度専門の薬剤師に相談してみましょう。

5.漢方薬の購入方法

5-1.漢方薬局への相談

漢方をもらう場合は、必ず漢方薬局でカウンセリングを受けましょう。なんでもかんでも漢方を飲めば冷え性や便秘が改善する、というわけではありません。あなたの体の冷え方や、症状に合わせた漢方を処方してもらう必要があるのです。

5-2.市販の漢方薬との違い

市販の漢方薬は、手軽に手に入れることができるのが魅力でしょう。しかし、上記のように症状や体質に合った漢方を飲まなければ意味がありません。市販の漢方薬は、多くの人に効果が出るように、はん用的に作られています。漢方であれば、あなたにぴったりのものを処方してもらえるでしょう。

5-3.処方の進め方・価格など

漢方薬局に行くと、30~60分程度のカウンセリングを受けることになります。長いと思われるかもしれませんが、冷え性以外の体の症状や、体質・悩みを相談することで、あなたの症状にあった漢方を処方してもらえるでしょう。漢方の価格は、一日500円程度が一般的です。体質の改善が認められれば、飲むのをやめていい場合もありますので、都度薬剤師に確認しましょう。

5-4.漢方薬局の選び方

漢方薬局を選ぶ際は、以下のポイントを抑えましょう。

  • きちんと無料相談・カウンセリングをしてくれる。
  • 冷え性・便秘の症状を取り扱っている
  • 冷え性・便秘以外の症状にも目を向けてくれる(頭痛・腹痛・不妊など)
  • 生活習慣の対策も相談できる

6.よくある質問

Q.冷えが取れるとやせるって本当?
A.体温が上がることで基礎代謝がアップするため、効果は大きいでしょう。なんと、体温が1℃上がるだけで基礎代謝が15%程度もアップするのです。一日当たりの基礎代謝が1400キロカロリーなら、1610キロカロリーとなり、約200キロカロリー(運動量にすると、ランニング約30分・ウォーキング約40分)もアップすることになります。

Q.冷えに効く食べ物は?
A.ショウガ・根菜(だいこん・ごぼう・かぼちゃ)・玄米・納豆などが効果的です。冬が旬の食べ物や、雪国が産地となっている食べ物は、基本的には冷えに効くとされています。逆に、キュウリ・トマト・果物など、夏野菜や水分が多い食べ物は体を冷やしてしまうのです。ただし、夏野菜には便秘に効果的な面もあります。どんな食べ物でも食べ過ぎに注意し、バランスよく摂るようにしましょう。

Q.便秘に効く食べ物は?
A.日本人は、慢性的に食物繊維が不足していると言われています。食物繊維は、サプリメントで摂取するより、食べ物から摂った方が吸収率が高く効果的です。こんにゃく・きのこ・キャベツ・玄米などがおすすめできます。

Q.白湯(さゆ)の作り方を教えて
A.白湯(さゆ)はただのお湯ですが、作り方を工夫すると温熱効果がさらにアップします。電気ケトルや電子レンジよりも、やかんを使って空気を混ぜながら沸かすのがポイントです。沸騰してからも、5分程度沸かしつづけることで、空気をよくふくんだ、まろやかな味の白湯(さゆ)ができます。白湯(さゆ)は飲める温度(50度程度)になるまで自然に冷ましましょう。水や氷を使ってはいけません。

Q.冷えや便秘に効くショウガの摂り方を教えてください。
A.冷え取りといえばショウガとイメージする方がほとんどでしょう。ショウガには、生なら「シンゲロール」、火を通したり乾燥させると「ショウガオール」という成分があります。いずれも冷えには大変効果的な成分です。

まとめ

冷え性や便秘について、対策や改善方法などをご紹介しました。冷えや便秘を改善するには、食生活・睡眠・運動、また、ストレスをためない・体を冷やさない格好をする、といった、さまざまな対策があるのです。少しずつ生活習慣を改善しつつ、それでも冷え性や便秘がよくならなければ、漢方薬局に相談してみてください。あなたの症状にあった漢方を処方してもらえたり、生活のアドバイスをもらえるでしょう。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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