ニキビの治療に効果的な漢方薬は? 漢方の取り入れ方を解説!

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「ニキビがすぐに出てくる」「なかなかニキビが治らない」「薬を塗っても効果がない」など、ニキビの悩みを抱えている方は多いでしょう。顔の目立つ場所にニキビができると、気になって勉強や仕事に集中できなくなります。

治ってもすぐにニキビができるという方は、体質に問題があるかもしれません。漢方では「肌は内臓の鏡」といわれており、体の内側の状態が皮膚に現れていると考えられています。外側ではなく、体の内側から改善することでニキビの解消につながるかもしれません。

そこで本記事では、ニキビを改善するための漢方薬について説明します。

  1. ニキビのメカニズム
  2. ニキビと漢方の関係は?
  3. ニキビに用いられる漢方薬はどんなもの?
  4. 漢方薬を取り入れる方法
  5. ニキビと漢方に関してよくある質問

この記事を読むことで、ニキビをくり返さないためのポイントと漢方薬を用いる方法が分かります。気になっている方、悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.ニキビのメカニズム

まずは、ニキビの主な原因とできやすい場所・ニキビの種類について説明します。

1-1.ニキビとは?

毛穴が詰まって、中で炎症が起きている状態のことを「ニキビ」と表現します。ニキビの根本的な原因となるのは、アクネ菌です。皮脂や古くなった角質などが毛穴に詰まると、アクネ菌が増殖し炎症を起こして赤くなります。炎症を放置すると、膿(うみ)がたまり、ふくらんだ状態になるのです。それが「ニキビ」として出てくることになります。

ニキビ初期は毛穴が詰まる白ニキビですが、中期になると炎症が起きて赤ニキビになるでしょう。そして、少しずつ毛穴が開き、皮脂の酸化で黒ニキビへと悪化します。末期になると、膿がたまる「膿ニキビ」になり、炎症が激しくなるというわけです。膿ニキビは、治ったとしてもニキビ跡が残る可能性があるため、早めに対処しなければなりません。

1-2.主な原因

ほとんどのニキビは、生活習慣と環境が複雑に絡んで発生します。代表的な原因としては、不規則な生活習慣・乱れた食生活・心理的ストレスなどです。

また、肌が乾燥すると、皮膚の機能がうるおいを守ろうとたくさんの皮脂を分泌します。過剰な皮脂の分泌が毛穴の詰まりになり、ニキビを引き起こすのです。

ニキビを改善するためには、原因を突き止めることが大きなポイントになるでしょう。この機会に、自分自身の生活習慣を見直してみてください。

1-3.ニキビの種類

ニキビには、「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の2種類があります。それぞれの特徴をチェックしておきましょう。

1-3-1.思春期ニキビ

「思春期ニキビ」は10代の思春期に発生するニキビです。成長期に男性ホルモンの分泌が一時的に増えることで、皮脂が過剰に分泌され毛穴が詰まります。20歳前後まで発生するほとんどのニキビが当てはまるでしょう。

気をつけておきたいのは、思春期ニキビが強く炎症を起こすと、ニキビ跡になることです。大人になっても皮膚の凸凹(でこぼこ)が治らない可能性もあるため、早めのケアが必要となります。

1-3-2.大人ニキビ

20歳以降に発生するニキビを「大人ニキビ」といいます。思春期ニキビは過剰な皮脂の分泌が原因でしたが、大人ニキビの原因はさまざまです。たとえば、肌の乾燥・ストレス・食生活の乱れなど、生活習慣が大きく関係しています。

1-4.できやすい場所

生え際・Tゾーン・鼻・頬(ほお)・フェイスライン・口まわり・背中・おしり・胸元・頭皮が、ニキビのできやすい場所となります。ニキビの種類によって、できやすい場所が異なるでしょう。

たとえば、思春期ニキビは、Tゾーンと呼ばれるおでこ・鼻のまわりにできやすいのが特徴です。一方、大人ニキビは、Uゾーンと呼ばれるあご・口まわりにできやすい傾向があります。

2.ニキビと漢方の関係は?

漢方を利用してニキビを改善する前に、漢方の考え方を把握しておかなければなりません。漢方医学では、ニキビをどのように捉えているのでしょうか。

2-1.漢方とは?

漢方薬は、植物・鉱物など自然由来の生薬を複数組み合わせて作ったものです。自然の恵みを利用して人間がもっている自然治癒能力を向上させる可能性があります。また、漢方医学は、「気」「血」「水」のバランスが崩れることで病状・症状が現れるという考え方です。そのため、どうすれば3つのバランスが整えられるのか考えて生薬を組み合わせていきます。「気」「血」「水」のそれぞれが表しているものは、以下のとおりです。

  • 気(き):目には見えない生命エネルギーのこと。自律神経の働きに近い
  • 血(けつ):血液のこと。全身をめぐってさまざまな組織に栄養を与える
  • 水(すい):血液以外の体液全般のこと。水分代謝・免疫システムにかかわっている

2-2.漢方医学から見たニキビとは?

ニキビのような皮膚の症状は、体内の不調と考えられています。「皮膚は内臓を映す鏡」といわれており、皮膚の炎症は「熱」が原因だと捉えられているのです。そのため、熱を抑えることを目的とした「清熱剤」を用いることが多くなります。また、冷え性・血行不良が関係している場合は血行を促したり、ニキビが化膿しやすい場合は免疫力を高める必要があるのです。

2-3.漢方のメリット・デメリット

ハッキリとした原因が分からずとも、病状・体質に合わせて改善できる点が漢方の大きなメリットでしょう。漢方治療で大切なのは、その人の病状・体質に適しているかどうかです。きちんと合った漢方薬を使用すれば、体内のバランスを整えることができるでしょう。また、化学薬品を使わないので副作用が少ないのです。

しかし、慢性症状がある場合は、長期間服用し続けなければならない・すぐに効果を実感できないというデメリットがあります。漢方は体質改善が目的ですが、体質はそう簡単に改善できないでしょう。コツコツと時間をかけることが大切なのです。

3.ニキビに用いられる漢方薬はどんなもの?

それでは、ニキビに用いられる漢方薬とはどんなものがあるのでしょうか。

3-1.清上防風湯

荊芥(けいがい)・薄荷(はっか)・甘草(かんぞう)などの生薬が含まれている漢方薬で、ニキビ・顔の発疹(ほっしん)などに用いられることが多いです。比較的、体力がある人に向いており、のぼせや赤ら顔に効果があるといわれています。

3-2.荊芥連翹湯

黄連(おうれん)・桔梗(ききょう)・柴胡(さいこ)・芍薬(しゃくやく)・薄荷・荊芥などが含まれている漢方薬で、体の熱や腫れを抑制する効果が期待できます。ニキビ・湿疹のほかにも、蓄膿症(ちくのうしょう)・慢性鼻炎・扁桃炎(へんとうえん)などの炎症に効果のある種類です。

3-3.桂枝茯苓丸加薏苡仁

桂皮(けいひ)・茯苓(ぶくりょう)・牡丹皮(ぼたんび)・芍薬などが含まれている漢方薬で、「血」のめぐりをよくして、肌に栄養を行きわたらせる効果があります。冷え性・のぼせ・肩こりなどの症状が出ている方におすすめです。

4.漢方薬を取り入れる方法

漢方薬を服用したい場合は、どこで手に入れることができるのでしょうか。主な方法と漢方薬局の選び方・注意点について説明します。

4-1.ドラッグストア・薬局

実は、街中にあるドラッグストア・薬局でも市販の漢方薬が購入できます。気軽に利用できますが、市販の漢方薬は自分の体質・症状に合っているのか分からないので注意が必要です。漢方の効果を得るためには、体質・症状に合った種類を服用しなければなりません。不適切な種類は頭痛などの副作用を引き起こすおそれもあるため、市販の漢方薬は避けたほうがよいでしょう。

4-2.医療機関による処方

すでに、薬を服用している方は、医療機関に相談するのも選択肢の1つです。医療機関の中には、漢方薬の処方を行っているところもあります。漢方薬と薬の相性によっては、併用してはいけないものもあるため、医師の指導のもと漢方を服用することができるでしょう。

4-3.漢方薬局へ相談する

漢方薬を処方している医療機関が近くにない・漢方について知りたいという方は、漢方薬局へ相談することをおすすめします。漢方薬局は、いわゆる漢方のプロです。処方の実績が豊富な薬局に相談すると、あなたの体質・症状に適した種類をピックアップしてくれるでしょう。

4-4.漢方薬局の選び方

漢方の効果を実感できるか否かは、相談する漢方薬局によって異なります。安心して相談できる薬局を選ぶために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 丁寧な対応かつスピーディーか
  • 親身になって話を聞いてくれるか
  • 漢方の飲み方や薬の併用などのアドバイスをしているか
  • 無料相談を受けつけているか
  • 漢方処方の実績をもっているか
  • さまざまな症状・体質に対応しているか
  • 口コミ・評判がよいか

漢方相談薬局の「十字屋平蔵薬局」では、症状・体質に合わせた漢方薬処方と養生指導を行っています。すでに、薬を服用している方でも、西洋薬も分かる薬剤師が在籍しているのでご安心ください。どのような悩みでも、丁寧に対応いたします。

4-5.注意点

漢方を取り入れて、頭痛・吐き気・めまいなどの副作用が現れたときは、すぐに服用を止めてください。そのまま服用を続けると、さらにニキビが悪化する可能性があります。副作用が現れたら使用を止めて、漢方薬局などに相談しましょう。

5.ニキビと漢方に関してよくある質問

ニキビと漢方に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.「ニキビ」と「吹き出物」の違いは?
A.一般的に、20歳以上のニキビを「吹き出物」と表しています。つまり、大人ニキビ=吹き出物となり、思春期ニキビとの区別が大きな違いといえるでしょう。思春期ニキビはホルモンバランスが主な原因なので、体の成長が安定すれば症状も少しずつ治まります。一方、大人ニキビは不規則な生活習慣などが複雑に絡み合っているため、日ごろの生活を見直すことが大切でしょう。

Q.ニキビを悪化させないコツは?
A.初期症状の白ニキビの時点で、きちんと正しいケアを行うことが大切です。白ニキビは、肌の表面がポツッとふくれている状態となります。毛穴に詰まった皮脂・角質が混ざっている状態なので、刺激の少ない洗顔料できちんと顔を洗い保湿をしましょう。また、睡眠をしっかり取る・栄養バランスのよい食事を摂ることも大切です。

Q.漢方と薬の併用例が知りたい
A.たとえば、外用薬と清上防風湯でニキビを治療する方法があります。これら2つに併せて、消化器系の調子を上げる漢方薬「四君子湯(しくんしとう)」も併用するケースがあるでしょう。ニキビを外側と内側から治療することで、より効果を上げることができます。

Q.漢方の効果はどのくらいで現れるのか?
A.最低でも、1~2か月間飲み続けることが大切です。ただし、それぞれの体質や症状によって効果の現れ方が変動します。中には、2週間で効果を実感したという方もいるのです。1~2か月間ほど飲み続けて効果が感じられない場合は、体質・症状に合っていない可能性があるので主治医または漢方薬局に相談したほうがよいでしょう。中には、意外と即効性のある漢方薬もあるので、服用前に正しい飲み方を確認することが大切です。

Q.ニキビに効果的な栄養素とは?
A.漢方薬の効果を上げるためにも、日々の食生活にニキビ治療に効果的な栄養素を取り入れてください。ニキビに効果的な栄養素といえば、ビタミン類が代表的です。牛肉・豚肉などのビタミンB2、いわし・鮭・さんまなどのビタミンB6、トマト・いちごなどのビタミンC、うなぎ・オリーブ油などのビタミンEを摂取するとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか? ニキビには思春期ニキビと大人ニキビがあり、それぞれ原因とできやすい場所が異なります。どこにどんなニキビができているのか確認し、日々の生活を規則正しく送りましょう。くり返しニキビができるという方は、体質改善を目的とした漢方薬がおすすめです。内側から体内のバランスを整えましょう。症状・体質に適した漢方薬を選ぶことが大切なので、漢方薬局に相談してください。知識が豊富な漢方薬局なら、自分に合った漢方薬を取り入れることができます。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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