アトピーの原因は? 治療に漢方を取り入れるメリットと方法を紹介

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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アトピー性皮膚炎の原因や治療法をご存じでしょうか? 皮膚疾患の一つであるアトピーは、強いかゆみと湿疹(しっしん)が繰り返し現れるつらい病気です。よくなったと思ってもまた繰り返し症状が出るため、長年苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。アトピーの多くが5歳までに発症するということで、つらい思いをしている子どももたくさんいます。アトピーを改善するためには、一体どうしたらよいのでしょうか。

この記事では、アトピーの原因や主な治療法、漢方薬による改善法などをまとめてご紹介します。

  1. アトピーの基礎知識
  2. アトピーの原因
  3. アトピーの主な治療法
  4. 漢方とアトピー治療
  5. アトピー治療に使われる漢方薬
  6. 漢方薬の飲み方と購入方法
  7. 相談できる漢方薬局「十字屋平蔵薬局」について
  8. アトピーと漢方に関するよくある質問

この記事を読むことで、アトピー性皮膚炎に関することが詳しく分かるはずです。ぜひ参考にして改善法を見つけてください。

1.アトピーの基礎知識

まずは、アトピーの症状や患者数などをまとめました。

1-1.アトピーとは?

アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症を伴う病気です。日本皮膚科学会によると、かゆみのある湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返すのがアトピーの特徴とされています。原因や症状の出方には個人差があり、かゆみや湿疹が現れる場所も人それぞれです。基本的にアトピーは「短期間で治るもの」ではなく、根気よく治療とスキンケアを継続する必要があります。

1-2.主な症状

アトピーの主な症状は「かゆみを伴う湿疹」です。特に、耳や首回り・わきの下・ひじの内側・ひざの裏側などに湿疹ができやすくなっています。比較的症状が軽い場合は、赤みのある湿疹やプツプツと盛り上がりのある湿疹が出る程度です。しかし、掻(か)くことによって状態が悪化すると、皮膚が厚くゴワゴワした状態になります。

1-3.なりやすい人と患者数

アトピーになりやすい人には、以下のような特徴があります。

  • 家族にアトピー性皮膚炎やぜん息・花粉症・アレルギー性鼻炎・食物アレルギーの人がいる
  • もともと皮膚のバリア機能が弱い
  • ストレスに弱い
  • 乾燥肌

アトピーの患者数は年々増加しています。現在、国民の1割がアトピーを抱えているといわれており、30年前に比べて2倍にまで増えていることが分かっているのです。

1-4.最近の傾向

最近の傾向としては、大人になってからアトピーに症状が現れる人が増えてきています。その背景には、現代人の生活習慣が大きく関係していると考えられるでしょう。特に、ストレスや睡眠不足はアレルギー素因が暴走する要因になるといわれています。

2.アトピーの原因

アトピーの主な原因や、子どもと大人の違いなどをまとめました。

2-1.主な原因は?

アトピーの主な原因は、遺伝以外にもアレルゲンやストレスなどが考えられます。アレルゲンとなるのは、ダニやホコリ・食べものなどです。同じアレルゲンでもアトピーになる人とならない人がいるのは、皮膚のバリア機能の問題でしょう。アレルゲンの侵入を防御できる機能があるか、免疫細胞がアレルゲンを外敵と判断するかどうかの違いです。また、ストレスもアトピーの原因になり得ることが分かっています。ストレスによって体の免疫機能が低下すると、アレルゲンが侵入しやすくなり、防御する働きも弱まってしまうのです。その結果、アトピーの発症や悪化につながりやすくなります。

2-2.子どもと大人の違いについて

アトピーの原因は、子どもと大人で違ってくる場合が多いでしょう。子どもの場合は、食べものが原因でアトピーを発症するケースもあります。そのため、食物アレルギーとアトピーの区別がつかないこともあるでしょう。子どもは皮膚のバリア機能が未熟なため、成長とともにバリア機能が発達して食べものに対する反応が減っていく可能性もあります。一方、大人の場合はダニやホコリなど環境が原因になることが多いでしょう。子どもと違って皮膚のバリア機能は発達した状態であるため、成長に伴う改善は期待できません。外用薬による治療が必要になるでしょう。

3.アトピーの主な治療法

アトピーの主な治療法や予防法などをまとめました。

3-1.アトピーは治るのか?

「皮膚科で処方された薬を塗ると症状はよくなるが、薬がなくなるとまたかゆみや湿疹が出てくる」「乾燥する季節になると症状が出る」という人も多いでしょう。実際のところ、現在行われているアトピーの治療は、あくまでも対症療法であって完全に治す方法ではありません。子どもであれば成長とともに皮膚のバリア機能が発達してアトピーの症状が出なくなる可能性もあるでしょう。そうなるまで、根気よく薬の使用と適切なスキンケアを心がけ、症状が繰り返さないようにしていく必要があります。最終的には、保湿剤だけで日常生活に支障がない程度まで症状を安定させることは十分に可能です。

3-2.主な治療法

皮膚科によるアトピーの治療法は、主に塗り薬と飲み薬の処方によるものです。症状が重い場合は強いステロイド外用薬を処方し、炎症をしっかり抑えてから、少しずつ弱いステロイドに切り替えていくのが一般的な治療法になるでしょう。必要であれば、免疫抑制外用薬が処方されることもあります。そのほかにも、かゆみ止めとして抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬が処方されることもあるでしょう。同時に、日常生活におけるスキンケアの指導が行われます。

3-3.対処法と予防法について

アトピーの湿疹は、掻けば掻くほど炎症が悪化します。そのため、対処法として最も重要なのが「掻かないこと」なのです。かゆみがあるときは両腕を前で組むようにし、ゆっくりと息を吐いて「掻きたい」という気持ちを落ち着けましょう。保冷剤などで患部を冷やすのも効果的です。また、普段からアトピーの症状が悪化しないように予防法を知っておくことも必要になります。自分の症状を悪化させる原因物質や環境をよく理解し、適切なスキンケアを続けることが予防につながるはずです。薬によって症状がよくなった後も、予防を意識した生活習慣を続けることをおすすめします。

4.漢方とアトピー治療

アトピーの治療に漢方が使われる場合もあります。漢方治療の特徴やポイントなどをご紹介しましょう。

4-1.漢方におけるアトピーの考え方は?

漢方の基本的な考え方は、「人間が本来持つ自然治癒力を高め、体の調子を整えることで病気を治す」というものです。つまり、病気を直接治療するためではなく、体質を改善して健康な状態に戻すことを目的としています。漢方薬によって体質を改善することで、アトピーをよくしていくことができるというのが、漢方における考え方なのです。

4-2.漢方で考えるアトピーの原因

漢方では、体の不調は「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「水(血液以外の体液)」の3つのバランスが崩れることで起こると考えられています。アトピーの症状が起こるのは、この3つがアンバランスになっている証拠です。そのほかにも、漢方ではアトピーの原因が「肺」にあると考えられています。肺は老廃物や排せつ物を体外に除去する働きを持っており、正常に働かなくなることで肌トラブルが起こるとされているのです。

4-3.漢方治療の特徴

漢方治療は体質を改善することが目的であるため、効果を実感するまでは時間が必要です。体質や漢方薬の種類によっては、効果を実感するまで1~2週間程度の場合もあれば、3か月以上かかる場合もあります。必要と感じたらできるだけ早く飲み始めるようにしましょう。皮膚科で処方されるステロイド剤と併用しながら、うまく漢方薬を取り入れていってください。アトピーを根本的に治すまでは、1年以上継続して飲み続ける必要があります。

4-4.体質改善のコツとポイント

遺伝やアレルギー体質と関係なく、日常生活における環境によって誰でもアトピーを発症する可能性があります。アトピーに強い体を作るためには、漢方薬だけでなく生活習慣でも体質改善ができるように心がけましょう。ストレスや睡眠不足を解消し、バランスのよい食事をとるようにしてください。また、お酒やたばこの過剰摂取にも注意しましょう。

4-5.注意点

アトピーの改善には、ステロイド剤や保湿剤などの使用や生活習慣の改善が基本です。漢方薬を取り入れることで安心してしまわず、基本を忘れないようにしてください。ただし、生活習慣の改善はあくまでも無理のない範囲で行うことが大切です。ストレスに感じてしまうとアトピーの悪化にもつながるため、徐々に改善していけばよいでしょう。

5.アトピー治療に使われる漢方薬

アトピー治療に使用される主な漢方薬をご紹介します。

5-1.主な漢方薬

  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):体の熱を冷まし、かゆみを鎮める
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):ジュクジュクと湿った湿疹に効果的
  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう):体を温めてむくみを取り、皮膚症状を改善する
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):熱や炎症を抑えて血流をよくし、症状を改善する

5-2.注意点

漢方薬は体質に合ったものを服用する必要があります。そのため、市販の漢方薬を独断で選ぶことはやめたほうがよいでしょう。漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して自分に合ったものを選んでもらうことをおすすめします。

6.漢方薬の飲み方と購入方法

漢方薬の適切な飲み方や購入方法についてご紹介します。

6-1.漢方薬局に相談しよう

漢方薬局とは、漢方薬を専門に取り扱っている薬局のことです。漢方に関する知識を持っている薬剤師がいるため、相談に乗ってもらうことができます。自分の体質や、どのような症状で悩んでいるのかを相談した上で、適切な漢方薬を選んでもらいましょう。

6-2.通常の病院での漢方併用について

皮膚科で漢方薬との併用治療をすすめられる場合もあります。ステロイド剤と併用することでより効果を高めることが期待できるため、指示があれば併用して問題ないでしょう。

6-3.副作用について

「漢方薬には副作用がない」と思っている人も多いでしょう。確かに、生薬で作られている漢方薬は、西洋薬に比べると副作用が少ないのが特徴です。しかし、まったくないわけではありません。体質や症状に合わないものを飲むと、じんましんや食欲不振などの副作用が出ることもあるのです。反対に、十分な効果が期待できなくなる場合もあるため、正しい知識を持つ漢方薬剤師などに選んでもらうことをおすすめします。

6-4.注意点

漢方薬局は全国に増えてきています。信頼できる薬局を選ぶためにも、実績や対応の仕方などをしっかりとチェックした上で選ぶようにしてください。また、費用についての説明をきちんとしてくれるか、患者の体の状態をきちんと把握してくれるかなども確認しましょう。

6-5.使用方法

漢方薬は食事と食事の間の空腹時に服用するようにしてください。胃の中が空の状態だと、生薬の吸収力がよくなります。牛乳やジュースなどではなく、白湯(さゆ)で飲むようにしましょう。

6-6.価格について

漢方薬の価格は漢方薬局によって異なります。「十字屋平蔵薬局」で販売している漢方薬は、1日分が500円前後です。15歳未満の場合は1日分300円前後になるため、子どものアトピーについても相談してみるとよいでしょう。

7.相談できる漢方薬局「十字屋平蔵薬局」について

漢方相談薬局の「十字屋平蔵薬局」では、さまざまな種類の漢方薬を取り扱っています。西洋薬に関する知識も持つ薬剤師がいるため、併用についても相談可能です。こちらから無料相談を利用できるため、ぜひチェックしてみてください。

8.アトピーと漢方に関するよくある質問

「アトピーの漢方治療について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.皮膚科でステロイドを処方されましたが、使用しても危険はないのでしょうか?
A.皮膚科専門医の指示どおりに使用すれば危険性はありません。アトピー性皮膚炎の標準的な治療といえるでしょう。

Q.アトピーを予防するために自宅でできるスキンケア方法を教えてください。
A.入浴の際は、刺激の少ない石けんをしっかりと泡立て、手でやさしく体を洗いましょう。ぬるめのお湯で十分にすすぎ、汚れと石けんを確実に洗い流してください。入浴後は5分以内に保湿剤を塗り、乾燥を防ぎましょう。

Q.アトピーの原因になる化学物質は、どのようなものに含まれていますか?
A.身近なものでいうと、防腐剤や消毒剤・防ダニ・抗菌グッズなどがあるでしょう。また、食品添加物にも化学物質が含まれているため、赤ちゃんのアトピーの原因になる可能性があります。

Q.子どものアトピーにも漢方薬は効果的ですか?
A.最近は子どものアトピーに漢方薬が処方されるケースも珍しくありません。ただし、量や成分の調節に注意が必要なため、必ず漢方に詳しい医師や薬剤師の指示に従ってください。

Q.漢方薬を複数併用して飲んでも問題ありませんか?
A.漢方薬局で併用を指示された場合であれば問題ないでしょう。自己判断で併用するのはやめてください。生薬がお互いの効能を弱めてしまう可能性があります。

まとめ

アトピーの原因や症状・漢方による改善方法などをまとめてご紹介しました。アトピーのつらい症状に悩んでいる人はたくさんいます。漢方薬は治療方法の一つとして注目を集めており、その効果は十分期待できるものです。ぜひこの記事を参考にして、アトピー改善のために漢方薬を取り入れることを検討してみてください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局