神経痛に効く漢方薬は? より効果的な飲み方と漢方薬局について

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

神経痛に効く漢方薬があることをご存じでしょうか。神経痛には三叉(さんさ)神経痛や坐骨(ざこつ)神経痛・肋間(ろっかん)神経痛などがあり、原因もさまざまだと言われています。突然起こる痛みやいつまでも続く痛みはつらいですよね。早めに原因を知り、適切な治療を受けましょう。そんな神経痛には、漢方薬の効果も期待できます。体の中から働きかけて神経痛を治すために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。漢方薬の飲み方や注意点についてもご紹介しています。

  1. 神経痛の基礎知識
  2. 神経痛の主な対策と治療法
  3. 神経痛と漢方について
  4. 神経痛の漢方効果
  5. 神経痛に用いられる漢方薬の購入方法・飲み方
  6. 神経痛に効く漢方薬に関するよくある質問

この記事を読むことで、神経痛の原因や対策、効果的な漢方薬について分かります。痛みのない生活を手に入れましょう。

1.神経痛の基礎知識

まずは、神経痛の基礎知識をまとめてみました。

1-1.神経痛とは?

神経痛とは、中枢神経に痛みが伝達して起こる痛みのことです。私たちの体には中枢神経と末梢(まっしょう)神経があり、末梢(まっしょう)神経には体の感覚器官で受けた刺激を中枢神経に伝達する「感覚神経」があります。神経痛は、この末梢(まっしょう)神経の感覚神経が何らかの刺激を受けることで、中枢神経に痛みとして伝達するというしくみで起こるのです。

1-2.主な症状と特徴

神経痛は痛みが起こる場所によってさまざまな名前が付けられています。主なものが「坐骨(ざこつ)神経痛」「肋間(ろっかん)神経痛」「三叉(さんさ)神経痛」の3つです。それぞれの症状や特徴をまとめてみました。

1-2-1.坐骨(ざこつ)神経痛

お尻から太ももの後面、ふくらはぎにかけて痛みが生じます。左右どちらかに症状が出る場合がほとんどで、電気が走ったような痛みが特徴的です。

1-2-2.肋間(ろっかん)神経痛

背中から胸にかけて痛みが生じます。左右どちらかに鋭い痛みが走り、特に大声を出したり深呼吸をしたりすると痛みがひどくなるのが特徴です。

1-2-3.三叉(さんさ)神経痛

目の周りや奥、額、頬(ほお)などに痛みが生じます。チクチク、ズキズキとした刺すような痛みが特徴的で、食事や歯みがき時、冷たい風に当たったときなどに痛みがひどくなることがほとんどです。

1-3.主な原因

神経痛は、原因が分かる「症候性神経痛」と原因不明の「特発性神経痛」に分けられています。症候性神経痛には頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアや帯状疱疹(ほうしん)の後遺症などが関係しており、坐骨(ざこつ)神経痛や肋間(ろっかん)神経痛、三叉(さんさ)神経痛は症候性神経痛です。特発性神経痛の場合は診察や画像検査を行っても痛みの原因が見つかりません。そのため、痛みが発生している末梢(まっしょう)神経の名称をとって「上腕神経痛」「口頭神経痛」などと呼ばれるのです。また、冷えやストレスが神経痛の原因になることもあります。

1-4.日常生活への影響とは?

神経痛による日常生活への影響にはさまざまなものが考えられます。痛みが原因でストレスが大きくなり、勉強や仕事に集中できなくなる人も多いでしょう。また、痛みのほかにしびれやふるえなどが伴う場合も多く、外出が困難になることも少なくありません。筋肉痛のように安静にしていると痛みが治まるということもないため、常に痛みと戦うことになってしまうでしょう。

1-5.なりやすい人と患者数

神経痛に悩んでいる人はたくさんいます。特に最も多いと言われている坐骨(ざこつ)神経痛の患者は全国に200万人以上存在しており、若年層にも増えてきているのが特徴です。神経痛になりやすい人の特徴をまとめてみましたので当てはまる人は注意してください。

  • 日ごろから激しい運動をしている人
  • 同じ姿勢を長時間続けている人
  • 運動不足の人
  • ストレスや疲労がたまっている人
  • 免疫力が低下している人

2.神経痛の主な対策と治療法

神経痛の主な対策や治療法をまとめてみました。

2-1.一般的な対策

神経痛の中には、体の使い方が原因で起こるものもあります。予防や症状の緩和にはセルフケアも重要なポイントになるのです。たとえば、自律神経の興奮が神経痛の悪化につながることもあるため、ストレスを最小限に抑えるように心がけましょう。また、コーヒーやアルコールなどの刺激物を控えることも、自律神経の興奮を抑えることにつながります。そのほかにも、以下のような対策を試してみてください。

  • 体を冷やさない
  • 同じ姿勢や動作を長時間続けない
  • マッサージやストレッチをする

2-2.主な治療法

神経痛の治療には、薬物療法や神経ブロック、理学療法があります。

2-2-1.薬物療法

神経痛治療の中心は薬物療法です。基本的には非ステロイド性抗炎症薬や湿布が処方されます。この薬で症状が改善されない場合は、神経障害性疼痛(とうつう)治療薬や鎮痛薬、鎮痛補助薬などが用いられることになるでしょう。

2-2-2.神経ブロック

麻酔注射を神経やその周辺に注射することで、痛みが伝わる神経の回路を遮断する治療法です。また、筋肉の緊張を緩めることや血流を改善することも目的としています。薬物療法で症状の改善が見られない場合は、この治療法が選択されることになるでしょう。

2-2-3.理学療法

低周波の電気刺激によって痛みを伝達する神経の働きを抑える「電気刺激療法」や、血流をよくして神経の痛みを和らげる「温熱療法」などがあります。薬物療法と併用して温熱療法が行われる場合が多いでしょう。

3.神経痛と漢方について

神経痛には漢方薬が効くと言われています。その考え方や注意点などをご紹介しましょう。

3-1.漢方、漢方薬とは?

近年、さまざまな体や心の不調に対して漢方薬を取り入れる病院も増えてきています。そもそも漢方とは、中国の伝統医学が日本に伝わったのが始まりと言われているものです。その後、日本の気候や風土、日本人の体質に合わせて独自に発展してきました。さまざまな生薬を組み合わせた漢方薬を使って、病気を「治す」のではなく全身のバランスを整えることを目的としています。体質を改善して治癒力を高めることができるのです。また、漢方薬は副作用が少ないというメリットもあります。その反面、癖が強い味のものが多く、飲みにくさを感じる人も多いという点がデメリットです。

3-2.漢方における神経痛の考え方

漢方医学における考え方に「気」「血」「水」というものがあります。「気」は神経の働き、「血」は血行、「水」は水分代謝を意味し、このバランスが乱れると病気を引き起こしやすくなると考えられているのです。つまり、漢方では、神経の働きと血行、水分代謝の働きを整えることで、神経痛を根本的に改善できるということになります。

3-3.向いている人とは?

漢方薬は生薬を組み合わせて作られたものであるため、副作用が少なく体にやさしいのが特徴です。しかし、効果を実感するためには長期間飲み続けることが必要なものも多いでしょう。そのため、毎日飲み続けることができる人、体質改善を目的としている人が、漢方治療に「向いている」と言えます。

3-4.注意点

漢方薬は、その人の体質や体調に合わせて処方されます。体質に合わないものを飲むとマイナスに働くこともあり、場合によっては肝機能障害を引き起こす可能性もあるのです。そのため、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談した上で処方してもらうことをおすすめします。

4.神経痛の漢方効果

では、神経痛に効果がある漢方薬にはどのようなものがあるのでしょうか。市販の漢方薬についてもご紹介します。

4-1.効果がある漢方薬は?

神経痛に効果的な漢方薬をいくつかご紹介します。

4-1-1.芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

痛みを緩和する作用を持つ「芍薬」と「甘草」の2種類からなる漢方薬です。筋肉の緊張をほぐし、痛みを和らげる効果があります。神経痛のほかにも、けいれんを伴う筋肉痛や腰痛、肩こり、生理痛などに効果的です。

4-1-2.疎経活血湯(そけいかっけつとう)

「唐帰」や「竜胆」「生姜」などの生薬が配合されており、冷えている部分を暖めることで痛みを改善する効果があります。特に、夜間痛みが強くなる場合に効果的です。

4-1-3.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

「芍薬」や「茯苓」「白朮」などの生薬が配合されている漢方薬です。体を温めながら痛みを和らげる効果があり、神経痛のほかにも生理痛などに使用されます。

4-2.種類、成分など

神経痛の痛みにもさまざま種類があります。「雨の日だけ痛みが強くなる」「鈍い痛みが長期間続いている」「突然強い痛みに襲われる」などさまざまです。そういった症状に合わせて漢方薬を選ぶ必要があるでしょう。漢方薬に使われる成分で痛みの緩和に役立つものには「芍薬」や「生姜」「甘草」「防風」などがあります。それぞれ効果を発揮する痛みの種類が異なるため、しっかり確認してから選ぶようにしましょう。

4-3.効果について

「本当に漢方薬で神経痛を改善できるのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。即効性のないものが多いのは確かです。長く飲み続けることでゆっくりと効果が現れるため「本当に漢方薬のおかげで症状が改善されたのか分からない」と思う人もいるのではないでしょうか。しかし、やはり神経の疾患には漢方が有効であると言われています。実際に漢方薬の効果で神経痛の症状が緩和した人もたくさんいるのです。ただし、効果を実感するためには、自分の症状や体質に合った漢方薬を選び、より効果を発揮できる正しい飲み方を把握しておきましょう。

4-4.市販の漢方薬について

最近は街中のドラッグストアなどでも漢方薬を購入できるようになりました。値段も病院で処方されるものと大差ありません。しかし、市販の漢方薬は万人に効果が出やすいものになっているのが特徴です。そのため、自分の体質や症状に合っているかどうかは分かりません。市販の漢方薬を購入する際は、漢方専門の薬剤師がいる薬局を選ぶのがおすすめです。

4-5.そのほか注意点

「漢方薬には副作用がない」と思っている人も多いでしょう。しかし、まったく副作用の心配がないわけではありません。倦怠(けんたい)感や胃もたれ、むくみなどの副作用が出る場合もあるのです。どのような副作用が考えられるのかを事前に把握しておき、症状が出たらすぐに服用をやめるようにしましょう。

5.神経痛に用いられる漢方薬の購入方法・飲み方

神経痛に効く漢方薬の購入方法・飲み方をまとめてみました。

5-1.漢方薬局への相談が必要

漢方薬は素人が自己判断で選ぶと十分な効果が出ないこともあります。そのため、漢方薬局を利用して購入するのがおすすめです。漢方薬局とは漢方薬を専門に扱う薬局のことで、専門の薬剤師がカウンセリングを行い、患者に合った漢方薬を処方してくれます。より高い効果を期待するなら、漢方薬局で相談してみましょう。

5-2.選び方の注意点

一人一人の体質や症状によって適切な漢方薬は異なります。同じ効果の漢方薬であっても、体質が違えば効果の現れ方も違うのです。そのため、まずは自分の体質を把握するために、漢方薬剤師のカウンセリングを受けることをおすすめします。また、飲み合わせについても注意が必要な漢方薬があるため、十分注意しましょう。

5-3.使用方法

漢方薬は味に癖があるものが多いため、牛乳やジュースなどで飲もうとする人も多いでしょう。しかし、生薬成分と反応して十分な効果が得られなくなる可能性もあります。そのため、必ず水か白湯(さゆ)で飲むようにしてください。錠剤など飲みやすい漢方薬もあるため、確認してみるとよいでしょう。服用のタイミングは、基本的に食前・食間です。胃の中が酸性になっている空腹時に飲むと吸収がよくなります。

5-4.使用期間と期限について

慢性的な症状の場合、漢方薬の服用は長期にわたることになるでしょう。使用期間については自己判断でやめるようなことはせず、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。また、漢方薬にも使用期限があります。期限が過ぎたものは服用しないようにしてください。湿気を吸って品質が変わっている可能性があります。

5-5.価格

漢方薬局を利用して漢方薬を購入する場合、価格は薬局によって異なります。医師の処方箋がない場合は基本的に保険適用外になるため、事前に確認しておきましょう。漢方相談薬局の「十字屋平蔵薬局」では、1日分500円前後で漢方薬の販売を行っています。まずは無料相談を利用して、どのくらいの期間服用が必要なのかなど相談してみるとよいでしょう。

5-6.漢方薬局の選び方

漢方薬は今や身近なものになってきているため、漢方薬局も全国に増えてきています。その中から自分に合った薬局を選ぶことができるように、以下のポイントを参考にしてください。

  • 利用者の評判がよい
  • 実績が豊富である
  • 料金体系が分かりやすい
  • 無料相談を受け付けている
  • 手軽に利用できるシステムになっている

5-7.相談窓口

「十字屋平蔵薬局」では、無料相談を受け付けています。西洋薬にも詳しい薬剤師が相談を受け付けており、症状や体質、適切な漢方薬についてアドバイスしているため、ぜひ利用してみてください。

6.神経痛に効く漢方薬に関するよくある質問

「神経痛に効く漢方薬について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

Q.肋間(ろっかん)神経痛と診断されました。原因は何でしょうか?
A.肋間(ろっかん)神経痛の原因を特定するのは難しいと言われています。不適切な姿勢やストレス、疲労によって起こることが多く、一時的な症状である場合がほとんどでしょう。

Q.雨が降ると神経痛がひどくなるのはなぜですか?
A.神経痛に気温や気候が関係しているかどうかははっきり分かっていません。ただし、血流が悪くなることで筋肉が硬化することが影響するということは確かです。天候が悪くなると体が冷え、血流が悪くなることで痛みが悪化している可能性はあるでしょう。

Q.神経痛で受診したところ、西洋薬と漢方薬を両方処方されました。同時に飲んでも問題ありませんか?
A.ほとんどの漢方薬は西洋薬と併用できるため、病院で処方されたものであれば問題ないでしょう。ただし、中には飲み合わせに注意が必要なものもあります。自己判断はせず、医師や薬剤師に相談するようにしてください。

Q.坐骨(ざこつ)神経痛の痛みを和らげるために市販の鎮痛剤を飲むのはやめた方がよいですか?
A.市販の鎮痛剤を飲めば一時的に痛みは和らぐでしょう。しかし、慢性的な症状に対して自己判断で市販薬を飲むのはおすすめできません。ただし、病院に行く前の一時しのぎとして使う分には問題ないでしょう。

Q.漢方薬を飲むだけで神経痛は治りますか?
A.体質や症状に合った漢方薬を服用すると同時に、普段の生活でも注意して過ごすことが大切です。できるだけ一定の姿勢を続けない、痛みがあるときは安静にするなど、再発と悪化を防ぐために心がけることはたくさんあります。

まとめ

神経痛に効く漢方薬について詳しくご紹介しました。神経痛の痛みはつらいものです。ひどいときは日常生活にも影響を及ぼすことになるため、早めに対処することをおすすめします。特に、漢方薬は神経痛に効果があることで知られているため、自分に合ったものを見つけるとよいでしょう。ぜひこの記事を参考にして、漢方薬選びについて知ってください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局