漢方が腸内細菌に効くって本当? 腸内フローラを整えて健康な体に!

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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漢方が腸内細菌に効くことをご存じでしたか? 私たちの腸内には、さまざまな種類の細菌が増殖しており、その様相を「腸内環境叢(そう)」または「腸内フローラ」と呼びます。腸内フローラの環境を良好に保つことは、私たちの健康を維持するために重要です。腸内環境の乱れは万病の元となります。重大な病気の原因になることもあるため、腸内フローラのバランスを維持し続けなければならないのです。そして、そのために漢方薬が効果的であるということが分かっています。なぜ漢方が腸内細菌に効くのか、より効果的に飲むにはどうしたらよいのか、ぜひ知ってください。この記事では、腸内細菌と漢方の関係をまとめています。

  1. 腸内細菌の基礎知識
  2. 腸内細菌と漢方について
  3. 腸内細菌と漢方生薬について
  4. 腸内環境を改善するための漢方の飲み方ともらい方
  5. 腸内細菌と漢方にかんするよくある質問

この記事を読むことで、漢方が腸内細菌に対して発揮する力について分かるはずです。漢方で腸内環境を整え、健康的な毎日を手に入れましょう。

1.腸内細菌の基礎知識

まずは、腸内細菌について解説します。その働きや体への影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

1-1.腸内細菌とは?

腸内細菌とは、腸に棲(す)み付く「菌」のことです。私たち人間の腸内には、100兆個もの細菌がいると言われています。そのうち、体によい影響を与えるものを「善玉菌」、悪い影響を与えるものを「悪玉菌」と呼ぶのです。このほかに「日和見菌」と呼ばれる細菌もいます。日和見菌は、善玉菌が強いときは何もしないのですが、悪玉菌が強くなると一緒に悪さをする菌です。通常、健康な人の腸内フローラは、一定のバランスで維持されています。

1-2.働きと重要性

善玉菌と悪玉菌の働きを具体的にご紹介します。

1-2-1.善玉菌

善玉菌は、私たちの健康に役立つ働きをします。ビフィズス菌や乳酸菌などが代表的な例であり、悪玉菌増殖の抑制やビタミンの生産、免疫の活性化などが主な役割です。人間の免疫細胞は、その7割が腸に存在していると言われています。善玉菌によって腸の免疫細胞が刺激されると、免疫を活性化できるのです。つまり、腸内環境をよくすることで病気に強い健康な体を作り出すことができます。

1-2-2.悪玉菌

悪玉菌は私たちの健康にとって有害な働きをする菌です。アンモニアや硫化水素などの有害物質を生産し、便秘や腹痛を引き起こす原因となります。そのほかにも、肌荒れや疲労感、だるさなどが生じやすくなるのです。

1-3.体への影響や関係について

健康な人の腸内細菌は、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割存在しています。何らかの要因によってこのバランスが崩れ、悪玉菌が優勢の状態になるとどうなるでしょうか。体の免疫機能は低下し、病気やアレルギーなどを引き起こすことになるのです。このように、腸内細菌は腸だけでなく、全身に影響を及ぼす存在だということを覚えておきましょう。

2.腸内細菌と漢方について

腸内細菌のバランスを整えて腸内環境をよくするためには、漢方が効果的と言われています。その関係について解説しましょう。

2-1.漢方、漢方薬とは?

漢方とは、中国の伝統医学が日本に伝わったものです。その後は日本人の体質に合わせて独自に発展してきました。考え方の基礎にあるのは「体のバランスを整える」ということです。西洋薬のように化学的に合成された成分からできているものではなく、生薬の組み合わせによって作られています。局所から全身まで広く働き、体が本来持っている働きや治癒力を高めるために作用するのです。

2-2.漢方と腸内細菌の関係

漢方薬の成分は生薬です。生薬に含まれる「配糖体」は、腸内環境によって分解され、初めて薬としての効果を発揮します。つまり、配糖体を分解するためには、おなかの中に腸内細菌が棲(す)んでいる必要があるのです。そして、漢方の効き方は腸内細菌の数によって異なります。腸内細菌の数が漢方薬の効き目に影響しているという事実は、知らない人も多いのではないでしょうか。さらに、最近では漢方薬が腸内細菌叢の乱れを改善する働きがあるという研究がされています。生活習慣の見直しとともに漢方薬を活用し、腸内環境を整えてみてはいかがでしょうか。

3.腸内細菌と漢方生薬について

では、腸内細菌に効く漢方生薬にはどのようなものがあるのかご紹介します。漢方薬を選ぶときは、以下の生薬が含まれているものを選ぶのがおすすめです。

3-1.大黄(だいおう)

大黄(だいおう)は古くから薬として使われてきた生薬で、ほかの生薬と組み合わせることで強い薬効を奏すことから「将軍」という異名があります。便秘解消の効果にすぐれており、市販の漢方便秘薬の多くに配合されているのが特徴です。下剤作用以外にも、吐血や消炎作用があることで知られています。

3-2.甘草(かんぞう)

市販漢方薬の多くに配合されている生薬で、主に痛みを和らげる作用があります。大黄(だいおう)とともに配合することで、便秘の痛みを緩和する効果が期待できるでしょう。急な下痢や腹痛・食欲不振などにも用いられます。

3-3.芍薬(しゃくやく)

芍薬(しゃくやく)は、中国で古くから薬用として利用されていた植物です。筋の痛みや緊張を緩め、血行不良の腹痛に効果を発揮します。腹部の冷えが原因で下痢や腹痛が起きているときは、この生薬を含んだ漢方薬がおすすめです。

4.腸内環境を改善するための漢方の飲み方ともらい方

腸内環境改善に効果的な漢方の飲み方ともらい方についてご紹介します。

4-1.漢方薬局に相談しよう!

最近は漢方薬を処方する病院も増えてきており、漢方がより身近なものになってきました。しかし、腸内環境を整えるために病院を受診することはまずないでしょう。そこで、漢方薬局を利用して漢方薬を購入する方法をおすすめします。漢方薬局とはその名のとおり、漢方薬を専門に取り扱う薬局のことです。漢方の知識が豊富な薬剤師がカウンセリングを行い、患者さん一人一人に合った漢方薬を処方します。漢方薬は体質や症状に合ったものを飲む必要があるため、素人が自己判断で選ぶのは危険です。専門的な知識を持つ漢方薬剤師に相談して、自分にとってより高い効果が期待できるものを選ぶ必要があります。

4-2.選ぶ際の注意点

同じ効果の漢方薬であっても、患者さん一人一人の体質や症状によって適切なものは異なります。たとえば、体力がない人や冷えやすい人などには、その体質に合った漢方薬が処方される必要があるのです。まずは漢方薬剤師と相談して自分の体質を把握し、どの漢方薬が合っているのか知ってください。また、飲み合わせにも注意が必要です。複数の漢方薬を同時に服用する場合は、同じ生薬が含まれているものだと効果を打ち消してしまうこともあります。

4-3.使用方法

漢方薬は、基本的に食前・食間に服用します。空腹時は胃の中が酸性になっているため、生薬の吸収がよくなるのです。服用の際は、水か白湯(さゆ)で飲むようにしてください。濃いお茶や牛乳、ジュースなどで飲むと生薬成分と反応してしまうことがあります。

4-4.使用期間、期限について

漢方薬の使用期間については、医師や薬剤師の指示に従ってください。慢性的な症状の場合は長期間の服用が必要になることもあります。また、漢方薬にも使用期限があるということを忘れないでください。以前飲み残したものがあまっていても、使用期限の過ぎたものは服用しないようにしましょう。数か月たてば湿気を吸って品質が変わっているはずです。薬局で購入する場合は容器に使用期限が記載されているため、必ず確認しましょう。

4-5.価格

医師の処方箋がない場合は、基本的に保険の適用外になります。価格は漢方薬局によって異なるため、事前に確認しておきましょう。漢方相談薬局の「十字屋平蔵薬局」では、1日分500円前後で漢方薬を販売しています。1か月分だと15,000円前後になるでしょう。

4-6.漢方薬局の選び方

漢方薬局は年々増え続け、現在は全国各地に複数あります。その中から自分に合った薬局を選ぶ必要があるでしょう。以下のポイントを薬局選びの参考にしてください。

  • 実績が豊富である
  • 料金体系が分かりやすい
  • 無料相談を受け付けている
  • 親切で丁寧な対応をしてくれる

4-7.市販の漢方薬について

最近はドラッグストアでも漢方薬を購入できます。しかし、市販の漢方薬は個人の体質や体調に合わせて処方されたものではないため、効果の表れ方に不安があるでしょう。知らず知らずのうちに自分に合わない成分を摂取している可能性もあるのです。必ず漢方薬剤師がいる漢方薬局で購入することをおすすめします。

4-8.相談窓口

「十字屋平蔵局」では、電話やメールで無料相談を受け付けています。西洋薬の知識も持つ薬剤師が的確なアドバイスをいたしますので、ぜひ利用してください。もちろん、相談だけの利用も可能です。ホームページのフォームから無料相談の申し込みができますので気軽にチェックしてみてください。

5.腸内細菌と漢方にかんするよくある質問

「腸内細菌と漢方について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

5-1.腸内環境のバランスが崩れる原因にはどのようなものがありますか?

A.加齢や食習慣、ストレスなどがあります。改善のためには、野菜中心の食生活を心がけ、適度な運動を取り入れる必要があるでしょう。また、ストレスをためこまないように発散方法を見つけることも大切です。

5-2.腸内環境が悪化するとどのような症状が現れますか?

A.便秘や肌荒れ、頭痛、不眠などが現れます。また、免疫力が低下することで、さまざまな病気を引き起こしやすくなるでしょう。発がん物質も増殖しやすくなるため、がんの発病率も高くなります。

5-3.悪玉菌を増やす食べものにはどのようなものがありますか?

A.肉類やファーストフード、レトルト食品、スナック菓子などを食べ過ぎると悪玉菌が増える原因になります。善玉菌を増やすためには、発酵食品や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを積極的に食べるようにしましょう。

5-4.腸内細菌に効果を発揮するためには、漢方薬をどのくらい服用する必要がありますか?

A.漢方薬には効果を発揮するまでに時間がかかるものとそうでないものがあります。症状が現れてからの期間や治したい症状によっても服用期間は異なるため、医師や薬剤師とよく相談してください。

5-5.腸内環境を整えるために漢方薬を処方されました。副作用の心配はありますか?

A.一般的には、漢方薬は副作用が少ないと言われています。しかし、まったくないというわけではないのです。自分が服用している漢方薬にはどのような副作用が出る可能性があるのか、事前にしっかり確認しておきましょう。そして、副作用が現れた際にはすぐに医師や薬剤師に相談して服用をやめてください。

まとめ

いかがでしたか? 腸内細菌の働きや影響、漢方薬による腸内環境の整え方について詳しくご紹介しました。腸内環境が悪いとさまざまな体調不良の元になります。改善するためには、生活習慣や食生活の見直しとともに、漢方薬を使用する方法がおすすめです。漢方薬にはどのような効果があるのかを知り、正しく服用してください。ぜひこの記事を参考にして、健康的な腸内環境を取り戻しましょう。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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