内臓脂肪を漢方で減らす方法とは? 4項目の時短記事

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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内臓脂肪は目に見えません。したがって、ある日突然、健康診断でメタボリックシンドロームといわれる可能性もあるのです。現在、多くの方が内臓脂肪を減らす方法を探し、食生活に気を付けています。ですが、簡単かつ効率よく内臓脂肪を落としたいとは思わないでしょうか? その方法を突き詰めていくと“漢方”の存在が欠かせません。そこで、今回は内臓脂肪と漢方について4つの項目でまとめてみました。

  1. 内臓脂肪の基礎知識
  2. 漢方と内臓脂肪について
  3. 内臓脂肪を治療する漢方薬について
  4. 漢方薬の飲み方とは? どうやってもらうの?
  5. 内臓脂肪と漢方にかかわるよくある質問
  6. まとめ

記事を最後までお読みいただければ、内臓脂肪は漢方で減らすことができるとわかります。漢方について詳しくない方でも、どこで処方してもらうのか等、基本情報を併せて解説していますので必見です。

1.内臓脂肪の基礎知識

「内臓脂肪って何?」と聞かれて即答できるでしょうか? 少しでも言葉に詰まった方は、ぜひこの項をご覧ください。基本情報をわかりやすくまとめています。

1-1.内臓脂肪とは?

内臓脂肪は内臓の周りに付いた脂肪です。女性より男性の方が内臓脂肪は付きやすいといわれています。似た名称で皮下脂肪がありますが、内臓脂肪以外の脂肪を皮下脂肪と呼ぶため、脂肪ですが違うものです。お腹(なか)をつまんだときに、そのつまめたが部位が皮下脂肪であり、内臓脂肪は体の内部に蓄積しているので触れることはできません。お腹には肝臓や腎臓、胃や腸といった臓器が集中しています。内臓脂肪が増えるとお腹がポッコリと膨らんでしまい、健康診断などで生活習慣病メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断を受ける要因になってしまうのです。内臓脂肪は体質で蓄積しやすい方もいますが、多くの場合、原因は普段の食生活となります。脂っこいものを好んで食べたり、毎日晩酌をしたりしている方は要注意です。皮下脂肪と違い、内臓脂肪はあまり見た目に現れません。したがって、痩(や)せているのに内臓脂肪が多いという“隠れ肥満”の方もいるのです。

  • 食べるのが早い
  • 夜中に食事をする
  • 毎日の食生活が不規則
  • 湯船につからずシャワーだけですませてしまう人

上記の方は内臓脂肪に注意してください。「胴回りが太くなってきたな」と感じたら、一度健康診断を受けるか、市販のヘルスメーターで内臓脂肪の状態を確かめてみましょう。内臓脂肪が増えるのを放置してはいけません。糖尿病・高血圧・高脂血症といった生活習慣病の要因となり、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの重い病気を引き起こす可能性があります。

1-2.内臓脂肪の主な治療方法とは

「脂肪を減らす」と聞いて最初に思い浮かべるのはダイエットだと思います。内臓脂肪に“運動”と“食生活の見直し”は大変効果的です。ジョギングなどの有酸素運動をはじめ、水泳も体の内臓脂肪を減らすのに推奨できます。食事は緑黄色野菜をメインにして、オクラやヤマイモといった“水溶性の食物繊維”を積極的に取るように心がけてみてください。基本、食べる量は“腹7~8分目”です。食べ過ぎは胃腸に負担をかけ、正常に消化できずに脂肪となる場合があるので避けましょう。そのほか、病院で内臓脂肪を測ってもらい、食事・運動の指導を受けることもできます。

2.漢方と内臓脂肪について

漢方の解説に移ります。漢方では内臓脂肪をどのようにとらえているのでしょうか? 病院の薬と併用可能かなど、気になる情報をまとめます。

2-1.漢方の内臓脂肪治療の考え方

漢方薬は病や体の不調を根源から治そうとします。漢方は東洋医学であり、病院などの西洋医学とは少しばかり異なるので覚えておきましょう。漢方において、体は「気・水・血の巡り」によって健やかにたもたれているとします。どこかファンタジーなニュアンスを感じるかもしれませんが、要するに体を動かす微弱な電気信号や血流といった事柄です。この巡りが悪くなると五臓六腑(ごぞうろっぷ)のバランスが崩れ、肥満や肌荒れといった軽い症状をはじめ、生活習慣病などの病気になると見なします。内臓脂肪に対しても同じ認識です。内臓脂肪を「直接減らす」ことには注目しません。普段の生活の中で、脂肪を減らすために働くべき「体の機能を正常に戻す補助」を漢方は担います。

2-2.漢方薬と「証」について

漢方では体質を“証(しょう)”と呼びます。漢方薬はこの証を診て、体力や抵抗力の状態を判断するのです。弱まっていれば“虚証”とし、問題なければ“実証”といいます。 2つの間に“中間証”という証もあるので、ぜひ覚えておいてください。

2-3.漢方治療の特徴

漢方はいつ飲み始めても構いません。「最近太ってきたな」と感じてからでも十分に間に合います。ただ、効果が現れるのには個人差があり、基本的には2~3週間、人によっては1~2か月ほど経(た)ってから実感する方もいるでしょう。内臓脂肪において、漢方では即効性はありませんので、生活習慣を見直し、継続して飲むことが肝心です。

2-4.病院の治療と同時に飲んでもいいか

結論から述べますと、西洋薬との併用はおすすめできません。漢方薬は「体質に合っているか」「効果はあるのか」という点を経過でも判断します。つまり、漢方薬を飲みながら病院での投薬治療を受けると判断しづらくなるのです。そのほか、よく勘違いされますが、漢方は西洋薬の補助ではありません。漢方薬自体が1つの薬です。成分が強いものもあれば、副作用をもたらす強い漢方薬も存在します。西洋薬と併用することで「どちらの効果も弱まる」または「効かない」といった可能性を否定できません。

2-5.注意点

証に限らず、体格でも処方する漢方薬は変わります。自分に適した漢方薬を飲むことで、大きな効果を得ることができるからです。したがって、市販の漢方薬も悪くはありませんが、可能な限り漢方薬局で問診を受け、処方を受けるようにしてください。漢方薬局については後述します。

3.内臓脂肪を治療する漢方薬について

内臓脂肪を減らすにはどんな漢方薬が良いのでしょうか? この項では代表的な漢方薬について解説します。

3-1.種類

内臓脂肪を減らすのに用いられる代表的な漢方薬を紹介します。内臓脂肪の程度によって効果に違いが現れるので、一緒に覚えておきましょう。

3-1-1.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

体力がある方に推奨できる漢方薬です。内臓脂肪の減少をはじめ、肥満による肩こりや体のむくみ、便秘や蓄膿症(ちくのうしょう)にも効果があるとされます。肥満に悩んでいる方には、症状の程度を問わずおすすめです。適度な運動と合わせることでより効き目があります。主な成分は下記です。

  • 生姜(しょうきょう)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 甘草(かんぞう)
  • 桔梗(ききょう)
  • 薄荷(はっか)
  • 麻黄(まおう)
  • 当帰(とうき)

防風通聖散は一般的に“18種類”の原材料を元にしており、不要な添加物を使用していないので健康的です。蓄積した毒素を体外に出す力があります。

3-1-2.九味半夏湯(くみはんげとう)

胃腸の調子を整え、血行を良くしてくれる漢方薬です。“痩せる漢方薬”ともいわれており、肥満の予防と改善に優れています。過食などで蓄積した内臓脂肪も減らす作用があるので、すでにメタボリックシンドロームと診断を受けた方にもおすすめです。下記に主な成分を挙げます。

  • 生姜(しょうきょう)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 升麻(しょうま)
  • 猪苓(ちょれい)
  • 沢瀉(たくしゃ)
  • 甘草(かんぞう)
  • 半夏(はんげ)
  • 橘皮(きっぴ)
  • 柴胡(さいこ)

3-2.効果について

漢方薬に「内臓脂肪を減らす」という効果はありません。たとえば、「血行を良くする」という効能で、内臓周りで滞っていた血の循環を正し、脂肪の排出をうながすのです。

  • 代謝を良くする
  • 胃腸の調子を良くする
  • 体を巡る水分を正常に戻す

上記の事柄は、前項で紹介した漢方薬の効果です。こういった効能を組み合わせ、量を調整することで患者さんに適した漢方薬を作ることができます。

3-3.注意点

“治療”と聞くと、すぐに内臓脂肪をやっつけてくれる気がするかもしれません。しかし、内臓脂肪を減らす漢方薬は、あくまで“生活習慣を見直す補助”と認識しましょう。もちろん、漢方薬の効果は大きいです。ですが、漢方薬だけを飲んでいても不規則な生活を送っていては、内臓脂肪を減らすことはできません。規則正しい生活があってこそとなります。くれぐれも“内臓脂肪を落とす薬”とは思わないようにしてください。

4.漢方薬の飲み方とは? どうやってもらうの?

漢方薬が初めてという方には、ぜひ見ていただきたい項です。使用方法や値段、使用期限などの基本情報を掲載しています。

4-1.漢方薬局への相談が必要

漢方はドラッグストアで購入することもできますが、街の漢方薬局に行かれることをおすすめします。漢方薬が証(体質)に合わせて処方されることは前述しました。漢方薬局は問診で生活習慣などの“その人だけの環境”を尋ね、最適な漢方薬を処方します。漢方薬局がピンとこない方は十字屋平蔵薬局のホームページをご覧ください。当店があるのは西東京市です。また、「自分の症状に漢方薬は適しているのか」といった疑問にも無料でお答えしています。質問フォームに記載のうえ、お送りください。お電話でもご相談可能です(0120-982-566)。

4-2.注意点

漢方薬局で漢方薬を購入されるときは、直接店舗に足を運んで相談してください。通販で販売されている漢方薬もありますが、体に合わない可能性があります。もしくは、幅広い方に効果があるように効能を押さえている可能性も否めません。漢方薬局はその人に適した漢方薬を処方します。病院と同じです。きちんと診察を受けましょう。

4-3.使用方法

漢方薬といっても使用方法は病院の薬と変わりません。特別難しい飲み方もありませんし、西洋薬と同じで飲む時間帯も決まっています。そのため、漢方薬局で説明される時間帯を守り、自己判断で飲むのをやめたり、あとで飲んだりすることはやめましょう。なお、漢方薬にはお湯で煮だすタイプもありますが、こちらも漢方薬局で煎(せん)じる方法を教えますのでご安心ください。

4-4.使用期間と期限は?

こちらも病院の薬と相違はありません。1週間分でしたら1週間で飲みきってください。残った分を保存し、あとで飲むことはやめましょう。漢方薬は“そのときの体質”に合わせて処方するので、生活習慣などで体質が少し変わると効き目がない場合もあります。そのほか、漢方薬は湿気等でカビが発生することもあるため、保管場所には注意してください。

4-5.価格

漢方薬は生薬をはじめ、粉末や丸薬など、安価なものから高級品まで幅広く用意されています。粉末でしたら300円~、煎じ薬でも500円前後~という値段が一般的です。ただし、前述した値段はおよそ1日分ですので、1週間などの期間で考えると少し高く感じるかもしれません。

4-6.漢方薬局の選び方のポイント

「親身に相談に乗ってくれるか」という点に注目してください。漢方薬は口に入れるものですし、個人に合わせて調合します。体の状態を細かく知るには問診が欠かせません。漢方薬局に直接行き、説明をきちんとしてくれるか見定めてください。ホームページを閲覧して、初心者にもわかりやすく情報をまとめているか調べるのも良いでしょう。

4-7.相談窓口

十字屋平蔵薬局では相談窓口をご用意しています。漢方にかかわる質問や疑問のある方は、お気軽にお問い合わせください(0120-982-566)。

5.内臓脂肪と漢方にかかわるよくある質問

この項ではインターネットを介して寄せられるお問い合わせ内容をまとめてみました。内臓脂肪と漢方についてお悩みの方は参考にしてみてください。

Q.漢方の気・血・水とは具体的になんですか?
A.簡単に説明しますと、“気”は生命活動の源でエネルギーとなります。“血”は文字どおり全身を巡る血液です。そして、血液以外の体液や働きを“水”としています。

Q.漢方薬に保険は使えるのでしょうか?
A.自分の判断や漢方薬局の推奨で購入される場合は適用されません。病院で処方されることもありますが、このケースでしたら適用する場合もあります。

Q.内臓脂肪の燃焼にカフェインが良いと聞きますが、コーヒーを飲んでも漢方薬に影響はないのでしょうか?
A.確かに、カフェインは脂肪の分解を促進する効果があるとされます。食後にコーヒーを飲むのもそのためです。けれど、漢方薬の観点でいえば好ましくありません。体質に合わせて処方するため、カフェインなどの刺激物に影響を受けやすいのです。効果が薄まるだけでなく、効き目がなくなってしまう可能性もあります。コーヒーが好きな方は漢方薬局で相談してみてください。飲む時間帯などを考慮して、何かご提案できると思います。

Q.内臓脂肪は肉を控えれば減らすことができる?
A.「脂肪=肉」という構図を思い浮かべる方は多いです。確かに脂身の多い肉は脂肪になりやすく、一見すると内臓脂肪に直結する気がするでしょう。けれど、完全に断つ必要はありません。豚肉にはビタミンB群が豊富に含まれており、脂質や糖の分解をサポートしてくれます。食べ過ぎはダメですが、適度に取るぶんには大いにおすすめです。

Q.夜勤で食事を夜中に取ることが多いのですが、内臓脂肪を考えると食べない方が良いのでしょうか?
A.食べたエネルギー分、体を動かして消費しているのであれば大丈夫です。消費できずに体に残ったエネルギーが脂肪となります。ただ、人の体は太陽の動きに合わせて作られており、夜中は体を休める時間です。あまり高カロリーな食事は控えましょう。そのほか、夜中の食事が続く場合は、たまに食事を絶つことで胃腸を休めることができます。自分の体に合わせたやり方で検討してみてください。

6.まとめ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。内臓脂肪と漢方についてわかりやすく解説したつもりですが、疑問は解消したでしょうか? 漢方薬は風邪や高血圧の治療として使われるほか、健康の維持として人気があります。漢方薬になじみがない方はピンとこないかもしれません。ですが、実は普段何気なく口にしている食事にも漢方の原料が使われている場合があります。山椒(さんしょ)が良い例で、冷え症に効果的です。漢方薬は、こうした体に良い効果をもたらす生薬などを配合して作っています。本記事を参考に、ぜひ漢方薬で体の証を整えてみてください。内臓脂肪を減らすための体作りは可能です。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


十字屋平蔵薬局