胃炎を放置すると危ない! 胃炎の症状や原因・治療法を徹底解説

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「胃の調子がおかしい」「胃がもたれたように重い」など気になっている人は胃炎の可能性があります。胃炎は放置するとさまざまな悪影響をおよぼすでしょう。胃炎を治すためにも、正しい知識を身につけることが大切です。

そこで、胃炎とは何なのか、基礎知識や胃炎の種類、治療法など詳しく説明します。最近、胃の調子が良くないとお悩みの方は、ぜひチェックしてください。

  1. 胃炎の基礎知識
  2. 胃炎の種類
  3. 胃炎を伴う病気
  4. 胃炎の治療法
  5. 胃炎と食事について
  6. 胃炎とストレスについて
  7. 胃炎と生活習慣について
  8. 胃炎についてよくある質問

この記事を読むことで、胃炎の基礎知識を身につけ、効率的な方法で治すことができます。

1.胃炎の基礎知識

効率的に胃炎を治すには胃炎について詳しく把握しなければなりません。まずは、胃炎の基礎知識を身につけていきましょう。

1-1.胃炎のメカニズム

胃は直接痛みを感じるほど敏感な臓器です。体の中に入った食べ物を消化し栄養を吸収しやすい状態に変えるところでもあります。敏感な胃だからこそ炎症を起こすとすぐに変化が訪れるでしょう。胃炎とは、胃が炎症を起こす症状のことです。バランスのとれた胃酸と胃粘液の分泌量が崩れると胃炎が起きます。胃酸の分泌量が増えると胃粘膜が傷つき、胃の痛み→炎症へとつながるのです。

1-2.胃炎の主な原因

胃炎の主な原因は暴飲暴食、医薬品による刺激、ストレス、化学的毒物などです。慢性胃炎の場合、ピロリ菌といったウイルス・細菌が原因になります。効率的に治すには原因を突き止めなければなりません。

1-3.胃炎の主な症状

胃炎の症状にはみぞおち付近の痛み、むかつき、熱、下痢、食欲不振、胃もたれ、げっぷなどがあります。胃の病気には何かしら症状が起きるものです。胃炎を治すためにもどんな症状が起きているのか自分でチェックしてみてください。

1-4.胃炎になりやすい人

胃に負担のかかる生活を送っている人ほど胃炎になりやすいです。たとえば、不規則な食生活、アルコールの過剰摂取、ストレスを感じる生活など当てはまる人は胃の調子が悪くなるでしょう。さらに、喫煙者も胃炎になりやすい傾向があります。

2.胃炎の種類

胃炎といっても急性胃炎や慢性胃炎などさまざまな種類があります。自分が当てはまる胃炎はどんな種類なのか、ぜひチェックしてみてください。

2-1.急性胃炎

急性胃炎とは日常的に起こりやすい胃粘膜の炎症です。急に症状が現れるケースが多いため、急性胃炎と呼ばれています。よくある症状としては、胃の痛み、むかつき、吐血、吐き気などです。また、急性胃炎の原因は暴飲暴食やストレスなどがあげられます。

2-2.慢性胃炎

慢性胃炎は胃炎の長期化によって起こる病気です。何度も胃炎をくり返す特徴を持っています。そのため、胃粘膜が萎縮してしまい、胃液・胃粘膜が分泌できない環境になってしまうのです。慢性胃炎の原因は、ピロリ菌感染だといわれています。

2-2-1.ピロリ菌との関係

慢性胃炎をもたらす「ピロリ菌」とは、一体どんな菌なのでしょうか。ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」です。胃の粘膜に住みついている菌であると同時に、悪い菌でもあります。ピロリ菌が胃粘膜に感染すると炎症が起こって胃炎になるのです。ほとんどのケース、0歳~5歳の幼いころにピロリ菌が感染するといわれています。子どもが食事を拒否した場合、胃の不快感や痛みを感じているのでしょう。もし、感染した場合は医療施設で除菌しなければなりません。また、大人になって感染すると激しい痛みに襲われます。

2-3.神経性胃炎

ストレス社会といわれている現代、ストレスの影響による神経性胃炎を起こす人が増えてきました。神経性胃炎の症状は吐き気や痛みだけでなく、眠れない、胃炎の薬が効かないなど精神面への影響が特徴的です。

2-4.萎縮性胃炎

胃が萎縮性変化を起こすと萎縮性胃炎になります。萎縮性胃炎は慢性胃炎の1種です。胃の萎縮が起き始めると胃の色がくすむ、すぐに胃が痛くなるといった症状が起こります。萎縮性胃炎は放置すると胃がんにまで発展する可能性が出てくるでしょう。そのため、できるだけ早めに胃の萎縮を改善しなければなりません。

2-5.びらん性胃炎

胃の粘膜がただれる、えぐれた状態になるなどの特徴を持っているのがびらん性胃炎です。びらん性胃炎には急性と慢性の2種類があります。ほとんどのびらん性胃炎が急性になるでしょう。原因は細菌・ウイルスの感染、薬剤、タバコ・アルコールなどの刺激が考えられます。びらん性胃炎を放置すると胃潰瘍(いかいよう)や癌(がん)になる可能性が高くなるのです。

2-6.そのほか

ほかにも、「表層性胃炎」「肥厚性胃炎」という種類があります。2つともは慢性胃炎の1種です。若い人が発症しやすく、胃の表面だけが軽い炎症を起こしています。そして、「肥厚性胃炎」は炎症によって胃粘膜が厚くなるタイプです。胃液と胃粘膜の分泌量が増えてしまいます。よって、げっぷが出る、胸やけがする、胃もたれといった症状が出てきやすいです。

3.胃炎を伴う病気

胃炎を放置すると、命にまでかかわる病気につながります。また、逆に、ほかの病気から胃炎を発症するケースもあるのです。胃炎を治したい人は、胃炎を伴う病気について把握しておかなければなりません。

3-1.胃潰瘍

よく、忙しい毎日が続くとストレスによって胃潰瘍(いかいよう)になるケースがあります。胃潰瘍(いかいよう)は胃酸が胃粘膜まで消化してしまい、胃の壁が傷つきただれる病気です。主な症状としては、痛み、出血、過敏症状が出てきます。胃潰瘍の原因は主にストレス、過労です。胃潰瘍(いかいよう)を防ぐには自律神経のバランスが大切になるでしょう。

3-2.胃がん

日本の死亡率№1になっているのが「がん」です。胃がんは日本で最も2番目に多いがんだといわれています。胃がんは胃炎と密接に関係している病気です。胃炎を放置すればするほど、胃がんになるリスクが高まります。初期症状が非常にわかりにくいため、毎日の健康チェックと定期的検診が大きなカギになるでしょう。

3-3.ポリープ

名前は知っていても「ポリープ」について詳しく知らない人は多いでしょう。ポリープとは、上皮細胞から大腸までの管腔臓器(かんくうぞうき)に発生する「隆起性病変」です。つまり、臓器内に突出したような異物ができます。ポリープは病気の原因、診断を確定するための大切なものです。

3-4.そのほか

ほかの病気としては、十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)といった胃腸の病気があげられます。胃炎は胃もたれが起きるため、食事が十分にとれなくなってしまうでしょう。結果、体調不良や体重減少などにもつながります。胃の病気一覧は以下のURLで確認できるので、ぜひチェックしてみてください。

胃の病気一覧

4.胃炎の治療法

もし、胃炎になった場合、どんな治療法があるのでしょうか。治療法について詳しく見ていきたいと思います。

4-1.食事療法

胃炎の症状が軽症の場合、「食事療法」が基本になります。食事の改善をしながら胃の炎症を抑え、改善していくのです。暴飲暴食は避け、胃に刺激を与える食べ物を控えます。ビタミン・ミネラル・たんぱく質などバランスのとれた食事をとることで胃を正常に戻すことができるでしょう。また、胃炎の症状によっては絶食をして点滴で栄養補給をする治療法もあります。

4-2.薬物療法

胃炎の薬には「胃酸分泌抑制薬」「胃粘膜保護薬」「運動機能改善薬」の3つがあります。急性・慢性にかかわらず、薬物療法では3つの薬が処方されるでしょう。胃酸の分泌を抑える胃酸分泌抑制薬には、プロトンポンプ阻害薬、ヒスタミンH2受容体拮抗役などがあります。胃粘膜を保護する胃粘膜保護薬は胃粘膜の防御力・修復力を高めるもの、胃の運動機能を上昇させる運動機能改善薬はドパミン受容体拮抗役などが使われることになるでしょう。

4-2-1.市販薬

胃炎の薬は市販でも売っています。近くの薬局やドラッグストアで手に入れることができるでしょう。ただし、胃炎の状態がひどい場合は市販薬で対処できません。症状に合っていない市販薬を飲んでしまうと、逆に症状が悪化して胃炎の治療期間がのびる可能性もあります。

4-2-2.漢方薬

体質改善を目的とした漢方薬の中には胃炎の症状を緩和するものがあります。たとえば、萎縮性といった慢性胃炎に効果的だといわれているのが「六君子湯(りっくんしとう)」です。げっぷや吐き気が伴う場合は「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」、胸やけ・痛みがあるのなら「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」になります。胃炎の種類や症状によって漢方薬を使いわけることがポイントです。そのため、漢方薬を飲む際は漢方に詳しい漢方薬局、または病院に相談してください。

胃炎の漢方薬については以下のページを参考にしてください。
https://www.jujiya-kanpo.com/消化器疾患/胃痛・腹痛.html

4-2-3.副作用について、注意点

胃炎の治療薬を飲む前に知らなければならないのが「副作用」です。化学薬品が入っている薬には必ず副作用があります。胃炎薬の副作用としては排尿困難・口がかわく・口臭など、さまざまです。副作用の影響を受けないためにも、薬の正しい服用を守ってください。また、自分に合わないと思った薬はすぐに服用をやめましょう。

4-3.病院での治療について

今すぐ病院に行くべきなのか、それとも様子を見るべきなのか胃炎の対処に悩みますよね。そこで、病院に行くべきポイントや診断・治療方法について詳しく説明しましょう。

4-3-1.行くべきポイント

胃の具合が悪いとき、一向に調子が戻らないときは病院に行ったほうがいいでしょう。胃炎の症状が長引くほど体に大きな負担をかけてしまいます。心配なまますごすよりも原因を突き止めて対処したほうが安心です。悩み続けるストレスから症状が悪化するケースもあります。そのため、心配になったら病院に行ってください。

4-3-2.診断方法

胃炎の診断方法は検査と患者さんから得る情報によって診断されます。胃の痛みの程度や期間、痛みを伴っている場所、食事内容や生活習慣、服用している薬など問答することになるでしょう。そして、内視鏡検査や血液検査の結果と照らし合わせていきます。

4-3-3.治療方法

病院での治療方法は食事療法・薬物療法が主流です。もし、吐き気など症状がひどい場合は点滴による栄養補給もおこないます。患者さんの症状や体調に合わせた治療内容になるでしょう。

4-4.注意点

病院で治療を受けていれば安心と思うのは大間違いです。病院での治療はもちろんのこと、自宅でも生活習慣を改善していかなければなりません。基本の生活が規則正しくなければ、せっかくの受けた治療も台無しになってしまいます。生活習慣の改善など自分でできることをしながら専門の治療を受けていきましょう。

5.胃炎と食事について

胃炎と食事は密接な関係を持っています。胃は食べ物を消化する臓器だからこそ、食生活に気をつかっていかなければなりません。胃炎によい食べ物や食事の仕方、避けたほうがいい食べ物について説明します。

5-1.胃炎によいとされている食べ物

胃炎によいとされている食べ物は、胃への刺激が少ない食べ物になります。たとえば、ヨーグルト、納豆などです。ヨーグルトには胃腸の調子を整える乳酸菌が入っています。納豆には乳酸菌の働きを助けてくれる納豆菌が入っているのです。また、牛乳、豆腐、白身魚、だいこんなど消化しやすい食べ物も効果的でしょう。胃炎のときに効果的なレシピ、食事メニューなどは以下のページでチェックできますよ。

胃炎のときの食事メニュー

5-2.食事の仕方

胃炎の場合、食べ物だけでなく食事の仕方にも気をつけてください。たとえば、おなかいっぱいに食べるのはNGです。消化に時間がかかってしまうため、腹八分目を心がけましょう。また、食べ物は小分けにして食べるといいですよ。一気に食べるのではなく少しずつ食べることで、胃への負担を抑えることができます。

5-3.避けたほうがいい食べ物

逆に、避けたほうがいい食べ物は消化の悪い脂っこい食べ物です。焼き鳥、からあげ、ステーキなどおいしいですが胃炎のときは控えましょう。また、胃を痛めるアルコールもNGです。毎日飲んでいる人ほど胃炎になりやすいといわれています。胃や肝臓を休める日をつくるなど、体と相談しながら摂取してくださいね。

6.胃炎とストレスについて

神経性胃炎といった胃炎があるように、胃炎とストレスは強いつながりを持っています。胃の病気を治すにはストレスとうまく向き合うことが大切です。できるだけ、ストレスを受けない生活を心がけてください。ストレスを感じたときは自分なりの方法で解消しましょう。たとえば、リラックスできる音楽を聴く、アロマオイルをたく、ストレッチをするなどさまざまな方法があります。仕事でストレスを感じる人は休むことも大切ですよ。

7.胃炎と生活習慣について

生活習慣は私たちが思っている以上に、さまざまな病気へ影響を与えているものです。胃炎を効率的に治すためにも、胃炎と生活習慣の関係について見ていきましょう。

7-1.暴飲暴食はダメ

脂っこいものばかり食べる、お菓子を一気に食べるなど暴飲暴食は絶対にNGです。暴飲暴食は胃炎の原因になります。暴飲暴食をやめなければ胃炎を治すことはできません。精神的に暴飲暴食がやめられない場合は、内科だけでなく精神科への受診もおすすめします。

7-2.運動

適度な運動は胃腸の働きを活性化させることができます。軽いウォーキングやジョギングでもOKです。運動が苦手な人はお風呂あがりのストレッチをおすすめします。ストレッチでも十分に体の細胞を活性化させ血液の流れをよくしてくれるでしょう。消化機能も高まります。

7-3.睡眠不足

毎日睡眠不足が続いているとストレスが感じやすく、免疫力が低下します。消化機能にも悪影響をおよぼすため、毎日最低でも7時間は睡眠をとってください。まずは、寝不足状態を解消して規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。

8.胃炎についてよくある質問

胃炎についてよくある質問を5つピックアップしていきます。胃炎と向き合うためにも病気について詳しく知らなければなりません。

Q.ピロリ菌は親子感染するのか?
A.胃炎の原因になるピロリ菌は親子感染することが多いです。親がピロリ菌に感染していると子ども感染しやすくなるでしょう。子どもへの「口移し」が原因ではないかといわれています。

Q.胃炎の予防法は?
A.最も効果的な予防法は「規則正しい生活習慣」です。毎日十分に睡眠をとる、適度な運動をする、栄養バランスのとれた食事をする、以上の3点をきちんと守って生活すれば胃炎になりません。

Q.胃内視鏡検査を受けるタイミングは?
A.胃炎の検査方法に胃内視鏡検査があります。胃内視鏡検査を受けるタイミングがわからない人は、自分で起きている症状に注目してください。胃が痛む、むかむかする、胸やけがひどいなど当てはまる人は内視鏡検査を受けましょう。

Q.胃炎の検査・治療にかかる費用はどのくらい?
A.検査内容にもよりますが、胃炎の検査費用にはおよそ5,000円~必要になるでしょう。治療費は治療期間がのびればのびるほど高くなります。薬物療法、食事療法、入院など治療方法によっても異なるでしょう。詳しい治療費については病院で確認したほうが安心できます。

Q.胃炎の治療にはどのくらい期間が必要?
A.急性胃炎であればおよそ2日~3日で治るケースが多いです。ただし、絶対安静が条件になります。何度もくり返す慢性胃炎の場合は2~3か月の治療が必要でしょう。早期発見・治療ができるよう日々のチェックが大切です。

まとめ

いかがでしたか? 胃炎は胃粘膜と胃酸、2つのバランスが崩れて起こる病気です。胃粘膜が炎症を起こすと、吐き気・熱っぽさ・胸やけ・胃のむかむかなど、さまざまな症状が起こります。放置すると胃がん、胃潰瘍(いかいよう)・ポリープとさらに病状が悪化するでしょう。できるだけ、早めに治すためにも早い対処が重要です。当十字屋漢方薬局でも、胃炎に関する漢方相談を行っています。お気軽にご相談ください。


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