体調不良が6か月以上長引く!慢性疲労症候群の症状と原因について

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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なかなか疲れが取れない、長期に亘って疲労感を抱いている、体が思うように動かない。思いあたる症状があれば、慢性疲労症候群の恐れがあります。
慢性疲労症候群は、1990年ころから少しずつ患者数が増え続けている病気です。十分な休息と睡眠を取っていても体が回復しないなど、原因不明であることが特徴。
詳しい検査をしても、特別異常が認めらないことが多く、慢性疲労症候群を疑うきっかけになります。
風邪に似た症状を伴った体調不良が続き、体力の消耗も激しくなるでしょう。長期間疲労感を抱いた状態が続くと、精神的にもつらいはずです。
慢性疲労症候群についてご紹介します。体調不良で悩んでいる方は、この記事を参考にしてみてください。

  1. 慢性疲労症候群とは?
  2. 慢性疲労症候群の症状
  3. 慢性疲労症候群の原因
  4. 慢性疲労症候群の改善方法
  5. まとめ

1.慢性疲労症候群とは?

慢性疲労症候群は、日常生活に支障をきたすほど強い疲労感を抱く病気です。6か月以上継続して慢性的な疲労が続くのが特徴。
体を動かすことがつらく、体力の消耗が激しいため、通常の生活を営むことが難しくなります。周囲からは怠けているように受け取られてしまうこともあり、精神的苦痛を伴うこともあるでしょう。
休息してもなかなか疲れや症状が緩和せず、悪化した場合には食欲不振や不眠症を併発することもあります。男性より女性の方がかかりやすい傾向があり、患者数は男性の1.5倍いるとされている病気です。
休息を取ることで回復が見られる慢性疲労とは異なりますので注意してください。慢性疲労症候群が疑われるようであれば、適切な治療を受けることが必要です。

2.慢性疲労症候群の症状

6か月以上継続して疲労感を抱く慢性疲労症候群は、肉体的にも精神的にもつらい病気です。風邪に似た症状から全身に痛みを感じる症状に発展していきます。
慢性疲労症候群はどのような症状があるのでしょうか?体調不良に悩んでいる方は、あてはまる症状がないかチェックしてみてください。

2-1.微熱

代表的な症状として挙げられるのは、6か月以上続く微熱です。解熱鎮痛剤を服用してもなかなか熱が下がらず、体力を奪われることが多くあります。風邪だと勘違いしやすいので、長期間微熱が続くようであれば、医療機関を受診するようにしてください。
のどの痛みと頭痛を併発することも多く見ることができます。適切な対策を取っても風邪の症状が改善しない場合、慢性疲労症候群を視野に入れた治療が必要です。

2-2.重度の疲労感

日常生活に支障をきたすほど、重度の疲労感を抱くのが特徴です。運動後・育児・家事・激務など原因がはっきりしないのにどうしても疲れが抜けない状態が続く場合、慢性疲労症候群が疑われます。
病気の始まりがはっきりしているのも特徴で、経験したことがない疲労感を抱くようになったら注意してください。

2-3.筋肉痛・関節痛

運動したわけではないのに、全身に筋肉痛や関節痛を感じるようになります。体中に痛みなどの不快感を抱くので、異変に気づくきっかけにもつながる症状です。
体を動かしにくくなり、思うように活動できなくなります。日常生活が送りにくいため、仕事や学校生活に影響が出る恐れも。休息を取っても回復しないので、1つの目安になるでしょう。
リンパ節に圧痛や腫れを見ることができ、風邪が悪化したと感じる方も多くいます。リンパ節の発症部位は、首と脇の下です。

2-4.不眠・過眠

悪化すると、精神症状を引き起こします。食欲不振などの摂食障害や不眠を伴うと危険です。まれに、急激に眠気が襲ってくる過眠症状が現れます。
自律神経が冒され、寝つきが悪い・睡眠が浅い・たびたび目覚めてしまうなど、睡眠の質が低下が顕著になる傾向が強い病気です。

2-5.うつ症状

自律神経の異常で精神症状が現れますが、最も心配されるのはうつです。気分の浮き沈みが激しく、外出が難しくなってしまいます。
午前中に症状が重く感じることが多い一般的なうつとは異なり、午後に症状が強くなるのが慢性疲労症候群による精神症状の特徴です。
注意力・集中力の低下も起こり、認知症に似たもの忘れが起こりやすくなります。

3.慢性疲労症候群の原因

慢性疲労症候群の患者は年々増加傾向にありますが、原因がはっきりと解明されていません。しかし、臨床研究が進み、徐々に病気のメカニズムがわかってきています。

3-1.ストレス

人間の体は恒常性を維持するため、神経・ホルモン・免疫がバランスを取って健康的な暮らしを送ることができるのです。現代人はストレスを多く抱え込み、発散する機会が得られずにいることもあります。
ストレスによって免疫機能が低下し、神経伝達に異常が現れ、体内に潜んでいたウイルスが活性化するのが、慢性疲労症候群を引き起こす要因だという説が有力です。
ウイルスに対抗するため、体内の免疫機能が過剰になり、脳に影響を与えているとされています。

3-2.ホルモン分泌低下

慢性疲労症候群の特徴として挙げられるのは、ホルモン分泌の低下です。多くの患者は、コルチゾールが不足している傾向があります。
コルチゾールが低下すると、感染症やウイルスに対して抵抗することができず、炎症を起こしやすくなるでしょう。慢性疲労証拠群を診断する際、ホルモンの状態が指針となります。

3-3.遺伝的要因

近年、慢性疲労症候群の原因として注目され始めているのは、遺伝的要因です。特定の遺伝子に異常が起こり、さまざまな症状をつながるとされています。

4.慢性疲労症候群の改善方法

原因が明確になっていない慢性疲労症候群。免疫力の低下を改善する試みもなされています。改善方法を参考にしてみてください。

4-1.漢方薬による免疫力アップ

注目されているのは、免疫力を漢方薬によって高める治療法です。内分泌機能の働きを正常化する効果も期待できます。
漢方薬には気力と体力を補う作用があり、副作用も少ないメリットがあるのも特徴です。胃腸の働きを改善し、微熱や倦怠(けんたい)感から回復を促す効果も高く、慢性疲労症候群の緩和に最適だとされています。
代謝能力もアップするため、慢性疲労症候群の治療には漢方薬が有効です。

4-2.薬理療法

さまざまな症状が組み合わさっている慢性疲労症候群には、薬理療法も取り入れられています。微熱・筋肉痛・関節痛などの炎症性疾患には非ステロイド性抗炎症薬を、精神症状には抗うつ薬・抗不安薬などの使用が有効です。
体内にあるウイルスの活動を抑制する目的で、抗ウイルス薬や免疫調整薬を用いるケースもあります。

4-3.非薬理療法

ストレスがきっかけになっていることが多い慢性疲労症候群では、カウンセリングを平行して行い、心理的治療を試みることもあります。
カウンセリングを行うことで、心理的負担を軽くすることが目的です。
ビタミンやミネラルを食事やサプリメントで補う栄養療法もあります。ホルモン分泌低下が多くの患者に見ることができ、ホルモンを補う治療も。ホルモン分泌が正常化すれば、精神症状が緩和するとされています。

5.まとめ

慢性疲労症候群についてご紹介しました。体調不良が長く続く方は、あてはまる項目があるかチェックしてみてください。

  • 慢性疲労症候群とは?
  • 慢性疲労症候群の症状
  • 慢性疲労症候群の原因
  • 慢性疲労症候群の改善方法

慢性疲労症候群は6か月以上継続するのが特徴です。風邪に似た症状から始まり、休息を取っても改善しないことから発見されることが多くあります。副作用が少ない漢方薬が症状緩和には最適です。
日常生活に支障が出る恐れもありますので、早めに治療を受けるようにしましょう。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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