西洋医学と漢方医学の違いを知りたい! 〜それぞれの特徴とポイント〜

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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西洋医学と漢方医学は、どのようなところが違うのでしょうか。最近では、病院も漢方医学を取り入れるケースが多くなってきました。ここでは、西洋医学と漢方医学の特徴や違いなどを詳しくご紹介します。身体のお悩みを改善してください!

目次

  1. 西洋医学とは
  2. 漢方医学とは
  3. 西洋医学と漢方医学の違い
  4. まとめ

1.西洋医学とは

日本では、明治初期から、欧米医学を示す「西洋医学」という言葉が用いられるようになりました。

西洋医学の範囲には2通りあります。

欧米諸国で古代から現代まで発展した医学のことを指す場合と、ルネッサンスに端を発し、自然科学と結合して発展した近代医学・現代医学を指す場合があるのです。

つまり、西洋医学とは、私たちが身体の具合が悪いときに日常的に利用している病院のことを指しています。

西洋医学の診断方法・治療方法・薬などの特徴をご紹介しましょう。

1-1.西洋医学の診断方法

西洋医学では、一般的には問診から始めます。

初診の場合は、待合室で病状や病歴、アレルギーの有無などの問診票に記入を求められることも多いでしょう。

そして、触診・血液検査・レントゲン・胃カメラ・心電図などで身体の状態を調べます。

さらに、必要に応じて、CTやMRIなどを使用することもあるでしょう。

検査結果に基づき、病名を診断し、投薬・注射・入院治療・外科手術などの治療方針を決めます。

1-2.西洋医学が考える病気の原因

西洋医学で指す「病気の原因」とは、病気や不調の根本的な原因のことではありません。

症状に対して身体がどのようになっているのかを調べ、その状態のことを「原因」とします。

たとえば、レントゲンに「カゲ」が見つかりMRIで調べたところ、「ガン」が見つかった場合、そのガンを「原因」とするのです。

なぜガンになったのか、食生活が原因なのか、生活習慣が問題あるのか…などの、本来の意味の「原因」はあまり詳しく追究しないのが一般的でしょう。

1-3.西洋医学の治療方法

身体に起こっている症状(病巣)を「原因」と考える西洋医学の場合は、「原因」を攻撃する治療を行います。

そのために、病巣を検査し究明、病巣を薬などで攻撃したり手術をしたりなど「攻撃する治療法」を行うのです。

病巣を取り除くのは早いのですが、病人の体力の回復が伴わないケースもあります。

抗がん剤治療のように、がん細胞自体を攻撃すると同時に周囲の健康な細胞も攻撃することで副作用も伴うこともあるのです。

1-4.西洋医学の薬

西洋医学の薬は、有効成分が単一なために効き目が早く、解熱・痛みの緩和・血圧を下げるなどの症状に対してすぐ効果が出ます。

ただし、中耳炎や気管支炎など、細菌感染を抑える抗生物質は、人によっては薬物アレルギーを引き起こすのです。

薬物アレルギーのある人は、「お薬手帳」に体質に合わない薬を記入して、医師にアレルギーがある旨を伝えることが必要でしょう。

伝染病などの場合は、前もってワクチンを打つことで病気から身体を守ることができます。

2.漢方医学とは

東洋を起源とする伝統的な医学が「漢方医学」です。

主に、中国医学をベースに日本で発展した伝統医学のことを指します。

漢方医学は、16世紀室町時代以上に発展し、貿易が盛んになった安土桃山時代に一般にも普及したというほど歴史の古い医学です。

日本では、明治政府により西洋医学が導入され、漢方医学は衰退しました。

ところが、2001年以降、大学でも漢方医学の講義を行うところが増えてきたのです。

最近では、漢方医学は、ダイエットやアンチエイジング、美容などにも効果があることから、雑誌やテレビでも取り上げられて注目度が高まっています。

2-1.漢方医学の診断方法

漢方医学の場合は、病巣だけを診断する西洋医学とは異なり、病気になった人の全体を観察するのが特徴です。

漢方医学の場合は、「四診」と呼ばれる診察方法を用います。

  • 望診(ぼうしん)…「目」で身体の具合を診断する方法です。その人の体型・動作・顔色・爪の色・口こう内・舌などを見ます。特に「舌」はお血(おけつ/血液の流れが滞っている状態)や胃腸の状態などがわかり、「重要な診断」だといわれています。
  • 聞診(ぶんしん)…声の大きさ・話し方・呼吸・せき・おなかの音などを耳で聞いて身体を診断します。
  • 問診(もんしん)…患者さんの症状を聞く問診は、西洋医学と同じです。しかしながら、漢方医学の場合は、排せつ・生理・冷えの有無・過去の病歴・食事の好み・生活習慣まで詳しく聞いて判断します。
  • 切診(せっしん)…身体に直接触れる「触診」のことです。脈診(みゃくしん)は、脈の早さや深さを、腹診(ふくしん)はおなかの緊張度や圧痛を調べます。

以上の4種類の診察をして、総合的にその人が患っている病気や原因、改善方法などを判断するのです。

2-2.漢方医学が考える病気の原因

患部に直接作用する薬や、外科手術などによって病気を攻撃するのが西洋医学です。

そして、漢方医学では、病気だけを見てアプローチをするのではなく、患者さんの身体全体を診察し、生活スタイルや食の好みなどを聞き「なぜ、この症状が起こるのか」という本質の原因に迫ります。

病状を引き起こす原因を、患者さん自身の体質を改善することで予防・治療をしていくのです。

2-3.漢方医学が考える薬

漢方医学では「病名」を付けて診断しないのが一般的です。

体質や生活習慣など、総合的に症状を判断した「証」(しょう)によって薬を出します。

そのために、同じ症状の患者さんでも、その人によって出される漢方薬は異なるのです。

いわば、ひとりひとりに合わせたオーダーメイドの薬を処方するのが漢方医学といえるでしょう。

たとえば、血圧が高い場合、西洋医学では「高血圧」と病名を付け、降圧剤を処方します。

ところが、漢方医学では、「ストレスや老化などで身体のバランスが狂い、血管に負担がかかり、血圧が上がる」と判断するのです。

そこで、まずは身体全体のバランスを整える漢方を処方することから始めます。

3.西洋医学と漢方医学の違い

前項でご紹介した「西洋医学とは」「漢方医学とは」で、それぞれの診断方法・治療方法・薬など両者の違いがおわかりいただけたでしょう。

西洋医学と漢方医学のどちらが優れているとかではなく、症状によって適切な治療を受けることが大切なのです。

  • 西洋医学は攻撃型の医療…病巣を薬や手術で攻撃するので即効性がある。
  • 漢方医学は調和型医療…体質を改善して予防したり、病状を観察したりして「証」を決め、身体全体を改善することで病状を軽くする。

つまり、病気そのものだけを見る西洋医学とは異なり、漢方医学は、身体全体やその人の気質(きしつ)まで総合的に見て判断するのです。

  • 病気に負けない抵抗力のある身体作り
  • 疲れがたまらない身体作り
  • 気になる症状が出たら早めに治す

が、漢方医学の根本的な考え方なのです。

3-1.西洋医学にはない症状にも対応できる東洋医学

たとえば、普通の内科医に行って、「ダイエットしてやせたい!太らない薬をください」と頼んでも、薬は処方してもらえません。

健康を害するほど肥満している場合は、治療してもらえますが、病気ではない場合は、普通の病院では対応してもらえないでしょう。

そこで、美容クリニックなどで、脂肪吸引や脂肪溶解注射などの施術を受けることになります。

漢方医学では、患者さんの身体付き・性格・新陳代謝が衰えているなどの身体の状態・食べ物の好みなどから総合的に判断し、やせやすくなる漢方を処方してくれるのです。

4.まとめ

いかがでしたか?

西洋医学と漢方医学があるのは知っていたけど、その違いを知りたい!という方にむけて、両者の特徴などを集めてみました。

  1. 西洋医学とは
  2. 漢方医学とは
  3. 西洋医学と漢方医学の違い

両者は基本的な考え方から診断方法・治療方法・薬の処方などが異なることがわかっていただけたでしょうか?

たとえば、インフルエンザによる高熱で苦しんでいるときには、即効性のある西洋医学の薬で治療します。

逆に、肩こりと腰痛に悩んでいる・冷え性がひどい・生理痛が重いなどの日々のお悩みは、その原因を突き止め、その人に合った漢方薬を処方する漢方医学のほうがむいているでしょう。

また、薬のアレルギーが怖い・なかなか病院薬では病気が治らないなどの場合は、漢方医のいる漢方薬局で診断を受けることをおすすめします。


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