免疫力を高めたい! 漢方薬で体質を改善するためのポイント

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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免疫力とは、細菌やウィルスなどに対抗する力です。「最近、風邪などをひきやすくなった」という人は、免疫力が落ちているかもしれません。免疫力が落ちつづけると、病気にかかりやすくなるほか、疲れやすくなったり軽い病気でも回復までに時間がかかるようになったりします。「免疫力が低下しているかも」と思ったら、免疫力アップを心がけて生活をしてみましょう。漢方薬の服用が効果的なケースもあります。

今回は、免疫力をアップする効果が期待できる漢方薬の紹介を中心に、免疫力が低下する理由や高める方法を紹介しましょう。

  1. そもそも免疫力って何?
  2. 漢方薬で体質改善を図れるのか
  3. 免疫力を高めるために効果的な漢方薬
  4. 漢方を試すときの注意点

この記事を読めば、免疫力を高めるために日常生活でできることもよく分かります。免疫力を高めたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.そもそも免疫力って何?

1-1.免疫力とは?

健康な状態では、免疫力について気にすることはほとんどないでしょう。しかし、わたしたちが元気に生きていくためには免疫は欠かすことができません。
わたしたちが生活している空間には、目には見えませんがたくさんの菌がただよっています。ウイルスや細菌、カビなどさまざまな病原体が空気中に存在しているのです。そして、このような病原体はわたしたちの体のなかに入ってきます。しかし、体のなかに病原体が侵入したら必ず病気になるわけではありません。体に備わっている免疫力によって守られているからです。
そして、一度かかった病気にはかかりにくいのも免疫の働きによるもの。このように、わたしたちの体を病原体から守る重要な働きをしているのが免疫力なのです。

1-2.免疫力は低下していく

一般的に、免疫力は30代ごろから低下するといわれています。それでも、免疫力の強さには個人差があるのはどうしてでしょうか。免疫力には、生活習慣が大きく関係していると考えられています。食事や睡眠、ストレスなどに影響を受けやすいのです。疲れがたまっているときに風邪をひきやすいのは、生活の乱れにより免疫力が低下しているためといえるでしょう。

1-3.虚弱体質は免疫力が低下しやすい

疲れやすい、風邪をひきやすい、貧血気味、太れない、体温や血圧が低いといった虚弱体質の人は免疫力が低下しやすいので注意してください。免疫力が低くなっていると、いろいろな病気を引き起こしやすくなっています。体の働きをバランスよく整えて免疫力を高めるために、漢方を活用してみてはいかがでしょうか。

免疫力は年と共にどうしても低下していくのですね。
はい。しかし、体質や生活習慣によっては若いうちから免疫力が低い人もいます。

2.漢方薬で体質改善を図れるのか

2-1.免疫力を高めるには

免疫力を高めるには、免疫について正しく理解しておかなければなりません。最初にお伝えしたとおり、わたしたちが生活している空間にはたくさんの菌やウイルスがあふれています。そして、そのような菌やウイルスとわたしたちの体は常に戦っている状態であると考えてください。その戦いに必要なのが、免疫という仕組みなのです。

2-2.活性化する必要のある免疫細胞

免疫力を高めるためには、さまざまな免疫細胞を活性化しなければなりません。中でも、次の免疫細胞が重要な役割を担っています。

  • 抗原提示細胞……体内に侵入してきた菌やウイルスなどの抗原をとり込み、その情報をヘルパーT細胞に伝えます
  • ヘルパーT細胞……抗原提示細胞から受け取った情報を元にして、各細胞に攻撃を命令します
  • 細胞障害性T細胞……ヘルパーT細胞から受けた指令によって、がん化した細胞を破壊します
  • 白血球……ヘルパーT細胞から受けた指令によって、細菌や異物などを攻撃します
  • B細胞……ヘルパーT細胞から受けた指令によって、特定の抗体を生産し病原菌を攻撃します
  • ナチュラルキラー細胞……ヘルパーT細胞の指令がなくても自律的に攻撃を行える唯一の免疫細胞です。がん細胞を発見しだい攻撃する特性があります

このように、免疫細胞は連携しながらわたしたちの体を守ってくれているのです。

2-3.漢方で病気になりにくい体質を目指す

免疫力を高めるために、漢方薬が有効とされています。なんとなく体調がすぐれないけど病院で検査を受けても問題がない場合には、漢方薬を試してみてください。漢方の世界では、このような状態を「未病」と呼んでいます。未病とは、まだ病気になっていない状態のこと。西洋医学ではすでに病気になった状態を治療するのに対し、東洋医学は未病の段階で対処するという違いがあるのです。
ですから、免疫力を高めて病気になりにくい体質にするためには、漢方薬をとり入れるとよいでしょう。漢方薬で体質を改善して、さまざまな病気を未然に防ぐことをおすすめします。

なるほど。漢方薬で体内にある細胞の力を高めることできるんですね。
はい。そのため、多くの人に効果が期待できます。

3.免疫力を高めるために効果的な漢方薬

3-1.田七人参(でんしちにんじん)

高麗人参(こうらいにんじん)の仲間である田七人参(でんしちにんじん)は、古くから価値の高い薬草として大切にされてきました。免疫を増強する働きをはじめ、滋養強壮剤としても用いられています。

3-2.鹿角霊芝(ろっかくれいし)

免疫増強の働きがあるベータ・グルカンが豊富に含まれている漢方です。免疫力増強のほか、滋補強壮や抗がん作用などさまざまな働きを期待できます。

3-3.黄耆(おうぎ)

免疫力を高める作用や強壮作用があるので、さまざまな病気に対する抵抗力を高める効果がある漢方です。血液の循環や皮膚の新陳代謝を促進する働きもあるため、傷の回復も早まるといわれています。

3-4.梅寄生(ばいきせい)

日本で古くから民間薬として用いられてきました。免疫力増強や抗がん作用が確認されています。

3-5.白木耳(しろきくらげ)

このキノコは、免疫力を高めるベータ・グルカンなどの多糖類が豊富に含まれているのが特徴です。また、ビタミンやミネラルといった栄養素も多く含んでいます。

3-6.チャーガ(カバノアナタケ)

「カバノアナタケ」という和名のキノコです。抵抗力を高める効果により、ロシアや東欧では民間療法として飲まれてきました。免疫力を高めるベータ・グルカンなどの多糖類や、ミネラル、サポニンなどが含まれています。

3-7.当帰(とうき)

血行を促進する働きがあるため、貧血や体力低下などに効果を発揮する漢方です。更年期障害など女性の体調不良にも効果があります。

3-8.大棗(たいそう)

胃腸が弱い人に効果的です。疲れやすく、元気がない人におすすめします。

3-9.枸杞子(くこし)

疲労回復の効果がある漢方です。老化防止にもよいとされており、古くから不老長寿の民間薬として用いられてきました。ビタミン類が多く含まれているなど、栄養価が高いのも特徴です。

3-10.欝金(うこん)

古代インド医学から伝わっている薬草として知られています。カレー粉の原料としてもなじみがあるでしょう。胃腸や肝臓の働きがよくなるほか、抗炎症作用や抗酸化作用などもあります。

免疫力を高める漢方薬はたくさんあるのですね。
だからこそ、専門家に選んでもらうこと必要になります。

4.漢方を試すときの注意点

4-1.自分の体質を把握する必要がある

漢方を使う際には、自分の体質や体の状態をしっかりと把握していなければなりません。効果が得られないだけでなく、害となってしまう恐れもあるからです。総合的に体の状態を判断する必要があります。

4-2.専門家に相談する

漢方を試すときには、漢方に関する知識が豊富な専門家の指示に従ってください。人それぞれ適切な漢方は異なるためです。事前に相談してみるとよいでしょう。

やはり、専門科の意見を聞くことが大切なのですね。
はい。自己判断で飲んだり飲むのをやめたりしないことが大切です。

まとめ

最後に、免疫力を高めるのに有効とされている漢方薬をまとめておきます。

  • 田七人参(でんしちにんじん)
  • 鹿角霊芝(ろっかくれいし)
  • 黄耆(おうぎ)
  • 梅寄生(ばいきせい)
  • 白木耳(しろきくらげ)
  • チャーガ(カバノアナタケ)
  • 当帰(とうき)
  • 大棗(たいそう)

このような漢方を活用して、免疫力を高めていくとよいでしょう。いつまでも健康でいるためには、体質から改善していくことが大切です。ほかにもさまざまな漢方薬があるので、専門家に相談しながら試してみてください。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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