子宮筋腫で悩む人にお知らせ! 漢方治療の効果と悪化しないための心構え

十字屋平蔵薬局 薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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婦人科系の病気の中で、子宮筋腫は特に多い病気です。良性の腫瘍なので命にかかわる悪性の腫瘍と違い、すぐに何とかするべき腫瘍ではありません。しかし、最初は米粒程度だった子宮筋腫が次第にふくらみ、大きくなっていくといろいろな問題が発生します。できる場所や個数によっても症状が変わるため、子宮筋腫に悩まされている人は、治す方法を日々探しているでしょう。

今回は、子宮筋腫と漢方薬の関係についてご紹介します。子宮筋腫に漢方薬は有効なのか、どんな漢方薬が子宮筋腫に効果を発揮するのか、また子宮筋腫が悪化しないためのアドバイスも参考にしてください。

目次

  1. 子宮筋腫と漢方の関係
  2. 効果のある漢方の種類
  3. 子宮筋腫が悪化しないためのアドバイス
  4. まとめ

1.子宮筋腫と漢方の関係

1-1.漢方は子宮筋腫のしこりに注目

子宮筋腫は腫瘍ができる病気ですが、腫瘍=しこりです。どんなしこりができているのかを確認し、その原因を考え、しこりを取り除く治療がおこなわれるでしょう。漢方で治療する場合、エネルギー・血・水・気という4つの流れが停滞するとしこりができます。4つの流れをよくする治療が、子宮筋腫の治療です。

1-2.タイプ別の症状

漢方では、体質をタイプ別で分類して診断しています。タイプは細かくわけると10つ程度です。今回は子宮筋腫に関係が深いタイプを中心に紹介します。

瘀血(おけつ)

血が滞ってしまった状態が、瘀血(おけつ)です。子宮に血が出ていかず、次第に巡りが悪くなりしこりになります。原因はさまざまで、冷えからくる場合もあれば、外傷の場合もあるでしょう。

瘀血(おけつ)体質のしこりは、触れると硬く痛みが強いという特徴があります。

気滞(きたい)

気の流れが滞って、血の不足を招くのが、気滞(きたい)体質の特徴です。気の流れが滞る原因は、ストレスや心配事が考えられます。自律神経が乱れてしまうので、イライラしやすくなるという変化もあらわれるため、精神的につらくなっていくでしょう。

気滞(きたい)体質でできたしこりは移動しやすく、日によっては触れない日もあります。

痰湿(たんしつ)

体に水が巡っている状態が正常ですが、痰湿(たんしつ)体質になると食べ物や飲み物がうまく消化されないため、排泄(はいせつ)もできない状態です。そのため老廃物が体内にたまったままになります。そして、長く滞った状態が続くとしこりが形成されるでしょう。

食生活の乱れが主な原因になります。冷たいものや脂っこいものなど、胃腸に負担をかける食事を続けている人は、痰湿(たんしつ)体質になりやすいです。

痰湿(たんしつ)体質の人は、しこりが柔らかい特徴があります。

1-3.手術やホルモン治療との違い

手術は筋腫を切除、もしくは子宮全体を摘出して治療するでしょう。ホルモン治療は、女性ホルモンの分泌を抑えて筋腫の大きさを小さくしていく治療です。

手術のデメリットは体に傷ができてしまうという点でしょう。また回復にも時間がかかります。ホルモン治療のデメリットは、ホルモン治療を中止すると子宮筋腫が復活する可能性があるという点です。決して手術とホルモン治療は間違った治療法ではありません。しかし、違う視点から治療を考えたときに、おすすめできるのが漢方治療です。

漢方は血の流れをよくして体質の改善を目指しています。血の流れをよくしながら、できてしまった子宮筋腫を小さくしていこうという治療です。

漢方だけで完治は難しいですが、体質の改善とホルモンバランスを整えることで、症状の悪化や再発を抑えられるでしょう。

2.効果のある漢方の種類

2-1.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

子宮筋腫の治療で使う漢方として有名です。血行を促進する効果が期待できるので、血の流れがよくなります。茯苓(ぶくりょう)はむくみに効果があり、利水作用もあるでしょう。桃仁(とうにん)という鎮痛効果のある生薬も含まれるため、子宮筋腫で痛みを感じる人に処方されます。

2-2.婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

血の流れをよくするのはもちろんですが、血液を作る力も与えてくれます。出血が多くつらい月経のときや、子宮筋腫のせいで弱ってしまった体力を復活するために用いるといいでしょう。子宮や卵巣の働きも高めるので、婦人科系の悩みを抱える女性の味方をしてくれる漢方です。

2-3.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を処方できない、体力が弱い虚弱体質の人に用いられます。冷えや月経不順、貧血で悩んでいる人に最適です。ホルモンバランスを整えるため、子宮筋腫の進行を抑えてくれるでしょう。

2-4.迷ったら漢方のプロに相談

子宮筋腫の改善に使う漢方をいくつかご紹介しました。しかし、ご紹介した漢方以外にも、体質によって子宮筋腫の改善を期待できる漢方があるでしょう。自分で選ぶのは限界があります。体質を考えて漢方のプロがブレンドしてくれることもあるでしょう。

より自分に合った漢方を選ぶためには、漢方のプロに相談してください。

3.子宮筋腫が悪化しないためのアドバイス

3-1.運動は適度におこなう

子宮筋腫の改善には運動が効果的といわれます。確かに適度な運動で血流をよくし代謝を上げることは、子宮筋腫の改善に役立つでしょう。しかし、運動のしすぎは逆に子宮筋腫が悪化する可能性があります。疲れて次の日グッタリしてしまうような運動は、やりすぎです。疲れたせいで回復力を弱めてしまいます。

運動はやりすぎず、適度を心がけましょう。

3-2.体はできるだけ冷やさない

冷えは、血や水の流れをさえぎる最大の要因です。体は冷やさないよう気をつけてください。冬場は気温が低いのでの冷えに注意が必要です。気温が高い夏も、冷房がききすぎる部屋にいると、知らない間に体が冷えます。

また、食べ物も気を使いましょう。暑いときに冷えた飲み物を飲みすぎると体の内部が冷えます。

できるだけ体を温める食事を心がけてください。

3-3.自分に合う治療法を早く見つける

子宮筋腫は放っておくと大きくなる病気です。人によって成長に差はでますが、最大で赤ちゃんの頭ぐらい成長します。大きくなると強い痛みと圧迫感、出血などでつらいでしょう。

子宮筋腫の治療法はたくさんあります。漢方の治療も、どの漢方が体質に適しているか試さなくてはいけません。自分に合う治療法が見つかれば、改善への道はスムーズです。しかし、なかなか治療法がないと改善できません。時間ばかりたってしまいます。

早くいい治療法を見つけ、改善への道を歩き出しましょう。

3-4.食事の栄養バランスを整える

子宮筋腫と食事は切っても切り離せない間柄です。体を冷やさないために体を温める食事をしましょう。ゴボウやレンコンは細胞の代謝をよくするので、子宮筋腫で悩む人におすすめです。

量にも気をつけてください。食べすぎると体温が低下しやすいです。反対に量が少ないとエネルギーが作れず体温が上昇しません。適度な量を心がけてください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 子宮筋腫と漢方の関係
  • 効果のある漢方の種類
  • 子宮筋腫が悪化しないためのアドバイス

子宮筋腫は再発を繰り返しやすく、悩まされている人も多いです。若い女性の場合は子宮筋腫による不妊も心配されています。

子宮筋腫は悪性の腫瘍ではないですが、やはり健康をおびやかす不安材料です。漢方の力を使い、改善へと導いていきましょう。適切な対処で、子宮筋腫を小さくしたり痛みをなくしたりできます。

十字屋平蔵薬局 店主 富居 博典

監修者

富居 博典
十字屋平蔵薬局 店主

所属研究会・勉強会
東洋漢方研究会/伝統漢方研究会緑健会日本中医薬研究会

東京薬科大学卒業後、総合病院・調剤薬局での実務経験を経て、漢方専門薬局『十字屋平蔵薬局』を開業。

漢方薬だけでなく病気や症状・治療薬・医療全般についても精通しており、一人一人の治療経過や薬歴を踏まえた提案・養生指導が好評を得ている。地域情報誌にて健康コラム『平蔵の漢方相談』を連載。15年以上続く長寿コーナーとなっており、長きにわたって地元の人々に親しまれている。


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